投稿元:
レビューを見る
すばらしいでございますよ!!!
これは購入したいと思っております。
ティヴォリ行ったよ。。。。。。(;;)
投稿元:
レビューを見る
史実はいかほどのものであろうか、
知る由もない。
ハドリアヌスが語る物語は、
ユルスナールの魂が啓めく、
一筋の光跡となる。
厳格さなしに美はなく、強固さなしに正義は
なく、それゆえ《力》は全ての基である。
《正義》は諸部分の均衡であり、いかなる過
度もそれをあやうくしてはならぬ調和的な比
率の総体である。《力》も《正義》も《詩神》
の手中にあって調律された楽器にすぎぬ。
あらゆる悲惨、あらゆる蛮行は人類という美
しいからだに対する侮辱として禁ぜられるべ
きであった。あらゆる不正はもろもろの天球
の調和音を破る誤れる楽音として避けられる
べきであった。
『ハドリアヌス帝の回想』M.ユルスナール
投稿元:
レビューを見る
ようやく終わりました。
美しくていろいろと密度の濃い文章に溺れて死にそうになりました。
経験値が決定的に不足していて、読みこなすところまで行きませんでした。
もうちょっと年とってから再挑戦したいです。
それまでにハドリアヌスのことをもう少し勉強しておこう・・・
(09.10.12)
図書館。
読書会の課題本。
ハドリアヌス帝って誰だっけ(←ヲイ)
(09.09.07)
投稿元:
レビューを見る
イタリア→須賀敦子→ユルスナールという順序でここに。訳者の詩人・多田智満子さん関連で『魂の形』も本棚にある。
読みかけ。美文が素敵なんだけど、ゆっくり浸って読むには時間も余裕も足りない。
投稿元:
レビューを見る
ハドリアヌス帝ー第14代ローマ皇帝。五件帝のうちの一人。
物語はハドリアヌス帝が自分の一生を振り返る形で進んでゆく。
皇帝と血の繋がりがない彼がどうやって皇帝にまでなったか、
どういう治世を行ったか・・・
どういう恋をし・・・
どういう気持で病魔と闘ったか・・・
が書かれている。(ただ、私には難解すぎて半分くらい流し読みしましたw)
☆ハドリアヌスの名言集☆
「私は自由を求め一部において自由を容易ならしめるためにのみ権力を求めた」
「嫌いな用事に出くわすと、私はすぐにそれを研究対象にしたてあげてそれからうまく喜びの種を見つけるように努めた。」
また彼は軍隊に派遣された時、
虚勢をはり命をはり勇敢であることを示し栄光を勝ち得た、という。
さらに、彼は元老院の決議の記録係であったが、この退屈な職分を思慮深い厳密さで果たすことを嫌がらなかった。なぜならば「あらゆる公職を有用なものとすることを心得ていたからである。」
その後皇帝の秘書に抜擢されるが、演説の草稿をつくる仕事がまわって来た際、上記の仕事に着いていた時に元老院議員のために草稿を作っていた経験が役立った。
のだという。
出世志向の向上心、野心のある若者にもオススメできる一冊。
投稿元:
レビューを見る
何世紀もの過去からユルスナールがよみがえらせる古代ローマ皇帝の声は、あまりにも魅力的で、1行目から引き込まれる。死を目前にした賢い老人の遺言のようにして始るこの回想録は、しかし、情熱的かつ率直に恋人の肉体への愛を語って、読むものをぎょっとさせもするのだ。
軍人として名を上げながら、平和と秩序の維持につとめ、ヘレニズムに傾倒して詩作や建築に熱中し、旅と美しい愛人を熱烈に愛したひと。世界を支配する巨大な権力を手にしながら、あくまでひとりの人間であろうとしたこのひとは、自らが引き継いだ世界への責任を誰よりもよく理解している統治者でもあった。
美と愛を貪欲に追い求めるひとりの個人と、本質的な意味で公的な存在として己の預かった権力を行使する皇帝の像とがぴったりと重なるとき、ユルスナールが描き出したこの人物はあまりに魅力的すぎて、実際の皇帝がこれほど思慮深く自省的な人間でありえただろうかと思ってしまう。でもたぶんここは史実よりも、それほど魅力的な人間像を創りだしたユルスナールの筆に身を任せてしまった方がいいのだろう。何度でも読みなおしたくなる魅力的な文章だ。
投稿元:
レビューを見る
ハドリアヌス帝の回想が綴られている。
描写がすばらしい。
統治を学ぶには良いかもしれない。
しかし、読み進める気にならず半分ぐらいしか読んでいない。時期が来たら読み直したい本。
尊敬という純金は恐怖という金属を混ぜなければ柔らかすぎる。
投稿元:
レビューを見る
ユルスナールは文献を渉猟し研究を重ね、その上で文学的想像力を働かせた秀逸な小説だが、本書以前は有能とも言えない上に同性愛者であったことからフランスで人気のなかったのに、この本が出て一気にハドリアヌスがローマ皇帝中で一番人気になったらしい。それほどに手紙の書き手(ハドリアヌスが書く手紙の形式をとった小説になっている)の魅力が文章から溢れている。決して飾った文章ではなく、キケロのように練りに練った修辞と言うのでもなく、カエサルのように簡素簡潔と言うのでもなく、静かで押し付けがましくなく、控えめでかつ芳雅な雰囲気がある。
そう思って、とある仏文学者・フランス語翻訳者に素敵な日本語だと述べたら、いやあれは原文とはだいぶ違い非常に硬い翻訳ですよ、と言われた。そのあと原文を購入したが、そこまで判断できる素養がなく、むしろ硬質な文体がローマらしさを逆に醸しているとさえ思えてきた。その後、多田さんの詩集や随筆もいくつか読んでみたが、翻訳もまた独立した文体の創出として創作と言えるんじゃないかという意見に傾いている。
投稿元:
レビューを見る
タイトル的に、マルクス•アウレリウス•アントニヌスの『自省録』の(第三者の想像による)ハドリアヌス版かと思って手に取った。皇帝目線ではあるが、ほぼ伝記物的な内容だった。
投稿元:
レビューを見る
評価の高い本。ローマ人の物語からの脱線で読んだ。私の未熟さゆえに、この本の良さは分からないが、ハドリアヌスがアンティノウスの死に打ちのめされる描写には心が揺さぶられた。自殺の理由はわからず、わからないからこそ、残されたものは理由を探し続ける。何度も振り返り、その兆候を見出そうとする。その下は、私なりに理解した。
その後の後継者選びでも、若いルキウスの死があり、そのたびににハドリアヌスと同じように胸を痛めた。そして、自身の死。死を感じながら生きる。仕事もする。皇帝の孤独。
なんというか、静かな小説だった。