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「特別」でありたいと願い、「春分のひと」であることに「特別」を見出して、Sホールでアルバイトをする美大生の中山唯生。「春分」と「ドン・キホーテ」と「ブルースリー」のモチーフがちょくちょく出てくる。
前半が難しく、というか論文調だけど語彙が噛み合わないのかリズムが悪いのか、ぎこちなくなんとも読みにくかった。後半の特訓の話、映画撮影のドタバタになるとするする読めるようになり、唯生の有り余った自意識過剰さが「哀れ」で面白かった。「春分の日」たる「小春日和」の理論はいまいち謎。
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自己の存在理由及び価値を過去の人々に求める。
誕生日が一緒だとか、誕生日の日にちの持つ意味に求めたり。自分の存在が特別であるという思いを確実にしたい為に、目や耳にした拠り所に縋る思いは若いから?それとも芸術系だから?身に覚えがある感覚ではある。
途切れのない文体や、意味がない様な内容の羅列が最後にタイトルに繋がる所は面白かった。
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阿部和重はこれで三作目だが、いわゆるテクスト論的な眼を嘲笑うかのような露骨さと自己言及が相変らずで、ここに描かれるどうしようもない自意識は滑稽であるけれどもああわかるなあとも思う。
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デビュー作ということでこの作品を評価する人に対して予防線を張りまくったために記述がまどろっこしい。後の作品に比べるとやはり内容がまだ弱い感じがした。
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滔々と流れてくる文章に疲れたが、最後まで読んでよかった。映画だ。
特別になろうとするところ、その描写や、最後の客観的な視点が痛い。
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読むのがしんどい作品だった。人物について描きれてなく誰にも感情を重ねることはなかった、またこの小説を通して伝えたいことも読み取ることはできなかった。唯一、作者と主人公が繋がる瞬間だけは少し面白かった。
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第37回群像新人文学賞受賞作,第111回芥川賞候補作および第8回三島由紀夫賞候補作。デビュー作としてはかなり注目度の高い作品。
ディック『ヴァリス』やセルバンテス『ドン・キホーテ』など数多くの文学作品からの借り物が,モチーフとして登場。ある種のメルヘンくさい私小説といえる。
ポストモダンの残骸から,映画やカメラの特性を拾い上げて再生しようという意欲が湧いてくる。
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はじめの30ページは最高にクールでかっこよかった。以外はダラダラとして、退屈で、自己肯定感で、つまらん。