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テキストファイルとは何か? 知らぬでは済まぬ電脳社会の常識 みんなのレビュー
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紙の本
パソコンで文章を書く
2005/12/12 20:16
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:喜八 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の鐸木能光(たくきよしみつ)さんは、現代においてもっとも効率的な文章執筆法を実現するための手段として以下の点を主張する。
・パソコンを使って書く(原稿用紙に手書きではなく)。
・エディタを使う(ワープロソフトではなく)。
・テキストファイル形式でデータを保存する(バイナリファイル形式ではなく)。
『テキストファイルとは何か?』はパソコンを使って文書ファイルを作成し、そのファイルを十二分に活用しようとする人を主な対象として書かれている。これらをストレスなく効率的に行なおうとするなら、テキストファイルを理解することが必要となる。つまり現代人にとってテキストファイルは必須の教養科目なのだ。
それではあらためて「テキストファイルとは何か?」と質問されたとき、はたしてどれだけの人が正確に答えることができるだろうか? そしてテキストファイルの重要性はどれほど理解されているだろうか?
一言でいえば、テキストファイルとは文字コード(記号・番号)だけで記述されたファイルのことである。テキストファイルは「世界共通の約束事」であり、どんなワープロソフト、エディタソフトでも読める。またデータベースソフトやブラウザなどでも読むことが可能だ。
テキストファイル以外をバイナリファイルという。バイナリファイルは各ソフトメーカーでそれぞれみな形式が異なり、互換性がない。それどころか同じ会社のソフトでもヴァージョンの違いで互換性を失うことも少なくない。
実際には大多数の人は無意識のうちにバイナリファイル形式でデータを保存している。一般的なワープロソフトである「ワード」や「一太郎」で文章を書き、保存すると半自動的に独自形式のバイナリファイルになる。テキストファイルにはならない。
それならば、なぜその便利なテキストファイルが人に知られることが少なく、バイナリファイルでの保存を標準とした、「ワード」や「一太郎」のようなワープロソフトが市場を席巻しているのだろうか?
つまるところ、これは各メーカーの「ディファクト・スタンダード(事実上の標準)」争いの結果なのである。
メーカーにしてみれば、自社特有のバイナリファイル形式をディファクト・スタンダードとすることに成功すれば、巨大な利益を得ることができる。そのため各メーカーは、共通規格であるテキストファイル形式を忌避し、独自のバイナリ形式に固執する。
多くの消費者はメーカー側の都合に踊らされて、便利なテキストファイルに目が向かぬように遮眼帯をかけられ、バイナリファイルをいわば半強制的に使わされているのである。コンピュータの世界では「多数派」に従うことは一般に合理的な選択なのだが、この場合には当てはまらない。
鐸木能光さんは、1955年福島県生まれ。小説家・作曲家・ギタリスト・大学講師・ITビジネスコンサルタントなど多彩な顔をもつ。長編小説『カムナの調合』や『黒い林檎』は他に誰も書くことができない、優れてユニークな作品だと私(喜八)は思う。
紙の本
価格以上の情報価値!
2001/04/25 03:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんた - この投稿者のレビュー一覧を見る
『ワードを捨ててエディタを使おう第2版』(SCC)を買って、その延長としてこの本も購入してみたのですが、読み物としての面白さはこちらのほうがずっと上ですね。『ワードを捨てて〜』は実用書ですが、これはエッセイ、または文明論とでも言うべきでしょうか。
「大胆文字コード講座」のところなどは、下手な小説を読むよりはるかに面白く、「へーえ」「うっそー」と心の中で呟きながら、ぐいぐい読み進みました。文芸書から理工学書までいろいろ読みますが、最近、これほど読後に「得をした」と思える本は稀です。
最初は、体裁の割に値段が高いかなという感じがしたのですが、読み終えた後は逆の印象でした。これだけのことを教えてくれたのだから、2倍の値段でも安かった、と。
タイトルから、難しい専門書なのかと思うかたもいらっしゃるかもしれませんが、非常に読みやすく(さすがに「文章術」の本も書いているだけのことはあります)、むしろパソコン初心者、パソコン未体験者に勧めたい本です。現代文明の薄っぺらさ、いかがわしさの原因は何かというようなことまで、深く考えさせられる名著です。
紙の本
日本語をコンピュータで扱っている人は必読の書
2001/12/10 00:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:淳 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「テキストファイルとは何か」と題されてはいるが、テキストファイルについてのみならず、テキストファイルを構成する文字コードやフォント、ひいては著作権の話題まで、日本語の文章をデジタル的取扱うにあたり避けては通れないテーマについて、網羅的に紹介されている良書である。
読者対象の幅を拡げようとしているためか、技術的な議論があまりなされていないことにやや物足りなさを感じる点は否めないが、逆にさらっと読めるので、この分野について教養を深めたい向きにはちょうどよいかもしれない。
「はじめに」の最後に「コンピュータと文字文化の深遠な問題を共有し、新しい時代の文字文化を一緒に考えていきましょう」とあるように、現代において文章を書く商売に従事している人間(著述業というだけでなく、論文を記す研究者や企画書を練り上げるビジネスマンも当然含みます)には必読の書といえる。まさにサブタイトルに示されている「知らぬでは済まぬ電脳社会の常識」である。
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