紙の本
描写の勝ち
2001/07/12 17:20
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投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
バーに入る主人公が、寒い寒いと愚痴るわけでもないのに、その凍てつくような寒さの描写は素晴らしい。友情と葛藤と、町の風景と、どれをとっても、物語の暗い闇の底に、自然と引きずり込まれていく。ウルフムーンと彼女がつぶやくその会話の場面だけでも、読んでみる価値ありの印象に残る作品。
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私立探偵アレックスシリーズ第二弾。
アイスホッケーの助っ人を頼まれ、何とか活躍する。後日、相手チームのガールフレンドから助けを求められ、別のコテージに泊めるが翌日にいなくなってしまう。誘拐されたと思い助けようとする。
よりハードボイルドになっている。また前作では敵対関係にあったプルーデルが相棒となり大活躍。警察署長も侠気を見せ、まるで少年漫画のようなイメージ変更。
ストーリーは前作同様に人探し。それに加えて麻薬やインディアンなどが絡み合う。スリリングなシーンも多く、これといって特技のない主人公はギリギリで助かっている。
面白かったので、さらに次作も読もうと思う。
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アレックス・マクナイトシリーズ2作目。
(猛暑に日に極寒のサスペンスを読むのは贅沢?)
ちょっとづつ丁寧に読み進めていたせいか作品の良さがジンワリと沁みます。前作の時には少々、鼻についた感があったハードボイルドさが気にならなくなり、登場人物一人ひとりの味が出ていてさらにアクションシーンもまるで映像を見ているかのよう。
絶妙な会話の応酬にクスリとさせられたり、思わずWikipediaで検索に時間を費やしたくなったり。
ハードボイルドにも慣れは必要なのでしょうか?
そうだとしたら私自身のスキルがUPしたのでしょう。
これは読書会で語らねば!と思わせられました。
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「氷の闇を超えて」と同様の緊迫感に溢れるストーリーで、息が詰まる。スーパーマンではない、恐怖には人間らしくおびえる普通の探偵が、責任感から事件に深入りし、自分自身が追い詰められてゆく心理描写が素晴らしい。
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私立探偵を廃業したアレックスの元に、暴力的な恋人から逃げる手助けをして欲しいとドロシーが訪ねてきた。
ロッジにドロシーを泊めたアレックスだが、翌朝部屋は荒らされ彼女は消えていた…。
前作の傷を引きずるアレックス。
いや、もう寒いこと寒いこと。
アレックスの内面と冬の自然描写がとてつもなく寒い。
やはりこれも事件よりキャタクタに目が行く出来。
単品として読んでも面白いけれど、この先彼が少しでも暖まる時はくるのかというシリーズとしての展開も楽しみ。