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紙の本

マニエリスムの大家、ポントルモの遺した日記。芸術家の生活を垣間見ることのできる一級資料

2001/05/11 18:16

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:廻由美子 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 16世紀のイタリア絵画の歴史に「マニエリスム」という新たなページを与えた異色の画家ポントルモ、本名ヤコポ・カッルッチ。
 鋭い感受性と病的な性格で独特の絵画様式を創りあげ、数々の傑作を遺した彼が、最晩年にあたる1555年から1556年にかけての二年半ほどの間に書いた日記である。
 その強烈な美学に支えられた異色の芸術家の日常ともなれば、我々凡人には思いもつかないような出来事で満ちているに違いない。創作の苦悩、歓喜、霊感に溢れた非日常的な毎日。きっと錬金術師のように大鍋をかきまわし、美女の生き血を吸い、ヘビなど食し、叫び、吠え、魔法の杖を振り回しているのだろう。決して他人には見せないであろう創作現場がこの日記によって覗けるかもしれない。その中のいくつかは取り入れることができるかもしれない。そんな卑しい根性で読み始めた本であるが、そんな期待はすぐに打ち砕かれる。この日記の中にあるのは徹底的に虚飾を排除した、恐ろしく単純な日常である。

 木曜日は夕食にパンを15オンス食べた。
 金曜日はパンを14オンス。
 土曜日は夕食をとらなかった。

 こんな具合なのだ。肝心の創作に関しての記述も全く飾り気がない。

 金曜日 上半身(スケッチ) 
 土曜日 脚  

 こうなるとほとんどシュールな感じすらしてしまう。「読まれる」ということを全く意識せず、ひたすら自己の「記録」としてつけられたこの「日記」は、よくある現実を記すよりも理想を現実のごとくに書いた「読まれたい日記」などと違い、一行一行がじかに心に響く。
 絵を画くのに何の秘密もない。そこには厳しい自己管理と毎日の鍛練があるのみだ。芸術に魔法の杖は存在しない。ひとつひとつの技術の積み重ね、それ自体が魔法の杖なのだ。我が身を振り返り、反省することしきりである。 (bk1ブックナビゲーター:廻由美子/ピアニスト 2001.05.12)

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