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紙の本
人間のいた鉱山
2001/09/02 03:02
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投稿者:はなます - この投稿者のレビュー一覧を見る
カメラマンに案内されて、神岡鉱山をめぐった。そんな気にさせられる写真集である。導入の二枚の写真がとてもいい。まず、薄青く沈む谷あいの精錬所にともる灯で今の人間の存在を感じさせ、次に、灯の消えた選鋼場の建物でかつての人間の存在を感じさせる。鉱山と人間のつながり、過去から現在まで鉱山は人間とともに生きてきたという主張が明確にくみとれる。この写真集に人間が写っているのは1枚しかないが、風景や鉱山内部を撮りながら実は人間を撮ったものだといえるのではないだろうか。カメラはゆっくりと自然に侵食された鉱山の風景をとらえながら、やがて過去に人間たちが働いていた場所に移っていく。浴場跡。がらんとした部屋。大型の機械、いりくんだパイプ、錆びたレール……。どの写真も静謐でありながらわびしさが感じられないのは、神岡鉱山を愛するカメラマンの心が伝わってくるからだろう。透明感のある風景写真はどこか日本画を思わせ、この人は時間が止まる一瞬を写せるのだと感嘆した。欲をいえば、カッチリと整った視線から、乱暴に逸脱する部分が見られたらと思う。「焼いて泣くより 笑顔で用心」という電柱にかかった看板に、つい笑いを誘われたが、最後に火事によって防火壁だけが残った焼け跡を見て、標語は切実な願いだったとわかる。次の仕事でどのような飛躍をみせてくれるのだろうか。そういう期待を抱かせる写真集である。
紙の本
鉱山が好きになりました。
2001/07/21 17:18
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投稿者:るみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
地元出身の著者が、変わりゆく鉱山を9年間かけて撮った写真集です。
かつて流行の最先端だった街から人が去り、都市が自然に帰っていく様子はとても感慨深く、廃墟になっていくというよりもまさに「遺跡」の製造課程を見ているようです。
味わいのある古い機械あり、美しい自然あり、で内容も盛りだくさん。普段あまりなじみのない「鉱山」がとても身近に感じられます。
歴史資料としても、アートとしても楽しめる作品です。
紙の本
2001/08/19朝刊
2001/08/24 22:17
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本最大級の亜鉛・鉛の鉱床を誇った岐阜県の神岡鉱山。中学まで同地で育った35歳の写真家が、この産業遺産の現在を10年がかりでフィルムに収めた。
「坑木」の札がかかったボロボロの鉱車、さび付いたコンベヤー、ススキのそよぐ社宅跡……。地底1000メートルにも及ぶ坑道を擁し、30年ほど前の最盛期には数千人が働いていたというが、もはや往時の面影はない。
細々と続いていた同鉱山は今年6月末に採掘を打ち切り、「130年の歴史に幕」と報じられたばかり。イタイイタイ病という悲しい負の遺産を抱える場所でもある。この「栃洞選鉱場第一工場」の荒れ果てた姿は、そんな鉱山を巡る夢と涙の歴史を無言のうちに語りかけてくる。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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