紙の本
自分の祖先は7人のうちの誰?
2002/03/27 13:04
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投稿者:やすぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
現代ヨーロッパ人(6億5千万人)の祖先は、わずか7人の女性である。
こんなキャッチコピーの新聞広告に興味を持ち、すぐにこの本を探しに本屋へ。
ところが、立ち読みするには密度の濃すぎる内容。購入してすぐに読み始めた。
なぜ6億5千万人もいるヨーロッパ人の祖先が7人の女性まで辿りついたのか。
それは世界中のゴールデンハムスターが、たった1匹のメスの子孫であることが判明したことで始まる。
これを人間に応用した研究過程は、文系の私にもわかりやすく解説されていた。
そして7人の女性たちにはそれぞれ名前がつけられ、現実感がさらに増す。
彼女たちがどんな時代に生まれ、どんな生活を送ってきたのか。
この部分だけはフィクションであるが、歴史的背景と共にひとりひとりが 小説のように活き活きと描かれている。
また全世界の人々の血液型の特徴やRhの型についての興味深い話もある。
日本人の祖先についてはまだ研究の途中のようだが、9人の母までが確認され 「早く日本人の研究もして欲しい」と期待させる1冊。
紙の本
第一人者自らが語る遺伝子学の奥の深い世界
2002/03/09 11:22
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投稿者:フォックス - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミトコンドリアDNAを手がかりに人類の進化を探る壮大な知的冒険の様子を学者自らが綴っている科学ドキュメンタリーである。遺伝子工学の急速な発展を考えると、著者の仕事の歴史が現代遺伝子学の科学史である。
自説を証明したい科学者とそれに真っ向から反対を唱える学界の権威との静かな戦いがゆっくりと進行する。かつての助手に反旗を翻されたりもするがやがて著者はその科学手法を確立していくのである。
DNAによる鑑定という言葉が聞かれるようになって久しいがそれがどのように使われるかを知っている人は少ないだろう。本書では母系にしか伝わらないミトコンドリアDNAとその突然変異周期を手がかりに人類のルーツを探る物語である。
本書の後半では著者は自分の探り出した人類の7人の祖先たちの当時の生活を物語仕立てで説明してくれており、普通の科学書とは趣の違う感じに仕上がっている。
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人類は皆、20万年前のアフリカ女性「イヴ」の子孫であるといわれている。オックスフォード大学で遺伝学の教授を務める著者はさらに、6億5000万人にのぼる現代ヨーロッパ人の母系祖先は7人の女性に分類できるとしている。この女性たちに名前をつけると、アースラ、ジニア、ヘレナ、ヴェルダ、タラ、カトリン、ジャスミン。それぞれ、別の時代に別の場所で生活を送っていた女性たちである。
【感想】
http://plaza.rakuten.co.jp/tarotadasuke/diary/200409100000/
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人類は皆、20万年前のアフリカ女性「イヴ」の子孫であるといわれている、母系祖先は7人の女性に分類されるらしい。なかなか興味深いけど、自分が思っていた内容とはちょっと違っていた。
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細胞の中にあるミトコンドリアを調べると、自分のルーツが分かるという内容です!
母から娘へと、女性の中で脈々と受け継がれているミトコンドリアDNAを突き詰めていくと、アフリカの一人の女性にいきついたそうです!!
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専門的な部分は斜め読みした(爆
が、非常に興味深かった。
パライブに出てくるミトコンドリアDNAとは何かとかがよく分かった。
七人の娘たちの物語りも面白い。
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母親からしか受け継がれないミトコンドリアDNAを通して、人類の母系祖先を探る話。なかなか興奮するエピソードもある。
個人的に、後半のフィクションは退屈だった。
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私達がどこから生まれてきて、何でつながっているのか。
もしかしたら、貴方の好きな人と貴方はつながっているかも。
世界の不思議をつめた一冊です。
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ミトコンドリアDNAの母系遺伝を基にしたイブを探す旅の物語。
わかりやすくミトコンドリアDNAの遺伝について記載されているので、見る人をそんなに選びません。科学好きの人にお勧め。
前半部の科学的実証の部分は面白く読めますが、後半の七人の娘を擬人化した部分はあまり面白くありません。
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生物学のレポートのテーマに選んだ本。遺伝子の研究操作方法などはなかなか興味深いが、やや専門的。文章自体は翻訳ということもあり分かりやすい。発想の明快さから一時話題となった。
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著者は、ミトコンドリアDNAという女系にだけ受け継がれていく遺伝子を紐解き、考古学、物理学、民俗学などによる従来の定説を次々と覆していく。その不断のチャレンジと「知」の冒険は、無機質なDNAという研究対象に、ジニア、ヘレナ、アースラと名前をつけることで生き生きと現実のものとして描かれる。著者の空想力と実行力の凝縮された偉大なノンフィクションである。
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ミトコンドリアは母系でだけ受け継がれ、そのDNAを調べると、すべての人類は一人の共通の祖先である女性に行き着くという話。生物学の本なのですが、文系の私にもとっつきやすい本でした。最近文庫本も出ました。
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目からウロコです!とても興味深い作品のひとつ。生物苦手ですが引き込まれました。世界中の人々が身近に思えました。
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書いてあることは専門的だけど、訳がうまいのか文がうまいのか、すらすら読めてわかりやすい。最後の方、7人の祖先たちの生活が空想に過ぎているような気がしましたが。
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長らく積読だったが、続編「アダムの呪い」を購入したのを気にようやく読んだ。
母親からのみ遺伝する特殊な遺伝子、ミトコンドリアDNAを使って全人類の母系家系図を作ろうという野心的な試み。その結果として、現代の遺伝学が陥っていた罠を抜け出し、「人種などという概念は、客観的には存在しない」という世界観に到達した。人類皆兄弟、なかよくしましょう。遺伝学的観点からポリネシア人の祖先を解明したり、ヨーロッパ人の起源と農耕の伝播を解明したりするところはワクワクさせるが、後半のイブの叙述は冗長。
科学的な見地から哲学的な知見を示すといういう意味では Stephen Jay Gould を彷彿とさせるが、こっちはサイエンス・ライターではなく、現役の科学者本人による著作。そう思って読むと、悪役が登場するところなどはWatson の The Double Helix をそっくりだな。