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”失った” 状態・またはその場所、を文章へ綴っているようです。小川洋子さんの文章に流れる空気は常にこうした透明性を宿していますね。
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まさに小川洋子さんって作品だと思う。この透明感は真似できない。消えていくわたしの身体。大好きな一品。
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やっぱり。小川洋子の世界観はいい。まさに透明で透き通っていて凍り付いて氷点下の世界観。
いつもながらストーリーは現実と幻想のはざまが曖昧でぼんやり。ちょっとスッキリしない。
ルーキーのスケートを見てみたくなる。
「岩の間からしたたり落ちる水滴。洞窟の湿った空気」
「締め切った書庫。埃を含んだ光」
「凍ったばかりの明け方の湖」
「穏やかな曲線を描く遺髪」
「古びて色の抜けた、けれどまだ十分に柔らかいビロード
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突然自殺してしまった弘之。よく考えれば、ずっと付き合ってきたのに、調香師として働いている彼しか知らないと気づく。彼の弟に会い、弘之がスケートがとても上手だったこと、そして数学の才能があったことを知る。そして、彼が子供の頃に数学コンテストで行ったという、プラハにも行ってみることにした。
ものすごく読んでいて退屈だった(^^;この作品がおもしろくないというよりも・・・自分がこの作者と合わないって感じかなぁ。。。
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今でも彼の指先が、耳の後ろの小さな窪みに触れた瞬間を覚えている。まずいつもの手つきでびんの蓋を開けた。それから一滴の香水で人差し指を濡らし、もう片方の手で髪をかき上げ、私の身体で一番温かい場所に触れた―。プラハからウィ―ンへ。孔雀の羽根、記憶の泉、調香師、数学の問題…・いくつかのキーワードから死者を訪ねる謎解きの旅が始まる。
バリバリの小川作品という印象。「博士の〜」の前から数学がキーワードらしい。
一人称で書かれていて、主人公のモノの見方がかなり叙情的なせいで、独特の世界観が形成されている。残念だったのは、主人公が杉本女史にインタビューする場面で、杉本女史が想い出を語る口調までがえらく詩的だったこと。その語り口調は主人公のものだと思っていたのに、なぜ杉本女史まで? という気分にさせられた。(2007.03)
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いろんな謎を持つ弘之が、突然自殺した。なくてはならないものを失った涼子が少しでも最愛の人の影を追おうとする。
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彼の突然の自殺。その理由を探そうとすると私の知らない彼の過去に出会う。
この作家の作品は「暖かい」気がする。読んでて落ち着く。
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透明感があって静謐で、それでいてなんとも不吉な気配が漂います。「博士の愛した数式」ですらそうなので、これが小川さん色、ということなのでしょうか。
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うーーん。入り込めなかった。この作者の作品は二作目で、慣れていないから・・?
はじめから終りまで漂う、多分作者独特の、静謐な、しんとした独特の空気は感じられた。でも、登場人物の描写が、あまり迫ってこなかった・・。
特に、主人公の恋人の母の描写。ステレオタイプ…というか、なんだかこういう人物を表現する時によくある典型的な描写、という枠を出ていない気がして、怖さが伝わってこない。
重要な恋人の描写についても、その独特の魅力や雰囲気が実感できない。主人公の女性にいたっては、人物像がよくわからない・・。
物語の構成の面でも、謎解きの側面は最後の最後で多少盛り上がるのみで、他は盛り上がりに欠ける印象。
もしかして、この物語はただただ、静かな、独特の空気、を描くことが目的なのかな。それならば、読む前にそういう心構えが必要かも。と思った。
誰か愛しい人を失って深い悲しみを負った経験がある者にはもしかして響く物語なのかもしれないが。
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本屋でタイトルを見たときに既に感動していた。「香り」が「凍りつ」くなんて。
調香士をしていた恋人が突然の自殺を遂げる。「私」はその弟と出会い、恋人の過去をたどり、彼が残した言葉たちを追っていく。プラハまでたどり着いた「私」の語りと、そこに至るまでの経緯が時系列としては平行に語られる。
「私」の知らなかった恋人の姿が次々と語られる。それを「私」が悲壮感を持って受け入れているというわけではないが、「なぜ私には秘密にしていたのか」と思いたくなる事柄ばかり。それでも、ただただ静かに物語りは流れる。
エピローグでもまた一つ恋人の知らなかった姿が明かされるのだが、これまであまり幸福なイメージになかった恋人の過去がそこで少し変わったのが、凍り付いていたものが解けるような気分だった。
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しづかに ひそやかに 切なく 届かない
美しい物語、美しい世界。美しい文体、美しいなまえ。
文章という世界にどっぷりと浸り込むための麻薬のような何か。
好き嫌いは別れると思うが、わたしはとても好き。
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恋人が死んでも淡々としている。
数学が出来て顔も良くて、スケートも抜群にうまいのに、
なぜか魅力を感じないルーキー。
完璧でなくてはいけない自分との葛藤が、
私には異質なものにみえた。
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*ブログ感想あり*
http://blog.livedoor.jp/marine0312/archives/51298627.html#comments
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博士〜を読んだあとだったので
特別面白いとは思わなかったけど
でも、つまらないわけでもなかった。
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小川洋子の世界観が満載。
プラハの唐突感やスケートリンク、隠されていた相手の世界。
こんな現実感のない人とのつながり、あたしならいやだ。
けど、読んでしまう。
あいかわらずの放り投げられるような最後。
救われないエンディング。
だのに最後まで読み終えてしまう。
やっぱり他の本が読みたくなる。
なんだ、この人。
すげぇ。