紙の本
ビジネスの大原則をあたかも家計簿をつけるかのようにわかりやすく解いた稀少な書
2001/11/12 22:16
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投稿者:Kuri/栗原美幸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
それにしてもジャック・ウェルチとインド露天商に共通点を見出す本書の奇抜さはすごい。そしてあなたは「どうしてビジネスの極意がインドの露天商なんだ?」という疑問をぬぐえなくて、この書評を読んでいるのではないだろうか。しかし、読んでみるとこの本が極めてシンプルにビジネスの成功の秘訣を説いていることに驚く。
タイトルだけでなく、この著書のプロフィールもユニークである。彼自身がインドの露天商だったわけだが、ハーバード・ビジネススクールでMBAを取得する。この極端さにも少々驚くが、彼は現在、レベルの高いMBAを輩出することで有名なノースウエスタン大学ケロッグ経営学大学院での超人気講師である。
それを証明するように、この書は彼が経営コンサルだった時代の大物CEOの実話も豊富で読者を飽きさせない。しかもビジネスで一番大切なことをたった1冊の、しかも2〜3時間で読みきってしまえる本にまとめた。最優秀教授賞を得るだけはある。その授業の一端をこの本で感じることができる。
あなたは財務諸表の数字の羅列を見て、そこで何が起こっているかを「見落とすことなく」把握することができるだろうか。そして次に何をするべきかを「迷いなく」意思決定することができるだろうか。
この本は、その意思決定を前に、ほとんど全てのビジネスにおける「そこでどうすべきか」の共通項を提示し、誰もがすぐCEO(最高経営責任者)の視点でビジネスにおける問題解決ができるようなしくみになっている。逆にいえば、彼の説く6項目さえまともにわかっていれば、どんなビジネスをしようとも、否が応でも儲かるしくみになっているわけだ。
タイトルだけ見ると奇抜だが、中身は極めてベーシックであり、ビジネスの大原則をあたかも家計簿をつけるかのようにわかりやすく解いた稀少な書である。戦略だ、変革だと踊らされているビジネスの世界に、この書が現れたことは一つの救済でもあるだろう。(子育てサイト「子育てワハハ!」主宰:Kuri/栗原美幸)
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ありそうでなかなかないタイトルと着目点です。この本はブックフェアで買ったのですけど、内容はタイトルどおり。2つほど印象に残る話題がありました。
1つは「現金は企業にとって酸素のようなもの」。なるほど、金欠状態ならぬ酸欠状態といいますしね。そうなると企業が大きくなるときやスリム化するときに、有酸素運動がいいのかどうか、、なんて独自に考えると面白いものです。
もうひとつは、(正確な数字は忘れたけど)利益率5%の商品を年間34%の利息を払わないといけない借金をしてまで売ると言うこと、、、そりゃ割が合わないじゃないかといわれて、露天商のおばちゃんは「回せばいいんだよ」って。そう、商品の回転率、、、言葉は分かっているのにこうした体験で語られると強いですね。
ちなみに筆者はMBAも取得している経営関係の人気教授らしいです。2002.5.4
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【読む目的】
ビジネスの基本、極意とは何か?
【読んだ感想】
数式が出てくる箇所がよく理解出来なかった。しかし、露天で商売している人も、大企業の経営者も考えることの基本に変わりはない、の箇所には新鮮な驚きを覚えました。ビジネスにおける普天的な法則というものがあるようです。
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ラム・チャラン著、山岡洋一訳「ビジネスの極意はインドの露天商に学べ!」角川書店(2001)
タイトルにつれれて購入した本。著者はインド人だけれど、MBAランキングでは常に上位のノースウェスタン大学ケロッグ経営学大学院の人気教授だ。財務諸表の入門的な解説もされてる。本書の内容は、どちらかといえば、難しい経営学を使えば事業が成功するというものでもないよ。もっと基礎的なことをしっかり理解して、ビジネスを行っていく事が重要だというスタンスで書かれている。経営学の基礎を気軽に見てみたい人にはお勧めの本かもしれない。
*ビジネスの基本は6個である
?キャッシュフロー?利幅(売上高利益率)?回転率?資産利益率?成長?顧客
*回転率
商品回転率、棚卸資産回転率、製品回転率、どの言葉を使っていても、在庫が一年に何回回転をするかを示している。資産がなんであれ、回転率は簡単に計算できる。一年の売上を資産の総額で割ればよい。
例)アメリカの自動車産業では、向上で新車が完成してから買い手が見つかった納品されるまでに平均72日間かかっている。この72日間の間、部品の仕入れなどに使われた資金が回収されないまま眠っている。
*粗利益率
経営者や投資家は粗利益率の動きに注目する事が多い。なにか大きな変化があって、事業の性格が変わったとき、粗利益率の動きをみているといち早く変化に気がつきやすいためである。
*資産利益率
ビジネスに関して動かしがたい点のひとつに、資産利益率が資本コストより高くなければならない。資本コストは自分の資金と銀行や株主などの他人の資金を使うときに負担しなければならないコストである。通常10%を超えている。試算利益率がこれを下回っていると、株主の冨が破壊されている事になり、投資家の間で経営陣への不満が生まれる。
*買収
財務面からみて、買収や合併の魅力はきわめて大きい。ほとんどの場合魅力は相乗効果に基づいている。つまり、合併・買収の後に重複する物流施設、営業部隊、営利部門などを縮小するか整理できる。相乗効果とは要するにコスト削減で達成されるのであり、コスト削減は少なくとも短期的に全従業員に影響を与える。
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ラム・チャランの「ビジネス感覚」に関する短期集中講座といった趣。
前半はマニュアルとしての機能を果たし、資産収益率やキャッシュフローといった、マネジャーが評価すべき財務指標を説明する。
次に、国際ビジネスや実行に関するセクションが続く。プロジェクトの実行を促すアクションプランも書かれている。
入社されるまでにぜひ!
***
ビジネス感覚を持つ人は、本に載っているビジネス用語をただ暗記するだけではない。
その本当の意味を理解し、その関係を直感的に把握し、イメージを描くために用いる。
真のビジネスパーソンは、金儲けの要素を結びつけて、ビジネスの直感を直感的に把握する。
論理も大事だけど、直感も大事。
直感の精度を上げるには、大量の経験が必要。
大量・迅速に情報をinput→論理的に仕事を考え、大量・迅速・正確に仕事をやる→直感の精度をあげる
の順でやっていこうっと♪
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■概要
GEのジャック・ウェルチ含む多数の経営者のアドバイザーを努めてきた、ノースウェスタン大学教授のラム・チャラン(著名な「経営は実行」の著者)が、優れた経営者に必要な儲けの観点を、わかりやすく解説する。(原書タイトルの、What the CEO wants you to know: CEOがあなたに知ってほしいこと、のほうがしっくりくるのだが・・・)
氏はインドで育ち、家業の靴屋を手伝うなかで、ビジネスの普遍的な法則を見つける。それは、需要予測を元に最適な量を安く仕入れて、売値を決め、在庫が出ないよう顧客と駆け引きしながら値引きして売りさばき、得られた現金を元に、次の投資を行う、そのために、その時々の判断を見誤らないことである。換言すれば、現金、利幅、回転率、成長、顧客の5つの視点が鍵を握る。
GEのほか、デルの成功の秘訣も、これらの視点を使って理解することができる。これまで、キャッシュコンバージョンサイクルについては理解していたものの、回転率がなぜポイントとなるか、考えてもみなかった。
■仕事に活かせる点
・難しいことは、メタファーで理解する。
(千)
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ビジネスのエッセンスは露天商も大企業のCEOも同じだよ という本
ビジネスのエッセンスは、「現金の生成・利幅・回転率・資産利益率・成長・顧客」だそうな。
健全な家計の維持にも同じことが言えますな。
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米国のビッグビジネスもインドの露天商も、
考え方の根底は同じ。
例えば、顧客をよく観察する。
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現金の生成、利幅、回転率、資産利益率、成長、顧客のことしか書いていない。優秀な経営者はビジネスの複雑な仕組みを単純に表し、集中すべき点を絞り込むことがが大事なことである。この本もそのようになっており、メッセージが伝わりやすく、実行もしやすいと感じた。また原題に比べ邦題が個性的で好き嫌いは有るかもしれないが、原題よりかは目立ち効果があると感じた。
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なによりもいいのはすぐに読み切れること。
2時間もあれば読めます。
本書は下記のように構成されてます。
①ビジネス感覚
②ビジネス感覚を現実の事業に活かす
③実行面の強み
④なにからはじめるべきか
今の僕にとって大事なのは①、④でした。
そのなかでも大事な要点を絞ると下記の2つ。
①ビジネスの基本は単純なもの。
・ビジネスを成功させるためにどすればいいのかという点に関しては露天商も優良企業の経営者も同じように考え、同じように話している。
・という根本的な考えのもとに、「現金の生成」、「利幅」、「回転率」、「資産利益率」、「成長」、「顧客」。これがビジネスの基本であり、これ以外の点はすべてこの基本から発生したものであると。
・利益率「R」=利幅「M」×回転率「V」これはビジネス不変の法則で。ビジネスの状態を表すもっとも必要な式になる。
②自分の会社のビジネス全体像を理解するために下記のチェックを行う。
・前期の売上高はどれだけあったか。
・会社は成長しているのか、横ばいまたは縮小しているのか。現在の成長率は十分なのだろうか。
・利幅はどうなっているのか。拡大しているのか。縮小しているのか。横ばいなのか。
・自分の会社の利幅は競争相手と比較してどうなっているのか。ほかの業界の企業と比較してどうなっているのか。
・自分の会社の在庫回転率はどうなっているのか。資産回転率はどうだろうか。
・資産利益率はどうなっているだろうか。利幅と資産回転率がわかれば、R=M×Vで計算してみよう。
・自分の会社のキャッシュフローは増加しているのか減少しているのか。その理由はどこにあるのか。
・自分の会社は市場での競争で勝っているのだろうか。負けているのだろうか。
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ハーバード•ビジネス•レビューのベスト論文集に著者の論文があり、面白かったので、(日本でも出版されている)最初の著作に立ち返って読んでみた。
(最初の作品には、その人の哲学が一番はっきり出るので。)
経営学の基礎的な内容を、ほぼ専門用語を使うことなく、平易な日常語で語り尽くした内容。
いずれ経営者になりたいひと、経営者が何を考えているか分からず不満がある人、とかが読むのによい本だと思う。
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「 CEOがあなたたちに知ってほしいこと」
経営(ビジネス)の感覚を知れる良書。ビジネスの大小に関わらず、キャッシュの重要性を説く。
現金の生成、資産利益率(利幅x回転率)、成長、顧客でビジネスの核心を理解する。
今なら、顧客(イノベーション)、環境を加えるのだろうか。
「プロフェッショナルマネージャー」を読みながら読むことで、内容がすっと入ってくる。
全体像を掴む、複雑な現実を単純に捉え、優先事項を絞り込み、個人個人や部署間の社会的な行動の仕組み、指導者として全員に浸透させる。