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「林房雄は、大東亜戦争は東亜百年戦争であり、十九世紀以来、西洋列強がアジアを侵略してきたのに対して、日本がアジアの盟主となってアジアを解放しようとした戦争だったと言ったのである。だが事実は、アジア相戦うという悲劇に終わり、林はそこに、歴史の非情を見る、と書いている。」(小谷野敦『天皇制批判の常識』023頁)
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この本の題名からして、右翼に傾倒し、戦争を擁護する立場の作家ではないのかと読み進める。しかし、著者みずからが、左翼活動をしていた経緯もあるらしい。いったいどんな目線で書かれている本なのか、興味は尽きない。アメリカ目線でいえば、太平洋戦争となる。だが、著者はこの戦争は、明治維新から連なる列強国が、日本に開国を迫り、その軋轢のなかから生まれた、100年戦争だと主張する。
なるほど、開国後の日本は、軍国主義をしき列強、特にロシアの南下政策に異常に恐怖する。征韓論からはじまり、韓国併合、満州国成立もすべて、ロシアを意識しての政策であった。日本人の目線に立てば、大東亜戦争は他国を侵略するのが、目的ではないと結論ずけ、あくまでも、アジアの植民地化を阻止するためのものであった。現に、日本が敗れた大戦の後に、アジアで植民地化されていた小国は、ぞくぞくと独立を果たすのである。
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圧倒的な重みに驚くばかり。
そして時代が経てばたつほど、うやむやだった時代の
真実が出てきており、戦後間もないあの裁判が
「ある名のもと」だったことにゾッとします。
そして今、またその事態が繰り返されそうと
していることにも。
無論、あそこに勝利はないほうがいいです。
復讐にかかりますから。
そういう意味でも今読めてよかった1冊。