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高い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/08/12 19:48
伝説
投稿者:花梨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伝説の名評論集が、その後「ミステリマガジン」に掲載された「Part2」も含めて、大幅に増補改定されて再刊されました。この人にしか書けない愛情にあふれる評論を心ゆくまで楽しみましょう。
低い評価の役に立ったレビュー
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2001/10/16 22:16
銀幕の美女たちを言葉で生け捕りにする、しびれるような快美感!
投稿者:藤崎康 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山田宏一の映画批評は、女優を対象にえらぶ時、ある極限的なかたちを示す。端的にいって、それは過激にエロティックな印象批評なのだが、どうやら山田氏の全身には、女優たちの表情や身振りや声の魅惑を、それがどんなに微細なものであれ(目尻のしわでさえ)鋭敏にキャッチする神経のネットワークが張りめぐらされているようだ。そして、そうした氏の神経網につたわる官能のざわめきが言葉で生け捕りにされる甘美な、しびれるような瞬間を味わえるのは、傑作『美女と犯罪』を読む者の至福の体験である。(エロティックな強度を発する山田宏一の文章を、いみじくも谷崎潤一郎のエクリチュ—ルにたとえた人もいる。)
本書は「あとがき」にもあるように、1984年に単行本として初出版、89年に文庫化された「映画的な、あまりに映画的な 美女と犯罪」に、その後「美女と犯罪PART2」の題で『月刊ミステリマガジン』に連載したものを主として新たに加え、さらに全体に渡って手直し、加筆をほどこして再編集した(!)ものである。まったくもって、本書を読まずして何を読むというのか! ……
たとえば、1940年代アメリカ映画の悪女の典型バーバラ・スタンウィックについては、こう書かれる。「血も涙もない冷感症的色情狂の(というのも、冷感症であるがゆえに、つねに充たされず、さらなる欲望を求めて色情に狂うという)女であり、男(はじめて会った男である)を誘惑するや、三度目に会ったときには、もう、夫を殺すようにそそのかすといった女である」…また『サムソンとデリラ』のへディ・ラマールは、「腕の肉に食いこむようなブレスレットや肩の骨を目立たせるためのワンストラップのブラジャーふうの衣裳をつけたり、ナイトガウンの袂の結び目を手首にまわしてブレスレットふうにしたりして、その娼婦ぶりをきらびやかに誇示してみせた」……
もちろん、これはほんの一例であり、本書には、グレタ・ガルボ、エヴァ・ガードナー、アンジ—・ディッキンソン、ローレン・バコール、ジャンヌ・モロー、ペギー・カミングス、ヒルデガルト・クネフ、等々の美女が続々と登場し、その悩ましげな姿態で私たちを挑発する。まさしく、ページを繰るのももどかしい一冊である。 (bk1ブックナビゲーター:藤崎康/現代文化論・映画批評 2001.10.17)
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紙の本
伝説
2001/08/12 19:48
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投稿者:花梨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
伝説の名評論集が、その後「ミステリマガジン」に掲載された「Part2」も含めて、大幅に増補改定されて再刊されました。この人にしか書けない愛情にあふれる評論を心ゆくまで楽しみましょう。
紙の本
銀幕の美女たちを言葉で生け捕りにする、しびれるような快美感!
2001/10/16 22:16
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投稿者:藤崎康 - この投稿者のレビュー一覧を見る
山田宏一の映画批評は、女優を対象にえらぶ時、ある極限的なかたちを示す。端的にいって、それは過激にエロティックな印象批評なのだが、どうやら山田氏の全身には、女優たちの表情や身振りや声の魅惑を、それがどんなに微細なものであれ(目尻のしわでさえ)鋭敏にキャッチする神経のネットワークが張りめぐらされているようだ。そして、そうした氏の神経網につたわる官能のざわめきが言葉で生け捕りにされる甘美な、しびれるような瞬間を味わえるのは、傑作『美女と犯罪』を読む者の至福の体験である。(エロティックな強度を発する山田宏一の文章を、いみじくも谷崎潤一郎のエクリチュ—ルにたとえた人もいる。)
本書は「あとがき」にもあるように、1984年に単行本として初出版、89年に文庫化された「映画的な、あまりに映画的な 美女と犯罪」に、その後「美女と犯罪PART2」の題で『月刊ミステリマガジン』に連載したものを主として新たに加え、さらに全体に渡って手直し、加筆をほどこして再編集した(!)ものである。まったくもって、本書を読まずして何を読むというのか! ……
たとえば、1940年代アメリカ映画の悪女の典型バーバラ・スタンウィックについては、こう書かれる。「血も涙もない冷感症的色情狂の(というのも、冷感症であるがゆえに、つねに充たされず、さらなる欲望を求めて色情に狂うという)女であり、男(はじめて会った男である)を誘惑するや、三度目に会ったときには、もう、夫を殺すようにそそのかすといった女である」…また『サムソンとデリラ』のへディ・ラマールは、「腕の肉に食いこむようなブレスレットや肩の骨を目立たせるためのワンストラップのブラジャーふうの衣裳をつけたり、ナイトガウンの袂の結び目を手首にまわしてブレスレットふうにしたりして、その娼婦ぶりをきらびやかに誇示してみせた」……
もちろん、これはほんの一例であり、本書には、グレタ・ガルボ、エヴァ・ガードナー、アンジ—・ディッキンソン、ローレン・バコール、ジャンヌ・モロー、ペギー・カミングス、ヒルデガルト・クネフ、等々の美女が続々と登場し、その悩ましげな姿態で私たちを挑発する。まさしく、ページを繰るのももどかしい一冊である。 (bk1ブックナビゲーター:藤崎康/現代文化論・映画批評 2001.10.17)
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