紙の本
親切なおじさんはどこへいったのか
2001/06/08 13:55
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投稿者:MM - この投稿者のレビュー一覧を見る
斉藤洋さんの作品ならおなじみの、主人公に親切なおじさんというのがこの話には出てこないようで、読み終わってからそれに当てはまるのが誰なのか考えてしまいました。なんじゃひなた丸の愛読者なら勝つためのトリックが途中で分かってしまいますが,かえって著者の発想法が分かったようで興味深いです。
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国交を結んだゴルドニアが、隣国ブラウニアに攻め込まれているということで、王の(というか伯父)の以来で、親友バルたちとともに、ゴルドニアに行くことになったジーク。
森というかぎられた世界で生きてきたジークは、ゴルドニアでみる様々なものに驚きつつもゴルドニアの惨状に胸を痛める。
今度は、ゴルドニアを救うため戦うジークの話です。
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「えーっ? 勉強? よせよ、おい。本気か、ジーク。」
「ばか。大きな声を出すなよ。おれ、ごルドにあでしみじみ思ったんだ。ジルバニア語しか話せないっていうのは、ものすごく不便だ。まず、ゴルドニア語、それからグリドニア語やブラウニア語もならいたい。」
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面白かったです。いわゆる児童文学、ヤングアダルト系なので、
登場人物のネーミングとかは子供っぽいけど、話自体は奥が深く、
ぐんぐんひきこまれました。
主人公ジークという少年の冒険談の中に、出生の秘密のことや、古くからの
その土地の信仰(神)のことが織り交ぜてあって本当に飽きずに読めました。
大人でも楽しめます。さすが、斉藤洋さんです。
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前作が面白かったので読んでみたけど前作ほどのめりこめなかったというか、小学生には難しかったのかな?
小学校の図書室で借りた記憶があるけど、2002年発行だから計算が合わない...ナゾだ。
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正直なところ、「白狐魔記」ほどは面白いと思えませんでした。 でもそれは恐らく KiKi が50代の♀だからで、小学生ぐらいの時にこの物語を読んだらそれなりに感動したような気がします。 ものすご~く王道の貴種流離譚でそういう意味では先が読めちゃうんだけど、特に第1巻ではジークを取り巻く人々がとても生き生きと描かれているので、物語世界に没入しやすい物語だと感じました。
ただ、第1巻に関して言うなら物語のクライマックスというか山場はアーギスという魔物との戦いの部分だと思うんだけど、そのアーギス退治の話が出てきてからがちょっと雑・・・・というか呆気なさすぎる感じがしちゃいました。 児童書のページ数ということで何等かの制約があったのかもしれないけれど、そこに至るまでの物語の書き込まれ方が丁寧だっただけに肝心なところへいってからが「およよ」と言っているうちに終わっちゃった・・・・そんな印象なんですよね~。
第2巻の方は「戦記」を名乗る割にはちょっと食い足りない・・・・そんな印象です。 だいたいにおいてジークが出陣する前に同盟国に乗り込んでいった1万のジルバニア軍が全滅するような戦いだったにも関わらず、その後出ていったジークを大将とする1,500の軍隊の中で名もない兵士はともかくとして、ジークの脇を固める第1作から引き続き登場するメインの登場人物が全員無事というのはちょっといただけないよなぁ・・・・・。 まして、相手国の主力が「龍の起こす竜巻」といういわば超常現象というのも、「戦記らしさ」を欠く大きな要因だったように思います。
狼猟師に育てられ、「王族」であることよりも「一人の猟師」であることを選ぶジークが自国の都や敵国で多くのことを吸収して成長していく姿には頼もしさを感じたし、軍隊の指揮経験が皆無だった彼が「狼猟」の際の経験を活かして敵陣に突っ込んでいく当たりは「なるほど」と思わされたけれど、これが普通の「戦記」という名に相応しい国同士・軍隊同士の戦いだったらこの物語のような「良かった、良かった」という結末にはなりえなかったとも言えるわけで、そういう面でもちょっぴり「これでいいのか?」と思わないでもありませんでした。
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なんと、ジークの続編があったとは知らなかった。
本作は少し戦いや血、女性が出てきて、前作が小学生向けなら、こちらは中高生向けか。もちろん大人も楽しめる。この世界観で好きな所は、人間の及ばぬ不思議な力があるものの、あくまで人間は人間で、下手なファンタジーにありがちな魔法使いなどがいない所。