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地方自治の国際比較 台頭する新しい政治文化 みんなのレビュー
- テリー・ニコルス・クラーク (編著), 小林 良彰 (編著), 三浦 まり (訳)
- 税込価格:7,700円(70pt)
- 出版社:慶応義塾大学出版会
- 発売日:2001/01/02
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紙の本
近年のリベラルな政治と財政再建の両立をめざす,新しい政治文化を分析。データを基に論を展開
2001/03/06 18:16
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投稿者:井上 繁 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は日米の学者5人の共同作業で生まれた。原著は「The New Political Culture(新しい政治文化=NPC)」である。1970年代以降,世界各地に台頭してきたこの新しい政治理念を分析している。
従来型の政治では,政治指導者は政党や労働組合などから支持を受け,たとえば,高所得者対低所得者といった対立軸のなかで,どちらかの代表として登場していた。NPCでは,市民民主主義,環境保護主義などを重視し,これら個別の争点ごとに異なるリーダーが登場する。こうした現象は,市民の教育水準や所得水準が高く,高度先端産業やサービス業従事者の割合が高い地方自治体や国ほど顕著にみられる。
本書はこうした問題意識で,新しい政治文化を論じている。構成は,第1章この本の概要,第2章新しい政治文化—脱産業化社会における福祉国家と社会政策へのダイナミックス,第3章新しい政治文化は本当に存在するのか—最近の主要な歴史的発展からの例証,第4章新しい政治文化の国際比較,第5章自治体における政党組織—その役割と変容,第6章自治体関係者意識の国際比較,第7章日本における新政治文化と政策過程−−である。また,補遺として米国はじめ,各国での調査結果を紹介している。
このうち,小林良彰慶応大教授の執筆した第6章は,日本,米国,韓国での調査を基に3カ国における意識の違いを明らかにしている。
名取良太関西大講師による第7章は,日本の自治体を分析対象としている。この章では,いくつかの仮説をたて,それを実証している。「政治的競争が激しい自治体の市長は再選を果たすために,高齢者福祉予算を拡大させる」「得票率の低い市長は,より多くの公共事業の配分を求め,依存財源の拡大志向を抱く」「政治的競争の少ない自治体の市長ほど対抗者の登場を恐れ,住民投票に消極的」などは興味深い指摘である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001
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