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古生物の科学 3 古生物の生活史 みんなのレビュー
- 速水 格 (ほか編集委員), 池谷 仙之 (編), 棚部 一成 (編)
- 税込価格:14,300円(130pt)
- 出版社:朝倉書店
- 発行年月:2001.2
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紙の本
古代の二枚貝や恐竜など,多様な生物の生活様式を,最新の研究事例を交えながら,明解に記述。関係者必携
2001/03/30 15:16
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投稿者:木村 智博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
地球が刻んできた歴史をひもとくときは,知的興奮に満ちる。とくに,いまは絶滅した古生物の姿に迫る作業は,ロマンを感じ,研究を志す人が多い。一般の愛好家から研究者まで,多くの人が化石を探索し,生物進化の歴史に思いをはせる。この欲求を満たし,いっそう好奇心をかき立てるのが本書。古生物の分野では化石の分類を詳述したものと,全体を概観した百科事典の色彩の濃いものと,各事項を複数の著者によって深く掘り下げたものに大別される。
本書は,20人の研究者が古生物の生態,生活様式など,最新の研究成果を盛り込みながら解説している。読み進むうちに,生物多様性のダイナミックさを感じ,生物間の相互関係,生命の営みにふれることができる。愛好者から学生,第一線の研究者,さらには生物進化のドラマに関心あるすべての人に薦めたい1冊。
従来,古生物の書では地質学的な記述や化石の分類に主眼を置いたものが大半であった。本書は,「パレオバイオロジー」(生物学的古生物学,著者らは進化古生物学と訳している)の観点から,現存する生物との対比,フィールド観察など,バイオロジーで活用されている手法を駆使し,古生物の生活実態に迫る。生物はどのように進化してきたのか,古生物の営みはどうだったのか,との共通の思いを込め,執筆している。
構成を見る限りではバイオロジーのテキストと錯覚しそうになるが,まぎれもなく,古生物の生活に焦点を当てている。恐竜だけではなく,二枚貝,底生動物,各種の脊椎動物にもふれ,現在の生物との関係をつづる。生殖,繁殖と発生,成長,機能形態,生活様式,個体群動態,生物地理などを扱う。軟体動物の発生・繁殖,脊椎動物の食性,有孔虫の一生はなによって決まるのか,足跡の研究に基づく恐竜の行動様式など,実に興味深いテーマが並ぶ。また,環境によって影響される古生物の分布の状況にも言及し,古生代や新生代の環境を記す。種々の要因を視野に入れながら,生物進化の過程を眺めた好著で,貴重な成果である。
(C) ブックレビュー社 2000-2001
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