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紙の本
後編:アメリカ人の築いてきた歴史を分かりやすく、痛快にして、壮大な視野から見たアメリカ史
2001/11/28 22:16
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投稿者:今村楯夫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
書評前編より
ジョンソンもこのセーレムの魔女裁判の延長線上に、1919年-20年の「アカの恐怖」、先のマッカーシー旋風、さらに1973年から74年のウーター・ゲート騒ぎ、1980年代のイラン・ゲート狩りまでを鳥瞰して眺め、そこに類似性を見ている。氏曰く「セーレムの裁判は、現実非現実を問わず自分たちの社会や生き方の的に対して、ひとりよがりの怒りを発作的に爆発させ、それに振り回されるというアメリカ人気質の現れだったとも考えられよう」。
もし著者が現在を眺めていたら、2001年9月11日のワールド・トレード・センターのテロからアフガニスタンへの空爆に至るテロへの報復を、セーレムの延長線上に置くに違いない。ブッシュ大統領のみならず、多くのアメリカ人の反応にはまさにこの「気質」が露呈しているからだ。
アメリカ史がこんな風に展開し、そこから客観的にあぶり出されているさまざまな事象と出来事を明らかにしたこのような歴史書は、おそらく初めてであろう。これから第2巻、第3巻と続々と出版されるだろうが、まずは第1巻を楽しんで読み、続く1815年から1997年までの歴史の展開をさらに楽しみに待ちたいものだ。 (bk1ブックナビゲーター:今村楯夫/東京女子大学教授 2001.11.29)
紙の本
内容紹介
2001/08/27 21:46
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
待望の名著、遂に刊行開始![全3巻]植民地時代とアメリカ革命(第1巻)
◎内容
『ユダヤ人の歴史』『インテレクチュアルズ』などのベストセラーで知られる世界的歴史家による画期的なアメリカ史。ヨーロッパ人による入植から最新のクリントン時代までの400年が、政治、経済、社会、文化など、あらゆる角度から論じられる。ワシントン、フランクリン、ジェファソン、リンカーン、ルーズヴェルト、アイゼンハワー、ケネディ、ニクソン、レーガンなど、よく知られた人物も、ほとんど知られていない人物も、豊富なエピソードをまじえて、見事にその姿が再現されている。
「本書にはアメリカの過去のあらゆる面、あらゆる時代について、しばしば辛辣な新しい見解があり、また私は一部の歴史学者のように自分の意見を隠すつもりがない」とポール・ジョンソンは言う。歴史教科書などでは味わえないほんとうの歴史の醍醐味が味わえる一冊。アメリカの歴史を知らずして、もはや日本の現代史は語れない。
◎本書より
「アメリカ合衆国の創出は人類最大の冒険である。自国民そのものに対して、また人類全体に対して、これほど大きな教訓を持つ国史はほかにない。……この教訓から学び、それを礎として未来を築くことができれば、今まさに始まろうとしている新時代に人間社会全体が恩恵にあずかれようというものである」 (「第1部」より)
◎推薦
ヘンリー・キッシンジャー氏
「壮大な視野で、将来の悲観論を一掃する痛快な著作!」
渡部昇一氏
「アメリカを知らずして日本の近現代史は語れない」
◎著者 ポール・ジョンソン Paul Johnson
歴史家。1928年イギリス生まれ。主な著書に『インテレクチュアルズ』『現代史』『近代の誕生』『キリスト教の二〇〇〇年』(以上、共同通信社)『ユダヤ人の歴史』(徳間書店)など。
◎訳者 別宮貞徳(べっく・さだのり)
翻訳家。1927年東京生まれ。元上智大学教授。訳書に『インテレクチュアルズ』『現代史』『ヨーロッパ』『モリー先生との火曜日』、著書に『翻訳読本』『日本語のリズム』『やっぱり誤訳だったのか』など多数。
◎目次
第1部「丘の上の町」—植民地時代のアメリカ(1580—1750年)
第2部「自由の憲法が堅く守られんことを」—革命期のアメリカ(1750—1815年)
(以下続刊)
第3部「常にそこそこの幸福感」—民主主義のアメリカ(1815−50年)
第4部「あと少しで選ばれた人民に」—内戦期のアメリカ(1850—70年)
第5部「肩組む大衆と金の十字架」—産業化とアメリカ(1870—1912年)
第6部「最初の国際国家」—人種のるつぼのアメリカ(1912—29年)
第7部「恐れるものは恐れだけ」—超大国のアメリカ
第8部「いかなる犠牲にも耐え、いかなる重責も担う」—マッチポンプのアメリカ(1960−97年)
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