- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
100ベスト・アルバム・カヴァーズ みんなのレビュー
- ストーム・トーガスン (編著), オーブリー・パウエル (編著), 篠原 和子 (訳)
- 税込価格:5,280円(48pt)
- 出版社:ミュージック・マガジン
- 発行年月:2001.11
- 発送可能日:購入できません
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
3 件中 1 件~ 3 件を表示 |
紙の本
これはおもしろい!たんなるレコード・ジャケット集を超えた楽しい読み物
2001/12/25 22:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中山康樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
レコード・ジャケットにまつわるデザイン本は数あれど、視点と読み物のユニークさにおいて本書は抜きん出ている。2人の著者(ともに高名なデザイナー)は主観で100枚の秀逸なるジャケットを選び、制作者やミュージシャンに新たに取材を試み、誕生から細部にいたる制作背景、その後の反響などをつぶさに紹介していく。
「じつはあのジャケットを作ったときは」的知られざるエピソードが次から次へと繰り出され、おおそうであったかと思わず膝を乗り出すような展開にあっというまに読み終わる。100枚といわず200枚、300枚でも読みたくなる逸話がそれはそれは楽しい。
思うにこれまでのジャケット本に欠けていたのはこうした「読み物」としてのおもしろさで、大判にレコード・ジャケットを大きく印刷されただけのものであればなにも「本」にする必要はなく、各自それぞれが持っている本物のジャケットを眺めていれば事足りた。本書はその盲点を突き、ジャケットと文章が不可分の要素として融合、ひとつの世界を作り出している。
収録されているジャンルは主にロックとジャズだが、有名なジャケット(たとえばビートルズの『サージェント・ペパーズ』)にしても関係者への新たな取材によって、これまで「知ってたつもり」のあれこれが新鮮な切り口で提示される。
とくにおもしろいのが序文で、ユーモアと皮肉たっぷりのジャケット話は、絶妙な訳とあいまって、本書をたんに「見せる」だけの「もうひとつのジャケット本」に終わらせようとしなかった著者の意地がうかがえる。
決して安い価格ではないが、これほど楽しく充実した時間を与えてくれ、しかも美しい本はそうあるものではない。クリスマスや誕生日のプレゼントに最適の一冊だと思う。
(bk1ブックナビゲーター:中山康樹/音楽評論家 2001.12.26)
3 件中 1 件~ 3 件を表示 |