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フードコーディネーターの仕事 食コマーシャル制作の現場から みんなのレビュー
- 森沢 のり子 (著)
- 税込価格:1,650円(15pt)
- 出版社:文化出版局
- 発行年月:2001.3
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紙の本
フードコーディネーター歴25年のベテラン仕事人が、食コマーシャルの現場とテクニック料理メニューを明かす
2001/05/25 18:17
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投稿者:杉田宏樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
緒形拳がはまぐりを焼く「キリン一番搾り」、永瀬正敏がニュース・シーンに合成で登場する「カップヌードル」、電話音が鳴る中、男性が汗を拭きながら一心不乱にみそ汁をすする「永谷園のあさげ」、といったテレビコマーシャルやパッケージなど広告の裏方の仕事に従事。フードコーディネーターの第一人者として活躍するキャリア25年、森沢のり子(1948年生まれ)の“現場報告”である。ところでフード〜とは一体どのような仕事内容なのだろうか。15年前にこの肩書きを名乗る以前は、クッキングスタイリストの看板を掲げていた。つまり料理人と、食器などを調達する、服飾関係で言うところのスタイリストの両方を請け負う業務だ。元々はテレビのセットデザインなど美術担当を経て独立した経歴の持ち主。フード〜となると撮影関係からさらに守備範囲は広がって、食品や家電製品の開発や料理番組の監修、ホテルのブライダル・フェアーのコーディネートまでをも手がける。著者が挙げるフード〜の必須条件は、1.和食、洋食、菓子、オリジナル料理が作れること、2.3センチのお菓子を20センチに、とか炎天下に1時間おいても溶けなくておいしいアイスクリーム、などのリクエストに対して、材料を分析し3日以内に作れること、3.歴史的知識や使い方を含め、食器を見て選べる目を持つこと、4 テーブルコーディネートができること、である。食材を選ぶ目を身につけていることは言うまでもなく、だ。「地味な仕事なんです、一人前になるまでは。それこそ、ピーマンだけでなく、いろいろな材料や、器、布、小道具などを探して、大荷物をしょって、東京中を走り回る。そして夜なべで料理の仕込み。そのうえミスをするとみんなの前で怒られる。そんなこんなの毎日の積み重ね」。例えば永谷園の「すし太郎」の仕事では、お釜でいいご飯を一俵近く炊き、一回の撮影で一晩立ちっぱなしで薄焼き卵を200枚も焼く(たいていの撮影では、本番OKまでに大量の食材が使用され、終了後はスタッフが“お持ち帰り”する)というから、現場はさながら常人の想像を超えた“真剣勝負”が展開されているわけだ。写真でも映像でも、料理が美味しく見えるのなら、考えられる限りのあらゆる努力を傾ける。最高の食材を手に入れるため、築地の仲買人や全国の農協、漁協の協力を得る。撮影用の食器やテーブルを貸し出すリース屋がまだなかった時代、とにかく熱意と誠意を示して食器店に頼み込む。それも本番までの限られた時間と戦いながら。骨董店の頑固ばあさんに、李朝の粉引茶碗を借りるエピソードは、裏方の苦労がうかがえて、面白く読める。このくだりを初め、本書の特徴が、著者が話しことばで語りおろしている文体にあることは指摘するべきだろう。読み進めるうちに、自然とフードコーディネーターという仕事への興味がそそられるのだ。巻末には『特別ふろく〜私のおすすめ料理』と題して、カラー写真と材料・レシピを掲載。料理好きのみならず、広く“クリエイター”に関心を持つ向きには絶対オススメの一冊である。 (bk1ブックナビゲーター:杉田宏樹/音楽評論家 2001.05.26)
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