紙の本
ワニの雑学を学ぶ
2001/06/13 02:26
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投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
龍とワニの関係を中心に、ワニの形態・食性・人とのかかわり方などについても加えた、ワニについての雑学本です。ワニについての網羅的で整理された情報が得られるわけではありませんが、ワニ、そしてドラゴンや恐竜にたいする認識を新たにすることができると思います。
龍がワニのことであるという論証回りは一番力が入っています。龍・蛟・鰐がどれも温帯性の絶滅種であるマチカネワニを指すとか。気候変動により生活圏が変化して忘れられると神格化され、再発見されるたびに新しい漢字が用意されたとか、なるほどという感があります。
ワニは口を閉じても歯が外から見える構造だが、恐竜には唇が必要で歯は口を閉じると見えないだろうとか。爪は鱗ある生き物に対しての武器としては役に立たないとか。長年の研究・観察・飼育から来る雑学は、たいへん面白く、新鮮でした。
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[ 内容 ]
伝説の動物「龍」とは何物だったのか。
動物学や古生物学、考古学を駆使して、漢籍にたびたび登場するこの動物の正体が、古代の中国に生きていた巨大なワニであったことを解き明かす。
架空と実在をつなぎながら、その食べ物や絶滅した恐竜との違い、人間との深くて微妙なかかわりなど、ワニのすべてを知る。
ワニはちっとも恐くない。
この魅力溢れる動物が好きになる本。
[ 目次 ]
第1章 龍は実在の動物だった(龍信仰の起源 龍が姿を消したわけ ほか)
第2章 恐竜にならなかった龍・ワニ(ワニのオスとメス シイタケ問答 ほか)
第3章 ワニのかたち(クロコダイルとアリゲーター 失われた唇 ほか)
第4章 ワニの食卓(魅惑の唇 サラダは嫌い? ほか)
第5章 人との関わり(恐竜本なんて嘘ばかり 原始人の武器 ほか)
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「干支の辰とはワニのことではないか?」という仮説を、しっかりとした学術調査をもとに解説した良著。著者の青木氏は独学で両生爬虫類学を広く身に付けた日本屈指の(唯一の?)ワニ類研究家である。決して古くない、新しい「龍」の姿が本書で甦る。
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空想の動物「龍」とは何か? 真面目に科学的に(考古学的に?)書き進められている本。面白く読み進められる内容。
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本書は、ワニについて、歴史考証的(古代中国には、ヨウスコウアリゲータがいて、それが「龍」であった)、古代生物学的、解剖学的に考察し、さまざまな観点からいろいろな結論を導き出す。その手法はユニークで参考になるものの、書かれていること自体はあまり興味深いものではない。