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残響 みんなのレビュー

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みんなのレビュー19件

みんなの評価4.0

評価内訳

18 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

心のつぶやきは誰にも聞こえないのか

2003/06/29 14:58

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もぐらもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

この本は「コーリング」「残響」の二つの短編からなります。どちらの小説も登場人物たちがぶつぶつと頭の中で思いをめぐらし、その思いは登場人物たちの間を行き来することなく、そのまま自分自身の中へ消えていきます。

「土井浩二が三年前に別れた美緒の夢の途中で目が覚めた朝、美緒はもちろん浩二の夢など見ていなかったし思い出しもしていなかった。」で始まる「コーリング」。その後、延々と「誰々が○○をしているとき、誰々は△△をしていた。」という話が続きます。これは、なんの伏線かと思っていると、なにも起こらず物語が終わってしまい、正直言って「なんだこりゃ」でした。そりゃ、いくら頭の中で誰かのことを思い描いていても、当の相手には何の影響もない。「そりゃろうだろう。」と思ってしまいました。

同じ様に主人公たちが思いをめぐらしているだけで、何も起こらない「残響」。でもこちらは、2003/05/24付けのyama-aさんの書評のとおり、時々「これ、いいなあ」と思えました。「コーリング」が試作品だとすれば、「残響」は完成品です。「コーリング」で投げ出さなくて良かったと思いました。

読み終わった後、「いま考えていることって、他の人がぶつぶつ考え事をしながら行動している姿に影響されて、できあがっているんだろうな。」と、ぶつぶつ考えていました。

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紙の本

間延びしてダラダラとした、なんか良い小説

2003/05/24 18:56

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

この間延びしたダラダラした文体を読み進んで行くと、途中でふと「俺は何のためにこんな小説読んでいるんだろう?」と思ってしまう瞬間がある。恐らくそう思ってしまったら作者の思う壺なのである──もっとも作者がそういうことを狙っていたかどうかは別として…。
何故ならば、ふと「俺は何のためにこんな小説読んでいるんだろう?」と思ってしまうのは、この本を読みながら登場人物たちと一緒になっていろんなことを考え始めている証拠だからである。保坂和志の本は考える人が出てくる考える小説であり、つまりそれは考えさせる小説でもある。
登場する人物はさまざまで、必ずしも立派な人・魅力的な人ばかりではないが、皆が皆よく思索に耽るのが特徴である。まさに「思索に耽る」という表現が適切なのであって、「思いをめぐらす」のとはちょっと違うし「思慮深い」というわけでもなく、「思想性がある」などと言えばもっと遠くに行ってしまう。
巻末の「解説」にはなんだかもっともらしいことが書いてあったけれど、ちょっと小難しくていけない。そういうのとはなんか違う気がする。もっと素朴なことではないかと思う。でなければ、こんなに何も起こらない小説を書けるものだろうか、読めるものだろうかと思ってしまう。

登場人物はいろんなことを考えていろんなことを思う。全般にウダウダしてはいるが、意外に筋は通っていたりする。たくさんの人物の視点で入れ替わり立ち代りたくさんのことが語られる。人物は程よく描き分けられて、それほど際立たない代わりにどの人物にもなんとなく捨てがたい魅力がある。そして、そんななんやかんやを読み進むうちに、読者は時々「これ、いいなあ」という考え方にぶつかる。そう、この本に収められた2編の小説は、時々「なんか、これ、いいなあ」と思わせるような作品なのである。
みんな、もっといろんなことを考えれば良いのに。そうすれば、世の中もっと良くなって、自分なりの「なんか、いいなあ」というものに到達するかもしれないのに──僕の場合は、結局読み終わってそんなことを考えていた。
なんか、いい小説である。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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紙の本

保坂和志の実験

2002/10/20 01:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る


 熱力学の第二法則(エントロピーの増大)にしたがって拡散していったあれらの思いや感じは、いまどこでどうしているのだろう。単純であったり複雑であったりする世界にあって、この「自分一人」の固有の経験や濃密で鮮明な記憶、淋しさや不安やみすぼらしさや愛することの高揚感、感覚や感情や思考や「わかっちゃう」ことの総体は、「コンクリートに残された凹んだ足跡」のように物質的に形象化されているのだろうか。

 保坂和志は「コーリング」と「残響」の二つの作品で、ある実験を試みた。それぞれ一人の男と二人の女という主要な三人の登場人物の想起や想像や思考が、日常の基本動作を蝶番のようにして移動していく話を書くことで、「そのようにして描かれる人物たちは、読まれるときにつながっているような印象になるのか、それとも一人一人の孤独ないし隔絶感が強まるような印象になるのか、知りたいと思った」のだ。「人が生きて死ぬという有限性や孤独や隔絶感が救われることがあるのか」を、ある方法のもとで二つの小説を書くことを通じて考えてみたのである。

 その実験結果は「残響」の終末に出てくる二つの叙述のうちに、おぼろげな方向性として示されている。──愛の状態において、「固有の経験が、固有ゆえの口調や表情をともなうことで相手の記憶を喚起する力を持って、まるで自分たちの本質に関わることのように豊富な意味を帯びているように感じられる」こと。人は一人でいても完全に一人というわけではなくて、「みんな誰だって自分のことがたまには誰かから思い出されていることがあると思って生きている」こと。

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2006/07/04 03:02

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2009/01/07 16:08

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2009/02/21 23:58

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2009/05/16 23:28

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2009/08/28 12:07

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2009/10/29 08:23

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2010/05/15 17:19

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2010/05/15 20:01

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2012/12/22 23:43

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2014/05/11 22:39

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2014/08/18 11:42

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