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アメリカの巨大軍需産業 みんなのレビュー

  • 広瀬 隆 (著)
  • 税込価格:8808pt
  • 出版社:集英社
  • 発行年月:2001.4
  • 発送可能日:購入できません

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みんなのレビュー9件

みんなの評価2.9

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8 件中 1 件~ 8 件を表示

紙の本

消化不良の二乗

2001/12/04 10:59

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:小田中直樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今はどうかわからないけど、僕が子供だった今から三〇年くらい前は、戦車や大砲のプラモデルを作るのが流行ってた。もちろん僕も好きで、両親にねだって色々と買ってもらった。今でも覚えてるけど、一番高かったのは第二次世界大戦のときのドイツの高射砲のプラモデルで、今から二五年以上前なのに、なんと一五〇〇円だった。貧乏だし、一応戦争経験がある両親にしてみれば、複雑な気分だったことだろう。自分も子供を持って、ようやくそんなことがわかるようになった。貧乏か否かにかかわらず、自分の子供には良い環境を残してやりたいと考えるのが親心だろう。そして、武力行使は良い環境の敵なのだ。でも、今だって世界各地で紛争が続いてるし、自分を守る武力がなければ正義は実現されないって意見も根強い。さて、どう考えたものか。

 この本の著者の広瀬さんの立場は明快だ。地域紛争の当事国には、武器や兵器を作る力はない。それなのに「なぜ、紛争の現地で使われた兵器と武器のブランド名を、先に見ないのか。国連はなぜ一度もそれを議論しないのか」。こう考えて、広瀬さんは「戦争の道具が、アメリカの軍需産業によってどのようにたくみに普及されてきたか」(二〇ページ)を論じた。具体的には、第一に巨大な国防予算、第二に政界や軍部と軍需産業界の間の密接な人脈、この二点を検討し、アメリカ合衆国の軍需産業の力の源を探った。そのためには、代表的な軍需産業の歴史と現状を整理し、合衆国の戦争の歴史を溯るという作業が必要だった。二八〇ページ以上という、新書としては異例に厚いこの本は、その成果だ。

 この本のメリットは次の二点にある。第一、アメリカ軍需産業の歴史と現状をめぐる情報を網羅的に取り上げ、取り合えずこれを読めば大抵のことはわかるようにしたこと。この本によれば、代表的な政治家、高給官僚、軍人、学者、そして実業家と軍需産業との間には密接な関係があった。これをもって「人材の流動化に関する合衆国の優れたメカニズムの成果「と見るか「一部エリートが排他的な特権集団(エスタブリッシュメント)を作り上げてる証拠」と見るかは人によって違うだろうけど、いずれにせよ、こんな幅広い調査をするためには膨大な労力が必要だったに違いない。

 第二、地域紛争が続く原因について、一つの一貫した見方を示したこと。つまり、今や合衆国の軍需産業は巨大な雇用先であり、国防を予算を増やすために活発な圧力活動を展開する。地域紛争はこの産業を維持するための手段になった。実際、過去の歴史を見てみると、失業率が上昇すると戦争が起き、戦争が終わると失業率が上昇することがわかる。つまり「失業率と戦争規模と軍事予算とGNPは、数学的に公式を立てられる正確な四次元の関数」(一七〇ページ)なのだ。そして、必要とあらば、軍需産業は外交政策を無視するし、嘘はつくし、武器や兵器を輸出する。それが経済の論理なのだ。

 軍需産業を批判する広瀬さんの気持ちはわかる。この本に込められた労力もわかる。でも、残念だけど、読後の印象は満足できるものじゃない。情報が詰め込まれすぎてるから議論が散漫だし、個々の論点の突っ込みが不足する。軍需産業は悪だって前提から出発するせいか、紛争や戦争の原因を安易に軍需産業に求める。そして、そこで用いられてるのは、ほとんどが状況証拠にすぎない。もしかすると広瀬さんは直接証拠を持ってるのかもしれないけど、少なくともこの本を読んだだけじゃわからない。人脈の背後には本当に利害の癒着があるのか、軍需産業は本当に地域紛争の引き金を弾いたのか、しっかりした証拠を示してほしい。そうじゃなきゃ議論も消化不良だし、読者のほうも消化不良になってしまうだろう。[小田中直樹]

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2006/01/08 20:05

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2017/01/12 20:07

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