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失われつつある伝統的な英国、とあるが、日本人のためかピンとこず。淡々とした情感は素敵だが、少々退屈かも。でも、痛烈な風刺小説として読むとにわかにどきどき。著者が日系人だし。
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執事とは。萌えーなんかじゃないんです!奥深いもんなんです!切ない中、最後に救いどころを設けるあたり、作者の力量を感じました。なんちって笑
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おもしろかったー。読み応えあり、ひさびさに本の世界に入り込みました。本のシチュエーションというより、物語に漂う感性のようなものが自分の頭の裏あたりに入り込む感じ。腑に落ちるということはないからこそ、おもしろい。
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美しい情景とともに、主人公の切ない想いが胸に迫る。哀愁漂うけど爽やか。心が洗われるような読後感でした。
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イギリスの名家に勤める執事、スティーブンが元同僚と会うために旅にでる。その間、思いをめぐらせる。
伝統的なイギリスと本の裏にあるが、その通り。
でもって、この主人公が執事としては優秀なのかもしれないが、人間としては面白みがさっぱりない。さっぱりないんだけど、だんだんシンパシーを感じてくる。
カズオ・イシグロ、上手い!
「品性」という言葉がポイントのように出てくる。品性が失われた時代に、あえてこれを問うという、手法は古めかしいが切り口は斬新なのである。
つまり、古い皮袋にいれた新しいぶどう酒か…。
村上春樹が、「わたしを離さないで」を絶賛していたのが、納得。
さっさと、文庫になってくれるといいんだがな。
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ほんとうに幸福だった。第一次大戦から第二次大戦にかけてイギリスの高名な紳士に仕えた執事が、自動車で旅行をしながら回想をめぐらす話である。完璧で美しい台詞や言い回し(原文は英語だが)、当時のイギリスの文化、旅行中の風景など、執事の人柄を表すかのように、どれも骨太な美しさがある。これまでの仕事に対する誇り、雇主に対する愛、その2点に縛られていたからこそ成就することなく、気付くことすらなかった女中頭への想い。自信と、後悔と、郷愁と。過不足無く、絶妙なバランスで成り立った世界があった。「浮世の画家」と同様、とても丁寧に描かれていて、小説を読む喜びがじわじわとあふれ出るような、まさに傑作。読了後、「この小説を読んでいる時、私は幸福だったんだな」と泣きそうになった。ほんとうに幸福だった。
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ブッカー賞受賞作。イギリス人の執事を主人公に、日系の作家がここまでこまやかな作品をかいたことが大いに話題となった。人間は歳をとると、選択しなかった人生について、あれこれと思いをめぐらすものなのかもしれない。人に仕えるという職業に生き甲斐を感じてきた主人公が、人生の黄昏に思いおこす、ささやかなときめきがせつない。
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ダーリントン・ホールの執事、スティーブンスが現在の主人であるファラディの車を借りて旅をし、その間に昔のことを思い出す。信頼できない語り手の技巧を駆使し執事として己を抹殺せざるを得なかった男の半生を描いた傑作。
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映画が先で、ようやく読んだが、良かった。ただし、これは主人公の一人語りなのか日記なのか、どちらでも変な気がする。
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前からずっと読みたいと思っていた本で、実際に読んでみると期待を裏切らない名作だった。それもかなりの高いレベルで。こういった素晴らしい本に出会えるというのは、とても幸せなことだと思う。
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冷静にみると主人公の執事はワーカーホリックで?意固地な?人物なのだが、なぜか憎めないのは、その?品格?のせいなのか。抑制された雰囲気がすばらしい。名作である。古き良きイギリスと美しい田園風景。訳もよかった。映画もよかった。実際には中央公論社刊の単行本のほうを読んだ。
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せつない。この人の本を読んだは3冊目ですが、そろそろ本格的に“好きな作家さん”リストに入りそうです。
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きっとこの本の本当の良さの半分も理解していないであろう僕ですが、こりゃーよかった。てゆーかなんで、おれ執事目指さなかったんだろう、来世は執事で決定だな。
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昨年から気になっていたカズオイシグロの小説。物語はイギリスの歳を取った執事の視点からずっと語られます。カメラ一本ずっと流し撮りしていて視点が変わらない映画を観ている気分になるそんな小説だった。
語り口がイギリス人の執事の丁寧な口調なもんだから最初は読みづらいけど、途中から一気に読んでしまった。
物語がずっと一人の人物の視点から語られるから彼の記憶が、彼の語られる話が全てのはずなのだけど、記憶や語り口調があいまいになったりして・・・。
そういった曖昧さ、人間臭いモノが大好きな僕にはとても面白い小説でした(こういった手法は「信頼できない語り手」というらしい)。
他にもカズオイシグロの本を買ったので早く読みたいもんだなぁ。
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映画が最初でそれで興味持って読みました。全体的に品のある文章が舞台設定によくマッチしています。主人公の心が解けていき、思い出と真正面から対峙する姿にジンときました。