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紙の本

ホンモノの学者の声がここにある

2002/06/03 01:18

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:sai - この投稿者のレビュー一覧を見る

「学歴の時代は終わった」としたり顔で言う連中は、何にもわかってない−−学歴が関係なくなるのは、会社に入ってからの話で、「就職」のものさしとしては、以前よりも学歴がモノを言っているという「現実」を(外資系に入る連中の学歴を見ればわかるでしょ)。

本書が明らかにしているのは、この「現実」が、社会階層と不可分の問題だってこと、それも以前にもまして根本的に……。どーゆーことかというと、大学入る程度の勉強は、ヤル気とコツがとにかく大事なんだけど、本書は、そのヤル気が、社会階層と相関関係にあるということを実証的に証明してしまった。つまり、階層が高い親の子供ほど、ヤル気があるということ。そしてそれは、文部省(世論も後押ししただろう)が、受験競争を緩和して「ゆとり教育」なんてことを謳い出した結果、(まわりに負けないようにオレも勉強しなきゃ、といった)ヤル気を促す外的な刺激が希薄になり、内的な動機づけが主要因として機能するようになったから、という筋書きで起きたという。

これはもう「金がある家は塾に行ける」とかいうレベルじゃないよね。建前としては、競争はよくないなんてことになっているけど、偏差値の高い大学出の親はホンネを知っているから、あの手この手で子供に勉強させようとする。そして、逆もまた然り……。

こんな分析結果を前に、本書の最終節で苅谷先生がつぶやく「教育にできること・できないこと」−−ホンモノの学者の声がここにある。

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紙の本

学校のしごと、親のしごと、社会のしごと

2001/09/15 10:34

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みゆの父 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 娘はまだ保育所に通う年齢(二歳)だけど、いずれ学校に行くわけだから、親としては教育の問題から目が離せない。最近は新しい学習指導要領をきっかけにして「生きる力か基礎学力か」って論争が続いてるけど、私立進学校っていう逃げ道がないまちに住んでる僕にとって、この論争は身近だし関係があるし、この先どうなるかにも関心を持ってる。こんなときにこの本を読んで、僕はまず不安になり、次いで自分なりに考え、最後に「いずれ娘が小学校に入ったら具体的に何かしよう。今はそのための準備作業をしよう」って覚悟することになった。
 この本によると、一九七〇年代までは、教育は、学力を身に付ける機会を拡大することによって社会の流動性を高め、人々の上昇志向を促し、様々な階層を作り出す機能を果たした。ところが一九八〇年代に入ると、階層間で学習時間に差がつきはじめた。出身階層によって、子供の学習意欲が異なる傾向(インセンティブ・ディバイド)が生まれたのだ。高い階層の子供は今までどおりちゃんと学習するけど、低い階層の子供は教育から「おり」、「おりる」ことによって自信を付け、それによってますます教育から「おりる」ようになった。これは大変な事態だ。文部省などは自己責任にもとづいた教育のシステムを構築しようとしてるけど(「生きる力」)、それはこの現象を強化するだけに終わるだろう。
 この本のメッセージは明快だ。第一、階層とか意欲とかってファクターを入れて繊細に分析しなければ、教育の抱える問題は解けない。第二、教育にかかわる階層間の格差は、財産の違いや文化的環境の違いから、意欲の違いにもとづくものに深化してる。だから対策もかえなきゃいけない。第三、教育や学校は万能じゃない。できることといったら、せいぜい、習熟度別学習をするなど、下に手厚い教育を導入したり、再学習する社会人向けの奨学金を設けたり大学が専門知識教育を導入するなど、試行錯誤を許容する教育システムを構築したりするくらいだろう。
 苅谷さんのメッセージに、僕は基本的に賛同する。今の教育の問題は、学校だけに負わせちゃいけない。学校と父兄と社会の各々が、出来ることをしなきゃいけないのだ。僕の考えを述べておこう。第一、苅谷さんの提言の他に、学校が出来ること。文化的な環境の差が成績に響かないようなカリキュラムを考案すること。ストック(ある時点での学力)じゃなくてフロー(ある期間に達成された学力の伸び)を評価すること。第二、父兄が出来ること。無関心を決め込んだり無力を嘆くのではなく、学校や社会に提案し、問い正し、批判すること。地に足を付けて、様々な教育論を評価すること。何たって、子供がいる僕らのほうがこの問題には詳しいはずなのだから。第三、社会が出来ること。財の不平等が機会の不平等につながらないように、相続税を利用した財の再分配システムを再検討すること。特定の文化的環境だけが偉いんじゃなくて、多様な文化的環境の価値を認め、差別しないような意識が社会的に広まるのを促すこと。教育から「おり」てもいいから社会からは「おり」ないように、生活する意欲を与える方法を考えること。これらはどれも、大変だけど必要な作業だ。僕もそろそろ(何をすればいいかわからないけど、とにかく)準備作業を始めなきゃいけないって覚悟だけは決めた。
 ところで、この本について知人の精神科医と話してたら、遺伝子科学の世界では「好奇心と攻撃性とリスク選好性は、生まれつき遺伝子の次元で決まってる」って理論があることを知らされた。もしも学習意欲が生まれつき決まってるとすれば、宿命論に陥るしかないんだろうか。僕はそうじゃないと思う。遺伝子の差を和らげられるような社会を作ればいいだけなのだ。もちろん作業はさらに大変になるに違いないけど。

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2007/01/06 12:50

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