紙の本
個性豊な異世界の住人達
2002/08/14 15:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hanabom - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は沖縄に行ったことはありませんが、こんなに愉快でいいかげんで純粋な人達ばかりなら、ぜひとも行ってみたいと思う。
この物語は純粋なラブストーリーである。ラブストーリーといっても、そこらの恥ずかしい感じのラブストーリーではまったくない。
主人公はいささか気が弱くいじけ気味の高校生男子、武士。恋のお相手はこれまたいじけ気味の妖怪のピシャーマー。彼女の相棒で6本の足を持つ妖怪豚のギーギー。悪知恵の働く96歳の老婆フジ(フジオバァが主人公と言っても過言ではない)。ある意味武士に翻弄された、ちょっとオバンくさい高校生睦子。神に守られている酒好きの浮浪者兄弟…。そんな登場人物達がそれぞれの個性を発散しながら沖縄の地で、熱波と信仰と共に自由に生きている。
でも、本当に沖縄ってこんなんなのか? こんなに異世界で、すっとぼけた感じなのか?
だったらいいなぁ、フジオバァの話術に落ちてもみたいし、妖怪豚ギーギーの泡ブクも見てみたい。そうそう、武士のグチも聞いてあげなきゃ。うらやましいなぁ、こんな仲間と環境の中で育ちたかったな、私。
読み終わったときに、せっかく仲良くなった友達とさよならをしなければならないような切ない気持ちになりました。
投稿元:
レビューを見る
なんかね、憧れですよ。。島人、マブイの存在、石垣島、呪術、祭の数々とそのルーツ。憧れですよ。。自然(田舎)にいる若者とかにグッときちゃうんです、釣キチ三平とかね。あーうらやまし。。
それとギーギーが、ギーギーが、、(涙)心奪われました。
投稿元:
レビューを見る
文庫なのに分厚い。値段も1000円越え。
でも沖縄のいろいろな行事や文化が細かく書かれている。
様々なキャラの視点から書かれているので、感情移入しやすい。
投稿元:
レビューを見る
97歳を祝う風車祭(カジマヤー)を迎える老婆フジ。島で健やかに育つ好奇心旺盛な青年武志。魂(マブイ)だけで長年さ迷い続ける盲目の美女ピシャーマ。
沖縄土着の方言・信仰・自然が壮大に色鮮やかに描かれてます。
池上永一は設定やキャラクターがとても魅力的。っていうか単純にオモシロかった!!
投稿元:
レビューを見る
「島を彷徨う少女の魂に恋した少年、九十七歳の生年祝い=風車祭を迎えようとするオバァ、六本足の豚の繰り広げる壮大なファンタジー。長生きに異常な執念を燃やす島のオバァ、フジは、97歳の生年祝い『風車祭】を無事に迎えようと、家族や島人を混乱の渦に巻き込む。一方、神事を怠り危機に瀕した島の運命は?島の祭や呪術を背景に、オバァや巫女、六本足の妖怪豚が大活躍する、生命力とユーモア溢れる壮大な物語。98年度直木賞候補作」 【2005年、読了】感想→ 文句なしに面白い!キャラクターも、話のテンポも。ある意味、漫画を読んでいるかのようなノリがあります。いい意味で!早く読み進めたい…でも、読み終わりたくない!ずっと読んでいたい!そんな小説です。沖縄好きな人はぜひ☆風習とか方言とかも学べます。
投稿元:
レビューを見る
マブイ(魂)として200年以上生き続ける少女と男子高校生の恋愛譚。
破天荒すぎる登場人物に少し疲れながらも、
さくさくと読んでしまった。
石垣島に行きたくなる本。
沖縄語(といっていいのか)の発音がわかるともっと楽しいんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
著者は1970年那覇市生まれ。平成6年日本ファンタジーノベル大賞受賞、1997年の本書は受賞後初の長篇とのこと。
沖縄を舞台に、1年間の祭りを章タイトルに繰り広げられる破天荒な物語。
数え97歳の長寿を祝う風車祭(カジマヤー)を生き甲斐に長生きしてきたオバァ、フジ。
性格の悪いフジを筆頭に、その娘で80のトミが暮らす家に、孫で60のハツが離婚して転がり込んでくる。
近所の高校生・武志はトミと仲が良く、損をしがちのトミに同情している素直な男の子。
ある日、橋で美しい女性に出会って恋に落ちるが、彼女は247歳になっても島をさまよっている霊だった…婚礼に向かう途中に石にされ、島を津波が襲う予言を託されたのだったが。
霊と出会ったためにマブイを落としてしまった武志は、そのままではいつか死んでしまうが、マブイを拾って貰えば彼女の姿は見えなくなってしまうのだ。
マブイとは魂のような物、魂魄の魄のほうだそう。
武志に気がある睦子やその妹でピシャーマに懐いた郁子もマブイを落としてしまい、事態はいよいよ混乱。妖怪豚のギーギーがまたなんともいえない味があります。
常夏の島ののんびりしてるというか豪胆な暮らしぶり、天災の予言におののくユタ達をよそに、酒好きな人たちや強引なフジのひっかきまわしで大混乱のあげく、迎えた結末は…?!
読み応えがあります。
投稿元:
レビューを見る
今日の島は朝から賑やかだ。
感想:http://tomtomcom.blog73.fc2.com/blog-entry-405.html
投稿元:
レビューを見る
六本足の豚に泣かされるなんて
ありえない
しかし、ありえんが故に池上永一。
沖縄を舞台に、一年通したお祭りとか、風俗とか、オバァとか
よそもんが期待した通りのものを盛り込みつつ
メチャクチャな世界が広がります。
結構な分厚さですが、読み終わるのが本当に惜しくなる一冊です。
沖縄に遊びに行って、そこで出来た友達と過ごしているよーだ…。
投稿元:
レビューを見る
意地悪だけど憎めない、もちかしたらどこかに
ありそうな世界の話です。
ただ、少し読んでて話が間延びしてる間がありますが、トータルでは読む価値有りです!!
投稿元:
レビューを見る
中だるみが難点。現在では暴走してしまった筆者がまだ大人しいと思える作品。この頃から膨大な伏線と回収、見事な着地。体が震えるような思いがする。ギーギーに一票。
投稿元:
レビューを見る
沖縄ファンタジーシリーズです。
それにしてもめっちゃ厚い!
最初の1章くらい慣れるまで読むのに苦労したけど、
あとは、あっという間ですが、読み応えはありました。
妖怪豚のギーギー、想像しちゃいます。
ジブリなんかで映像化してもらいたいね。
投稿元:
レビューを見る
5/9読了
ストーリィ云々は他の感想レビューに任せるとして、とりあえず面白かった。
序盤は多少読みにくさを感じたり、中盤若干の中だるみ感を受けながらも、最終的にはページを繰る手が止まらなくなる。
フジオバァは面倒くさすぎ。 武志、凡庸。 ピシャーマ、心魅かれる。 ギーギー、不思議すぎ。中足がスクリューやドリルになるって。。。
漫画もあるそうなんだけど、絵を見る限り世界観やキャラクターを再現できているのか。。。(特にギーギー)
古本屋あたりで探してみようか。
投稿元:
レビューを見る
極彩色な世界に一気に引き込まれます
読み終わるのがとても嫌で
1ページ1ページ大切に大切に読みました
不思議なパワーをもつ本
わたしの中でベスト3に入る
投稿元:
レビューを見る
石垣島を舞台に240年以上漂う少女の魂、典型的な沖縄の少年と少女、医学にやたら詳しいその妹、長生きに執念を燃やす97歳のオバァ、6本足の豚の妖怪たちの過ごす1年を描く。生と死について考えさせられる展開であるが、登場人物のキャラが立っていて、ユーモア小説としても出色の出来。久々に読み終えるのがもったいないと思った小説。