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スーツは戦闘服なのだ!
2002/03/11 19:42
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投稿者:よしたか - この投稿者のレビュー一覧を見る
女の子ながら、親と同じくテーラーとなって、お客とコミュニケーションをとりながらスーツをつくりあげていく花梨の物語だ。
スーツもずいぶん安くなって、いまでは一万円スーツもめずらしくなくなった。おまけにできあがるまでが早い。スーツもユニクロ化しているようだ。でも、デフレの影響で、服だけじゃなく、食べ物なんかも安くなって、なんとなくあんまり買い物しなくなってくると、意外とお金はあまるようになる。
どうせめったに買わないのなら、たまに買うものは少し金をかけようかな。そう思うことがある。スーツもそうだ。
正直いって、スーツは、三つボタンか二つボタンか、くらいで、あとはどれも似たような者に見えてしまう。しかし、スーツにはさまざまな型があり、それぞれの型にもエピソードがある。本書を読んでいると、服を着る、ということは、自分の嗜好やライフスタイルを反映させることなんだ、とわかってくる。
もともと中国に住んでいた父親の意志を継ぎたいのなら中国系のスーツ。職場の同僚をたいせつにして、みんなから贈られた靴にスーツをあわせようとする男。さまざまな人がスーツを注文するけれど、そのときに、自分のライフスタイルを見直すことになる。
「オーダーメード」というタイトルは、たんに服を注文するだけでなく、自分の人生をオーダーしよう、という主張がこめられているのかもしれない。既製服に身体をあわせようとするみたいに、会社や社会に自分をあわせるな、と。
そして、スーツをオーダーメードした人は、そのスーツを身にまとって、自分の人生に向かっていく。もともとスーツは戦闘服なのだ。
花梨にスーツをつくってもらった人は、みんな最後に新しいスーツ姿という晴れ姿で次のステップへと旅立つ。どのような服を着たいか、ということは、どのような生き方をしたいか、ということであり、どんなスーツを着たいか、ということは、どんな生き方をしたいのか、という決意表明であるようだ。
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