紙の本
ノンフィクションだが小説の世界へ
2017/02/27 12:57
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投稿者:kobugi - この投稿者のレビュー一覧を見る
工房に並ぶビアノの描写がリアルで、音の響きが伝わってくるようだ。その人にふさわしいピアノとは、まるで『風の影の谷』の図書館の本のごとく、モノが人を選ぶ、そんな気持ちになった。自分のピアノが一層愛おしく思われ、きっちりレッスンしよう、読後、心からそう思われた。
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投稿者:Renato - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアノを愛する作者の心情が綴られ、色々なピアノに纏わるエピソードが大変興味深かった。
紙の本
ピアノは家族の一員
2002/02/16 01:17
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投稿者:mau - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分のピアノを手に入れる、というのは、新しい家族を迎え入れるのと同じことなのかもしれない。ピアノが家族になる、というのは、思い出がいつだって音楽と一緒になって立ち上ってくることなのかもしれない。そんな気持ちにさせてくれる、心温まる話。
パリに居を構え、妻子との生活も落ち着き、昔好きだったピアノをもう一度習おうかと考えていた著者の前で開かれた、小さく謎めいた工房の扉。そこで出会った若き職人リュックに導かれて知るピアノの、そして音楽の新しい世界。
年代ものの高価な楽器でなくても、一台一台に個性があり、物語がある。工房へやって来るのは、何らかの理由で持ち主が手離さざるを得なかったピアノ達だ。そこには悲しい別れがあり、また著者のように喜ばしい出会いもある。
「時は流れ、ピアノもわたしたちと同様にすり減っていき、ときには運命の渦に巻き込まれて破壊される。わたしたちはやりなおしができるし、いい楽器さえ見つかれば、音楽の世界への道はふたたびひらかれるだろう。けれども、この巨大な木と鉄の塊がわたしたちにさまざまな思いを呼び起こす力は、ひとつひとつの楽器の中に宿っているのである。」(p.194)
楽器という「うつわ」に託して語られる音楽への愛情は、具体的で気取りがない。工房に集まってくる人達も、なんとも個性的で良い感じだ。今宵も修理中のピアノの山を肴に、密めやかな会合が開かれているのだろう。
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これはね、ピアノ弾きの人にとってはもうたまらない本です。
具体的な症状は、1)ピアノが弾きたくなります。2)ピアノを習いたくなります。3)ピアノが欲しくなります。いずれにしてもピアノへの愛情に溢れた本です。読んでいるうちに何だか本の中からピアノの匂いがしてきたような気がしました〜。
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ピアノを弾きたくなってきます。
音楽は「子供のころ無理やりならわされたモノ」だった私に、「大人になってから趣味で楽しむもの」と教えてくれた、大事な1冊です。
音楽やりたい気持ちになります。
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音楽の好きな人なら、誰にでも薦めてしまう本です。
読むと必ずピアノに改めて恋をし、
ピアノ持ってない人はほしい病にかかります、
それもグランドピアノ。
わたしはこれを読んで、
スタインウェイ(アップライトだけど)を買ってしまいました・・・。
素晴しい本。迷いなく、素晴しい本。
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音楽好き(特にピアノ好き)にとったら、宝物みたいな傑作ノンフィクション。
パリ(カルチェ・ラタン)でピアノってだけで、設定の勝利って感じもないわけではないけれど、とにかく全編、ピアノへの愛情に溢れてて、読み終わるのが勿体無いような本でした。
あ〜、素敵なベビーグランド、私も欲しい!!
原書も読みましたが、この邦訳、訳がとても綺麗でそういう点でもお勧めです。
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「ピアノ」という楽器について、同時に「パリ」という街について書かれた本。ピアノを弾きたくなるし、パリに行きたくなる。
弦楽器や管楽器と違い、88鍵で区切られた音しか出せないという特質や、子どものころのレッスンに発表会などなど、ピアノやってた人ならいろいろな部分で共感すること間違いなし。
著者がどのピアノを買うか検討するところ、それが家にやってくるところでは、子どものころピアノ買ってもらったときのことを思い出して胸が熱くなった。
そうなんだよ、ピアノって、楽器だけど家族みたいなんだよ。一緒に暮らす、っていう感じなんだ。
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ピアノの素晴らしさを再認識させてくれた一冊。
ヨーロッパピアノと出会うきっかけも
作ってくれました。
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もう弾かないから、と長年愛用したピアノを去年処分してしまったけれど、この本を読んでいたらまたピアノを自分のものにしたい、そしてまた弾きたいと強く思った。
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とっても素敵な本でした。
特にストーリーが展開するわけではありませんが、ピアノへの愛がヒシヒシと伝わってきます。
パリに行くときには、カルチェラタンをぶらついて、リュックのピアノ工房を是非とものぞいてみたいですね。
読後感がとっても幸せな一冊でした。
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音楽が、そしてピアノが好きな人にはとにかくお薦めしたい本。ピアノを弾きたくなる、また自分だけのピアノ(できればグランド)が欲しくなること請け合いのノンフィクション。
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パリ左岸にあるひっそりしたピアノ工房。
ピアノを愛する職人と
アパルトマンに流れるかすかなピアノの旋律。
カバーを取ると、
ひんやりした漆喰の壁のような本が出てくる。
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『パリに住みついた「わたし」は、子供の学校の送り迎えごとに、毎日「デフォルジュ・ピアノ店」の前を通りかかる。なんのへんてつもない店。だが、もう一度ピアノに触れたいと思っていた「わたし」は、ある日その店の扉をノックする・・・・・・。思いもかけないパリの職人の世界を、愛情溢れる筆致で描いた、切なくも心温まるノンフィクション。』
個人的にはショパンが愛した(らしい)プレイエルに憧れが。
まぁそんなことは置いておいて、
『心温まる筆致』ってゆうのがピッタリくる雰囲気。
ストーリー自体はそんな難しいこともないし、
こうゆう雰囲気だから、すごく読みやすいです。
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大きな展開があるワケでもない、ドラマもなにもない、
なのに深く深く、胸が熱くなります。
年月を経ることが輝いて見える本。