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[ 内容 ]
住宅地から150メートルという近接地で起こった、燃料加工施設JCOの臨界事故。
原子力施設は、意外に身近で、重要な作業を行っている。
原発から加工・再処理施設、そして研究炉まで、炉のタイプ、立地、規模、業務内容を網羅。
基礎知識からよくわかる、読むデータブック。
[ 目次 ]
第1部 原子力発電の基礎知識(原子力発電とは何か;原子力発電の実際;原子炉の燃料と核燃料サイクル)
第2部 日本の原子力施設データ(商用原子力発電所;原子力開発機関・大学・企業の研究炉;核燃料加工・再処理施設等)
第3部 原子力事故と安全対策(放射線と原子力安全;原子力のトラブルと事故;原子力の課題―安全を守るために ほか)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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タイトルあるように国内の原子力発電所、および核燃料施設の所在や内容について網羅されているだけでなく、原子力についての基本的な事項、原子力発電所の構造の概略、核燃料、放射線、放射能についての基本的な事、国の原子力行政についての基本も押さえられており、テレビのニュースでの断片的な情報をより正しく理解するために必要な基本的な情報は押さえられている。
自分の頭で今何が起きているかを理解しようとしている人にとって一冊目の本としては値段も手頃であり良いではないだろうか。
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書店に平積みされていたのでさっそく購入。著者は新聞記者だけあって、まとめ方が良い。日本で主流の軽水炉原発の仕組みや、これまで起きた原発事故などをわかりやすく解説している。
スリーマイル島原発事故によって、それまで想定外だった炉心溶融や圧力容器の破損が現実のものとなった。日本もこの事故をきっかけにより一層の安全基準の厳格化が行われていてもおかしくはなかったが、原発開発推進に支障をきたすなどの理由で、破局的な事故を想定した安全対策がなおざりにされてきた。本書の初版発行は2001年。この時点で日本の安全基準に警鐘を鳴らしていた。
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原子力発電の仕組みから、日本の原子力関連の施設、それにまつわる行政まわり、事故と問題点、放射線の安全性など、原子力の知識を一通り解説する一冊。
新書なので情報量はさらりとしているし、公式発表で確認できる事実かなり淡々と書いている印象があるが、普段考えることない建設費などのデータまであると、それだけで考える材料になる。
こんな時期だから、原子力にまつわるいろいろな問題はどこに隠れているのか?を語る前に読みたい。
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データは2001年現在のものですが、原子力の基本から国内の原子力関係の施設の説明や課題まで、分かりやすく書かれています。ためになりました。
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こんなときだからと改めて原子力発電所の本を読んでみました。新聞などでも原子力発電所の数は出てきますが、研究用の小型のものや関連施設まで入れると随分な数になります。現時点で電気のない暮らしは考えられないし、いきなり原発以外の発電に切り替えるのも簡単ではないですが、電力会社がコストや何かと引き換えに安全を犠牲にしていないことを祈るばかりです。
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東電、関電などの電気会社だけではない。大学や企業の研究施設など、日本の原発関連施設が自分の予想以上にたくさんあり、それについて自分が無知であったことに愕然とした。
近日出版される改訂版にも期待したい。
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10年以上前の本だけれど、今でもタイムリーに話題に上る施設名がいくつも出てくる。
記述も非常に良くまとまっており、原子力発電とは何か、だけではなく、そもそもその前夜についても、簡潔ではあるけれどわかりやすくまとまっている。
おそらく、2012年現在の今から見た時に、「古い」という感じがするのは、例の福島原発の事故についての記述がないこと、だけだろうと思う。
(施設の稼働予定などを除けば)
細かな知識としてはともかくとして、この本からは個人的に二つ、感じるモノがあった。
一つは、原子力政策というのは、とてつもなくタームの長いものである、ということ。それは、10年前の最新知識が、現在でもほぼ通用する、という辺りに如実に表れている。
もう一つは、必ず人はミスを犯す、ということ。
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2012年2月に、福島第一原発の事故を踏まえた「完全改訂版」が出版されたが、私が読んだのはその前のバージョンである。しかし、この旧バージョンの方が、あの事故が起きる以前に原発がどのように認識されていたかを知る上で、参考になる。
本書ではまず、冷却剤と減速材に言及しつつ原子炉の原理を述べ、次に軽水炉・重水炉・黒鉛炉・高速増殖炉の違いについて説明している。それから、詳細な図とともに原子炉の構造について解説したのち、核燃料サイクルについて述べている。敦賀にある高速増殖炉「もんじゅ」について調べていたので、この説明は大いに役立った。
第2部では、タイトルにある通り、日本にある原子力施設の全データが示されている。全国16ヶ所にある商業用原子炉だけでなく、研究用原子炉のデータも掲載されている。東大、武蔵工大、立教大、近畿大、京大、そして東芝は、それぞれ研究用の原子炉をもっている。建設費も書かれていて、「もんじゅ」は5885億円、青森県六ヶ所村の再処理工場は2兆1400億円(予定)だそうだ。
第3部は、原子力事故についてである。これは知らなかったが、日本では、1999年のJCOの臨界事故(レベル4)以前にも、多数の原子力事故が起きている。例えば1997年には、JCOと同じ茨城県東海村で、放射性廃棄物を溶かし込んだアスファルトを充填したドラム缶が爆発するという事故(レベル3)が起きた。そのため、放射性ガスが施設外に漏れ、作業員37名が被曝するという事態になった。その他、福島第二原発、美浜原発でそれぞれ1989年、1991年にレベル2の事故が起きている。一方、「もんじゅ」のナトリウム漏洩事故は、事故後のビデオ隠しなどの対応のお粗末さによって騒ぎが大きくなったものの、工学的な見地からは「レベル1」と評価されている。
これらの事故を受けて、原子力に対する安全対策は強化され続けてきたはずだった。しかし、行政組織としては、原子力の「推進」と「規制」という分業体制がとられていたものの、それが全く機能していなかったことは、あの事故で明らかになった通りである。本書で指摘されているように、原子力安全に対する予算は、平穏なときには削減されがちで、事故が起きると一時的に増えるが、しばらくするとまた削減される。結局のところ我々は、過去の事故から学習することなく、性懲りもなく過ちを繰り返したのである。
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プロローグ 原子力前夜
●第1部 原子力発電の基礎知識
第1章 原子力発電とは何か
第2章 原子力発電の実際
第3章 原子炉の燃料と核燃料サイクル
●第2部 日本の原子力施設データ
商用原子力発電所
原子力開発機関・大学・企業の研究炉
核燃料加工・再処理施設等
●第3部 原子力事故と安全対策
第4章 放射能と原子力安全
第5章 原子力のトラブルと事故
第6章 原子力の課題――安全を守るために
第7章 原子力開発の将来