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紙の本

すぐ近くの国の惨状に驚いた

2002/06/16 08:25

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オオトリさま - この投稿者のレビュー一覧を見る

キルス一家は2001年6月・北京の国連難民高等弁務官事務所に侵入の後、韓国へ亡命しました。2002年6月・日本領事館へ駆込み連行された家族の親類です。

キルス少年は当時15歳。日本なら中学生です。でも、彼の目にしている世界は日本の中学生とは大きく違います。

食糧難により犯罪が増え、公開処刑がしょっちゅう行われます。銃殺され脳みそが飛び散る様子が克明に描かれています。
将来に絶望して食事に毒を混ぜて一家心中をする家族。
軍隊の規律は乱れ、暖をとるために駅にある郵便を勝手に燃やす警備兵。
へびやねずみを食べる姿。へびやねずみが手に入った日は運が言い日と語る。
貴重品が入っているかもしれないと先祖の墓を暴きにいく。
工場へ毎日どろぼうをする為に出勤していく子供たち。
命をかけて川をわたっての亡命。

キルス少年の絵はつたないものです。文章も家族がそれぞれ書いているので上手くも読みやすくもありません。
でも、そこにはまぎれもない真実があります。

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