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紙の本

動物と人間とのレトリカルな関係に光を当てる

2001/10/25 17:32

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:三中信宏 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 タイトルの「階級としての動物」という表現はすぐにはピンとこないが,副題は納得がいく.本書は,18〜19世紀のイングランドにおける「動物と人間との関わりあい」のありさまを社会文化史の観点から切り込んだ著作である.同時に,当時のイギリス社会での通俗的生物分類体系に関する言及が随所にあり,その意味では分類学史としての側面も合わせもつ.
 一読して,キース・トマスが同時代のイギリスにおける「自然観・生物観」を論じた『人間と自然界:近代イギリスにおける自然観の変遷』と主題が重なっているように感じた.
 本書の構成は,家畜(牛と豚:第1章)・ペット(犬と猫:第2章)・動物虐待(第3章)・狂犬病(第4章)・狩猟(第5章)・動物園(第6章)である.各章のテーマは一見ばらばらのようでいて,幾重にもつながっている.序章では本書の目標が「人間ともっとも頻繁に関わりあい,人間がもっとも感情移入しやすかった哺乳動物」(pp.12-13)たちが果たした文化的役割の解明にあると宣言する.
 動物と人間との関わりは日常・非日常のさまざまな場面で生じ得たのだが,著者は,当時の学術書や論文ばかりでなく,通俗記事やパンフレット,あるいは公文書の類いまで総動員して(各ページにある膨大な脚注は圧巻),この「構造」の解明に向かう.全体を通して,著者の結論を簡単に要約するならば,民俗分類(folk taxonomy)に基づく「レトリック」の構造−比喩・隠喩・換喩など−がそこにあったということである.
 当時はやったドッグ・ショーは動物にかこつけた飼い主たちの「換喩的な試み」(p.130)であり,動物虐待をめぐっては「レトリックの戦場」(p.186)が現出し,狂犬病をめぐっては「隠喩としての病い」(p.243)−う,どこかで聞いた表現だぞ!−という色合いが強く,動物園にいるスター動物たちは異国征服の証しというレトリカルな意味合いを負わされていた(p.308)そうだ.
 本書の詳細にわたる記述を追っていくのは,時につらいものがあるが,たいへんおもしろい内容である.家畜や愛玩動物を見るまなざしが変わってしまいそうだ.

【目次】
謝辞 3
序章 動物の性質 9
第1部 威信と血統 69
 第1章 牛の両腰肉男爵 71
 第2章 一流のペット 122
第2部 177
 第3章 同情のしかた 179
 第4章 犬に気をつけろ 238
第3部 289
 第5章 檻のなかのエキゾチックな動物 291
 第6章 狩猟のスリル 342
訳者あとがき 407
索引 [I-IX]

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2013/10/13 18:06

投稿元:ブクログ

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