紙の本
子どもはこうでなきゃ!!
2010/04/12 11:58
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るるる☆ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ニューヨークのプラザホテルに住むエロイーズ。
高級ホテルを原っぱのごとく駆け回り、悪戯三昧のエロイーズ。
素敵なエロイーズ!
子どもはこうでなきゃ!
高級な調度品やルームサービスでいただく贅沢なお料理。
気取った乳母や一流大学出身の家庭教師。
誰もが憧れるセレブな生活だけども、そんな大人社会の価値観なんてふっとばす子どものたくましさがいいんですよね。
最近の都会の子ども達の多くは、
大人の作った枠にはめられて、子ども本来の想像力ももぎ取られ、
大人しくお利口に育ちすぎているのではないでしょうか。
想像力豊かにホテル中を遊び場に変え、高級品をおもちゃに
変えてしまうエロイーズ。
片時もじっとしていない子どもの躍動する生命力が
生き生きと描かれています。
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読み聞かせじゃなくて、自分で読んで楽しめる1冊。
THEいたずらっ子。
周りにこんないたずらっ子がいたらちょっと嫌だな〜と思うけど、
自分もこんないたずらができたら…と思うとワクワクしてくる!
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主人公はニューヨークのプラザホテルの最上階に住んでいる6歳の女の子。お母さんは仕事で世界を飛び回っているため、いつも一緒なのはナニーとペットの犬とカメ。ホテル全体を遊び場にして、イタズラばかりしています。そのイタズラが半端なく、やり過ぎてるところがまた小気味よいです。
訳文だとちょっとニューヨークの洗練されたおしゃれな感じが分かりにくいので、原書で読めたらホント楽しいだろうなぁとちょっと悔しい気持ちになりました。
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The Absolutely Essential 〜!
ピンク プラザ NY ウィニー&スッキパーディー 永遠の6歳
季節の貝をなにか一皿
てってーてきにサイコー
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彼女、イカしてるじゃない!
無限抱擁を借りようと思ったら、貸し出し中で、大型本のコーナーをうろうろしてたらこの絵本が目に入った。ぱっと開いてみた所が、エロイーズのお人形紹介のページで、借りてみることにした。
家に帰って気がついたけど、ケイ・トンプソンって、パリの恋人の編集長の人だ!かなり好き。
雨の日にランチを食べに行くパームコートにいるトーマスのの、海兵隊員でびんぼうで、さきゆき不安な結婚をしたむすこが乗っているコルベットhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%9C%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88 なんだ、車のことか。
パームコートっていうのは、プラザホテルの中にあるレストランのこと。http://www.theplazany.com/dining/the-palm-court/
エロイーズにちなんで、エロイーズ・アフタヌーンティーセットなんてのもあるみたい。
プラザホテルは、1907年(明治40年)にできた、お城みたいなホテルのこと。亀と犬と一緒に住める。エロイーズの肖像が飾られている。見に行きたい。
たんぽぽ酒 http://www.satoyamaya.com/oryouri-kenkoushu-tanpopo.htm
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図書館の大人の絵本コーナーで見つけました。まるでマンガのようで女の子のわがままと言うか、思いどおりに毎日をおくる6歳の子どもの世界に大人たちが翻弄されながらも、この世界が成立って行くことが表現されていています。
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子供の頃何回も何回も繰り返し読み返しました。
エレベーターのシーンが長ーい折り込みになっていたり、背景に気になるものがあったり、細かい見どころがたくさんあるところや、シンプルでなんともセンスの良い絵に惹かれた部分もあるのですが、なんといっても、この本の主人公エロイーズがもう最高なのです。
この主人公の女の子のかわいくなさ!
見た目も小太りで、髪もガビガビで(床屋に近い将来一本も無くなると脅されている)、表情も不遜。
性格の方も、金持ちの親の金でホテルでわがまま放題、大人を困らせることが趣味で、家庭教師をノイローゼにするほどの悪童ぶり。
でも、この子は自分が子供であり、しかもセレブママのお金で宿泊している客であるために、周囲の大人たちが本気で怒ることができないということをちゃんとわかってやっているのです。
そして、そうした自分の状況を、非常に客観的にわかっている、その怜悧さに、子供の頃とてつもなく憧れました。
エロイーズは、わけもわからずワガママをしている子供ではなく、自分がどんなことまで許されるかをちゃんとわかっていて、意識的にワガママに振る舞っている非常に大人な子供なのです。
子供を子供らしく描き、無垢さを崇めたてまつるような絵本に違和感を持っていた、ひねくれた子供だったので、ホテル暮らしをするような豪華な生活とは無縁でも、エロイーズに対して毎日を共闘する仲間のような意識を持っていました。
絵本というと、すぐ教育と結びついてしまい、教訓や、あるべき人間性の押し付けになってしまうものもありますが、そうではない、ただ楽しむために存在するようなこの絵本は、息苦しさから解放してくれる逃げ場所として、とてもありがたいものでした。
子供は自由で、解放された存在のようについ思ってしまいますが、大人になって振り返ると、子供時代のほうが学校で先生たちから押し付けられるスローガンや、周囲の子たちの目を気にして、窮屈な生活を送っていた気がします。
この本を読んで、大人ってこんなものか、子どもだってこうあっていいんだな、という視点が得られると、少し生きるのが楽になるのではないかな、と思います。
また、日本では「かわいい」ということをあまりにも良いものとしすぎている気がします。
かわいいことは、あくまでありとあらゆる「良さ」のうちの一つにすぎないものが、各方面に蔓延しすぎてしまって、かわいくなくてはいけない、という強迫観念すら生まれてきていると、私は感じています。
「かわいい」という言葉には、「いじらしさ」が含まれているように、それは対象を弱いものとしてみる視線が含まれているのです。
つまり、「かわいい」とは、対象を尊敬し、畏怖して発せられる言葉ではなく、自分より弱い立場にあるものに対してあわれに思う気持ちを含めて発する言葉なのです。
私はそれ故に、この言葉が蔓延することには、抵抗を感じます。
しかし、多くの大人がそうであるのと同様に、子どもたちは、「かわいい」という言葉を褒め言葉として受け取っています。
そして、大人から褒められるために、「かわいい」と言われるような行動を取りま���。
別に子どもたちには、「かわいいという言葉には、か弱さが含まれている」という辞書的な認識はありません。
それでも、日々の大人の反応からそのことを無意識に察知し、自分のか弱さを演出し始めます。
私自身も、できることなのに、「やって」とお願いしてみたり、さほど怖くもないことなのにわざと大袈裟に怖がって見せたり、いろいろと画策した覚えがあります。
しかし、そうして「かわいさ」だけを求め続けることは、成長にとっては、妨げになります。
かわいさとは未熟さにあるからです。
だからこそ、この絵本の中のエロイーズのかわいくなさは、賞賛されるべきものだと思うのです。
彼女は大人を冷ややかな視線で観察し、彼らと対等かそれ以上の手練手管で、翻弄します。
そこにか弱さは皆無です。
風邪をひいて心細い時に、か弱いふりをして甘えることはあっても、どんな時でもあくまで強かに生きる彼女の姿勢は、弱いものへの賛辞である「かわいい」などという言葉を敢然と拒否します。
エロイーズは、誰に依存することなく、しっかりと自分の足で大人の社会を渡り歩く、確固たる1人の少女なのです。
その群れない姿勢、自信ある姿に強烈に惹かれるのです。
また、彼女は、一般的な価値観に染まらず、自分なりの楽しみを大切にしています。
ボロボロのぬいぐるみ(手術ごっこの際ノコギリで真っ二つにしたため)と、カメと犬を世話し、空想ごっこに耽り、足を投げ出して姿勢悪く座り、髪もほとんど手入れせず、掃除も料理も勉強もしない、社会の、女子はこうであるべきという規範は凡そ全て無視。
加えて、ホテル暮らしではあるものの、社会的に見て美しいものに囲まれて優雅な生活を送っているかというと、全然そうではないのです。
捨てられたマットレスに寝てみたり、ボールルームの照明の裏に入ったり、ゴミ箱を漁ったり、彼女にとっての面白いことや、楽しいことは、メディアや、消費社会が押し付けるものではなく、彼女自身が自分で発見したものなのです。
この素晴らしい自由さ!
翻って、最近どこに行くにもネットで前情報を調べていて、およそ消費と繋がらない趣味を持っていない自分自身が情けなくなりました。
定期的にこの本を開いて、エロイーズの自由さに殴られていこうと思います。