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紙の本
蘭とは何か、何が蘭なのか、いろいろなことを知ることができた。
2003/06/16 21:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は蘭の栽培のハウツウものや写真集ではない。蘭とは何か、何が蘭なのか、その植物学的構造や、自生地での生態学的様子について、平易に述べてある。
花が天地逆さまに倒立して咲いていること、特異な形態になっている3枚の花片と3枚の蕚弁からできていること、雌蕊と雄蕊が合体していること。ネジバナも蘭科であること。単子葉植物であること。菌根菌がいないと種から芽をふかないこと。着性蘭と地性蘭があること。絶滅したり絶滅寸前の種がもっとも多い属であること。食用や薬用の蘭もあること。葉の美しい観葉蘭もあること。雑種が作りやすいこと。等等いろいろなことを知ることができた。
蘭は園芸植物の最高峰であろう。定年後は挑戦してみたいものである。
著者は、シロイヌナズナで葉の幅と長さを決める遺伝子や、葉と花の違いを決める遺伝子を研究した、発生/分子遺伝学を専門とする植物学者である。これらに関する新書本もでている。そちらも面白い。
紙の本
蘭のイメージにくっきりした輪郭を
2001/02/02 04:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鈴木クニエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
授賞式につきものの、高くて派手な花。そんな印象しか蘭にはなかった。ただ、なんとなくモヤモヤした気分もある。その理由が本書の冒頭部分ではっきりした。蘭の花の大きな特徴の一つは、「花は左右対称だが、放射相称(点対称)ではない」こと。ひまわりでも桜でも、ほとんどの花は中心から放射状に広がっている。が、蘭は違う。私の違和感はここだった。
こうした基本的なところから植物学的な話を経て、さらには観賞用だけではない使われ方や取り巻くビジネスの話まで話題は広がっていく。効果はないのにいまだに強壮剤として流通していたり、人と蘭の付き合いは長く、興味深い。日本やアジアの野生蘭は、多くが乱獲にさらされ、絶滅危惧種となっている事実に唖然とする。
読みやすい文章と豊富な図版、スムーズに理解させるしっかりした構成だが、少しだけ残念なのは新書ゆえ写真が口絵を除いてモノクロであること。興味のある蘭初心者は『洋ラン完全入門』あたりを近くにおいておくと2倍楽しめるかもしれない。
面白く読みながら、ぼやけていた蘭という植物のイメージに輪郭をつけてもらえた。これからは私の視界で、蘭がくっきり見えるだろう。
(鈴木クニエ/フリーライター)
<目次>
はじめに
第1章 蘭学事始め
第2章 蘭の生物学1 蘭の形態学
第3章 蘭の生物学2 蘭の生活史
第4章 蘭の地理学・生態学−−アジア野生の蘭
第5章 蘭のエスノボタニー・蘭の経済学
第6章 蘭の未来学
あとがき
参考書・原著論文一覧
<関連書>
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