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米軍によるアフガン侵攻。しかしもっと危機的な状況がそこにはあった。「治療は後でやる。まず生きておれ」空前の大旱魃被害を目の当たりにして、医者は井戸を掘り始める。
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世間の目がイラクに向かう頃、見捨てられたアフガニスタンで井戸を掘り、治療を続ける1人の男。
由緒正しきNPOの無駄な行為と戦い続け、自分の道を邁進する医師、中村哲ー別名ドクターサーブ。
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(2002.03.27読了)(拝借)
アフガン旱魃との闘い
(「MARC」データベースより)amazon
とにかく生きておれ。病気は後で治す-。パキスタン・アフガニスタンで17年間診療を続ける医師が、日本の青年達とともに、アフガン人700人を指揮して千の井戸を掘る、感動のドキュメント。蓮岡修「現地活動報告」つき。
☆関連図書(既読)
「アフガニスタンの診療所から」中村哲著、筑摩書房、1993.02.10
「タリバン」田中宇著、光文社新書、2001.10.25
「子どもたちのアフガニスタン」長倉洋海著、岩波ブックレット、2002.02.06
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アフガニスタンのことは、ほとんど知らなかった。
イスラム教を一括りに考えてはいけないと頭では分かる。シーア派とか、穏健派とか色々有るんでしょ?何がなんだか分からないけれども…。
バーミヤン遺跡を破壊した
悪名高いタリバン。
本当にそうなのか?
この本を読むと、ニュースの見え方が変わってくる。
追記
2019.12.04
銃撃により死亡の速報
心よりご冥福をお祈りします
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命がけで、本当に困っている人たちのために戦い続けている人たちがいる。自分は平和な日本で小さなことに不満を漏らして、一体何をしているんだろうと思ってしまいます。本気で目の前のことに取り組んでいる人たちは、生きている実感がすごくあるんでしょうね。
良かれと思って寄付したお金が、有名なところだとほとんど現場に使われることなく、職員の飲み食いに消えてしまうというのはショックです。毎日ステーキ食べてワイン飲んでるなんて。もっと多くの方が知るべきではないでしょうか。
元兵士?だった方が、戦場で使っていた爆弾の知識を人を殺すためではなく、井戸掘りという人を生かすために使った姿は、とても生き生きしていたという描写が印象的でした。
仏跡破壊も、日本での報道と、現場の様子はかなり温度差というか、違いがあったのですね。現場に居なければわからないことは沢山あるし、報道のほとんどは政治的な思惑がからんでいて真実は伝えられない。
最後の章の中村先生のメッセージはとても強く胸に響きました。
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パキスタン・アフガニスタンで活動を続ける医師が、2000年6月から始まった大旱魃(かんばつ)に対して「病気は後で治せる。ともかく生きておれ!」と、水源確保のために各地で井戸を掘り続けた時の記録。厳しい気候、器材・技術や資金の不足が敵だというのは予想はできたけれど、実はそれよりも欧米NGOや国際機関が難敵だという現実は衝撃だった。NGOという言葉にはどこか清く美しい響きがあるけれど、そんな響きに騙されちゃいけない。
さらに、この旱魃対策を行っていた時期に起こったのが、国際社会からアフガンへの制裁。欧米のNGOがアフガンから一斉に引き上げる中、伝えるべきことを伝えていない「グローバルな情報社会」への怒りを携えながらアフガンに乗り込んで行った姿には、感動を覚えた。
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医者井戸を掘るーアフガン早勉との闘い
著作者:中村哲
石風社
タイムライン
https://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
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アフガニスタンで井戸を掘っていた医者中村哲さんの悲報が報じられました。なにもできることがないので、少しづつ記事を読んでくれるかもしれない誰かに紹介しようと、ブログに「案内」しています。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/201912130000/
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カテゴリ:図書館企画展示
2019年度第6回図書館企画展示
「追悼展示:中村哲氏執筆本等」
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2020年1月6日(月) ~ 2020年2月28日(金)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース
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訃報にて、はじめて中村さんを知りました。
この本を読んで感じる中村さんはひとに、自分に厳しい。自分のためではない。土地を蘇らせ、人々のいのちをつなぐために。厳しいからこそなのか、働かざるものは辞めさせる。そこまで中村さんを突き動かす元はなんなのだろう。
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中村医師の視点によるアフガニスタンでの旱魃対策のノンフィクション作品。
アフガニスタンでの戦争が進んでいくのをテレビで眺めている間に、現地でどれほどの苦労をされ人名を救われてきたかを考えると胸が痛くなる。そこで働いてきた人間の重みが言葉に現れている。例えば、『西欧世界の「人権」は、女性の胸をはだける権利とか、ブルカを着用せぬ自由だとか、ちっぽけなプライバシーだとか、矮小でみみっちいものとなり、少しも感動を誘わない。』という言葉は昨今の「人権」ムーブを痛烈に批判していて、凄く心に突き刺さってくる。
私が中村医師のような生き方はできないのはわかっている。けれども、そんな状態でもなにか出来ることはないだろうか。そう本書を読むことで考えさせられるのである。
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古書店で本書を目にし、一昨年の12月、武装勢力の銃弾に倒れた著者のニュースを思い出し、手に取った。当時のタリバン政権、各国NGO、住民などとの遣り取りのリアルがここにある。リーダーシップとは、政治交渉とは、ニーズ解決とは...。様々な要素が詰まった一冊。こんな実践できんのかよって考えさせられるが、自身のポジショニングで取り組めることからやっていこう...。
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2019年12月4日、NGO「ペシャワール会」(福岡市)の現地代表で医師の中村哲さん(当時73歳)が殺害された。
この中村医師の著書『医者井戸を掘る』には別紙がついています。
2001年9月11日。そう、9.11の米同時多発テロ事件です。マンハッタンのワールドトレードセンターに旅客機が追突し、ビルの崩壊、逃げ惑う市民たち。テレビから流れる映像を鮮明に記憶しています。
米国のブッシュ大統領はアルカイダの犯行だと断定し、アルカイダの掃蕩と、支援するタリバンの退陣を画策して、アフガンへの侵攻を開始します。アフガニスタンでは、日本大使館より強い「法人退去勧告」がだされ、中村医師らはやむを得ずアフガン・ペシャワールを去ることになります。
『医者井戸を掘る』の別紙には、そのときの出来事が記載されています。
米国による報復攻撃がまもなく始まろうとしているとき、現地スタッフのみを残し、ペシャワールを後にする中村さんに長老らしきものが、感謝を伝えます。
「皆さん、世界には二種類の人間があるだけです。無欲に他人を思う人、そして己の利益を図るのに心がくもった人です。PMS(ペシャワール会医療サービス)はいずれかお分かりでしょう。私たちはあなたがた日本人と日本を永久に忘れません。」
この言葉に、面はゆいおもいを感じてしまうのはなぜでしょう。アフガンに貢献したのは、日本人ではあっても私ではないという気持ちです。同時に、「そして己の利益を図るのに心がくもった人」の側に安穏と隠れている自分を発見し、うろたえます。
中村医師は、文章の最後にこう伝えます。
「・・・尽きぬ回顧の中で確かなのは、漠々たる水なしの地獄の修羅場にもかかわらず、アフガニスタンが私に動かぬ『人間』を見せてくれたことである。『自由と民主主義』は今、テロ報復で大規模な殺戮戦を展開しようとしている。(略)瀕死の小国に世界中の超大国が束になり、果たして何を守ろうとするのか。私の素朴な疑問である。」
理想論だといわれても、私たちに今必要なのは「イデオロギーや共同体への呪縛」ではありません。互いに異なることを前提とした「共有知」の置き所です。そして、固陋の中に閉じこもることなく柔軟に変化すことを厭わない「ちょっとしたおもいやり」ではないでしょうか。