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みんなのレビュー10件

みんなの評価3.5

評価内訳

10 件中 1 件~ 10 件を表示

紙の本

「リスク管理」は個々人の問題である

2001/04/25 12:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 リスクを評価したり管理することがきわめて複雑な問題であることを具体的事例を通じて指摘した上で,著者は各個人が「リスク・マネージャー」として自立することを求めている:「我々が判断すべきことは,正しいか間違っているかというより,主観的な善悪の判断を伴う真剣な個人的見解の問題だ」(p.245).これは,リスク評価や管理あるいは判断という問題をまずは個人に返そうという見解であるように私は感じた.
 小さな本ではあるのだが,裾野の広いしかも重いテーマに取り組んでいる.一読をお薦めする.

【目次】
謝辞 3
序章 白熊対処法 9
第1章 「リスク」の達人ではないからこそ 15
 リスクは突然襲ってくる
 複雑化する社会生活のリスク
 リスクの認識と判断
 リスクにおける理論の発展
 新しい思考パターンへ
第2章 革命の幕を開けた変わり者の修道士 29
 ブレーズ・パスカル
 未完のバッラゲーム
 神の存在と意思決定理論
 リスクという言葉の登場
 世界を映す数のパワー
 相対的なリスク
 サンプリングの技術
 「平均への回帰」という考え方
 「相関」の発見
 リスクとリスク・ファクター
 確立と統計の力
第3章 ベッドの中さえ危ない世の中 59
 リスクを意識してみる
 リスクを数値化する
 溢れるリスク情報
 データが示すリスクの特徴
 リスク情報をどう捉えるか
 日常生活に潜むリスク
 リスク判断の難しさ
 危険というレンズで世の中を見る
第4章 リスク管理の全体主義的な一面 81
 リスク対策に囲まれた生活
 予防接種の発見
 医学の進歩とリスクの変化
 技術革新が生み出す新しい危険
 責任は誰に?
第5章 白熊を巡る愚行 もしくは 
危険に対する無意識のルールがどう災いを引き起こすか 101
 危険の受け止め方
 楽観的傾向の罠
 専門家と一般人のギャップ
 メディアが歪めるリスクの実態
 直観的な論理に基づく錯誤
 エイラー不安
 リスクにおける恒常性理論
 妻と私のリスク観の違い
第6章 リスクは好き? 嫌い? 125
 リスクの好き嫌い
 個人差における生物学的要因
 シェク・エクスリー
 刺激を求める人
 環境のもたらすもの
 遺伝子の影響
 脳内物質とリスク志向性
 男女の違い
 リスクを冒す者が進化に果たす役割
第7章 細胞撲滅闘争 151
 生命維持のための優先順位
 分子生物学の進展
 DNAの果たす役割
 細胞における果てしなき戦い
 長期的なダメージ
 癌と遺伝子,アポトーシス
 バイオマーカー
 自分専用の健康情報がもたらすもの
第8章 どこで線を引くか 175
 食事に含まれる有害物質
 植物と化学物質
 計量技術の進歩
 毒物の多様な性質
 皇帝ネロは弟を毒殺したか?
 毒か薬かは量次第
 社会の安全性への関心
 毒物学と人体実験
 リスク・ゼロの考え方
 線引きの問題
 ダイオキシン
 ダイオキシン流出事故
 動物実験における問題
 包括的なリスク・アセスメント
 環境ホルモンの影響
 リスクのバランスの問題
第9章 「リスク・ゼロ」神話 209
 リスク管理上のかけひき
 リスクの連鎖反応
 「リスク・ゼロ」神話の崩壊
 科学の進歩とパンドラの箱
 核の冬
 大規模化するリスク
 はっきりした原因がない!?
 ノーマル・アクシデント
 身近なノーマル・アクシデント
 スリーマイル島の大惨事
 事故は避けられない?
 複雑系理論とリスク
 リスクは流動的
第10章 リスク・マネージャーとしての新しい役割 237
 判断するのは専門家ではない
 判断基準とは何か
 大局的に見る力を養うこと
 多様化する判断材料と選択肢
 リスクにおける判断過程の重要性
 判断は自分の手で
 判断のための知る権利
 リスクセンスを養うということ
訳者あとがき 251

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紙の本

「白熊」は次々にやってくる(かもしれない)

2001/04/25 21:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は、リスク分析という新しい研究領域を紹介するとともに、実践的な技法としてのリスク・マネージメントを解説した本である。日常生活の中で私たちをとりまくさまざまな「あぶないモノ・コト」たちの「危なさ」−すなわち「損失や損害を受ける可能性」(p.23)と定義される「リスク」−をいかにして評価するか、そもそもリスクとはいかなるものなのかについて、身近な具体的事例を通して述べている。
 第3章に描かれるごく普通の生活空間に潜むさまざまな「危険」の可能性を数値として見せられるのは、ちょっとしたショックである。アメリカではベッドに寝ていてケガをする人が年間40万人以上、服のファスナやボタンでさえ年間14万人ものケガ人が出ているという。いたるところリスクだらけである。「これは安全である」と思いこむ前に「ひょっとして」とリスクを意識してみるという態度が必要なのだろう。
 やっかいなことは、これらのさまざまなリスク源が微妙に絡みあい、全体としてのリスク評価をますます複雑にしているという事実である。あるリスクを低減させることが、いま現在あるいは近い将来、別のリスクを増大させるかもしれない。想定されるリスクの責任を追う者が誰かというきわめて現実的な問題とあいまって、リスクの認識とその評価は技術的難度を増すことになる。しかも、人間の生活者としてのリスク認知は、第5、6章で言及されているように、おそらくは進化心理学的な背景により、どうしてもバイアスがかかってしまう(たとえば、人工物よりも自然物の方がリスクが小さいと思いこんでしまう性向)。このことは、リスクに対する「恐怖」という人間的な問題を引き起こす。
 著者は、リスクとはたとえて言えば「ひょっとしたら出会うかもしれない白熊」なのだと言う。そうであるからこそ、生活者として人間はさまざまなリスクに関する情報を積極的に集め、主体的に(たとえそれが主観的であろうとも)判断していかねばならないのだと締めくくる。今後も次々とあらわれるであろう新手のリスク源(新しい化学物質、遺伝子組換え生物、科学技術など)に対して、生活人は主体的な「リスク・マネージャー」としての「リスク・センス」どのように磨いていけばいいのか−本書は多くのことを教えてくれる。

(三中信宏/農林水産省農業環境技術研究所主任研究官)

【目次】
謝辞
序章 白熊対処法
第1章 「リスク」の達人ではないからこそ
第2章 革命の幕を開けた変わり者の修道士
第3章 ベッドの中さえ危ない世の中
第4章 リスク管理の全体主義的な一面
第5章 白熊を巡る愚行 もしくは 危険に対する無意識のルール
がどう災いを引き起こすか
第6章 リスクは好き? 嫌い?
第7章 細胞撲滅闘争
第8章 どこで線を引くか
第9章 「リスク・ゼロ」神話
第10章 リスク・マネージャーとしての新しい役割
訳者あとがき

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