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リングの汁 旧「リングの汁」から「修斗の汁」まで花くま格闘珍書1992〜2000 みんなのレビュー
- 花くま ゆうさく (著)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:アートン
- 発行年月:2001.1
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紙の本
筋金入りのプロレス/格闘技ファンであるマンガ家&イラストレーターが、マニアックな情熱を注いだ絵文集
2001/03/14 18:15
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投稿者:杉田宏樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「マサ・サイトーこそ、男の憧れの地」「今、プロレスラーになれるとしたら、迷わず選ぶのは石沢か高阪だ。永田や山本ではない。まして、天山や小島であろうはずがない」「思えば、プロレスを見ていくといつも節々に木戸がいました」「桜庭&小川サイコー(PRIDE 6)」—— マンガ家&イラストレーターの著者・花くまゆうさく(1967年生まれ)の嗜好は、平成のプロレス・ファンとは一味違う。92〜00年に「紙のプロレス」等で発表したプロレス・エッセイと2〜4コマ漫画の集成本。プロレス漫画界(そんなのがあるのかどうか知らないけど)における花くまのポジションは不明だが、絵のタッチは蛭子さん的、と言えばわかりやすいか。藤田もヒクソンも船木も全然似ていないが、その点を補って余りある、ユーモラスでポイントを突いたセリフ使い。漫画だけをとっても、プロレス/総合格闘技に対する理解がうかがえる。花くまの興味の対象はあらゆるプロレスのみならず、PRIDE、K−1、サンボ、シューティング、合気道、ボクシングなど、広く格闘技全般に及ぶ。しかも自らグレイシー柔術の大会に出場してしまうほどの情熱家。ハンパじゃないのだ。「好き」「血が騒ぐ」の気合いとテンションが文章からも迸っている。ぼく(=杉田、プロレス観戦歴34年の猪木シンパ。だから小川の応援者)もそうだが、長い間プロレスを観続けているファンにとって、ヒクソン・グレイシーやPRIDE系格闘技が人気・実力共にプロレスラーを脅かす存在として急成長し、高田や船木が負けてしまった(小川に完敗、の橋本も)現実は、まさに危機的状況なのである。花くまが「プロレスの試合で心ときめくことがない」と吐露するのもしかたがない、とぼくも思う。ファンが恥ずかしくなってしまうようなマイク・パフォーマンスをする鈴木みのる、ヒクソンに連敗したのにノー天気な高田、総合格闘技と交わらずにプロレス=最強ヅラをする健介、同じく無批判にプロレス=最強を盲信し、騒々しい実況中継を止めない辻アナ…花くまの苦言には、反論の余地がない。「ラリアットプロレスだけじゃノレないよね」も、その通り。相手の技を受けるタフマン・コンテストが極限まで行った昨今、もはやそれだけではプロレスの生命線を守ることができないところまで事態は悪化している。あ〜ん、もう、プロレスラーたちよ、しっかりせんかい!花くまが中学生の時に見上げた凄い人、怖い人のプロレスラーは、もはや望むべくもないのか。先の言葉に続けて花くまは、悲痛な叫びを上げる。「猪木っ、今の新日をぐちゃぐちゃにしてくれ!」。昨年末の「猪木祭り」で、新日の選手とPRIDE系の選手がタッグで対戦したのを皮切りに、3月2日のZERO−ONE旗揚げ興業では、電撃的に橋本、小川、藤田、三沢、秋山ら猪木派と馬場派が大乱闘を演じ、マット界は一気に予断を許さぬ群雄割拠の戦国時代に突入。社長らしさを発揮することもできず、「いつものように東スポでビックリする」藤波は、この展開をどのような思いで見ているのだろうか。プロレス者の苦悩は続く。 (bk1ブックナビゲーター:杉田宏樹/音楽評論家 2001.03.15)
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