紙の本
文庫可愛いや
2002/06/09 15:56
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投稿者:kos-chang - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本一のセールスマンが入院中に新潮文庫の100冊を読破、文庫専門の古本屋の起業を思い立つ。文庫好きにとって絶版・品切ほど悔しいことはない。なにせ文庫本は「可愛くてしかたがない」のだ。その偏愛は、いままで日本で出版された文庫全蒐集の図書館設立へと発展。不可能と思われた事業を様々なアイデアで成功させたベンチャー企業の物語としても面白い。
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文庫本だけを売る古本屋を立ち上げ、維持する過程を熱っぽく語った書。体言止め、現在形の多用の短文を連発し、凄まじい迫力が文章から沸き立つ。攻撃的な粘着質による、怒涛で滅私な生き様に同意するかはさておいて。熱意と一心不乱なさまが伝わり、一気に読めた。
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お盆の間に読み終えました。
谷口さんのストイックな生活と文庫本に対するあくなき情熱が
ひしひしと伝わってきます。
文庫本ってかわいいですよね!谷口さんが愛するのに共感します。
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著者は、古本文庫本の専門店の創業者兼、
古本文庫本の図書館の理事長であり、その半生を綴ったものでした。
その半生は、人生のある時期に、文庫本をひたすら読む時期があり、
自分の愛すべき文庫本たちをむげに扱う古本業者を目の当たりにして、
このままではいかん!!!+”この商売は儲かる”と、一念発起。
文庫本専門店(→文庫本図書館)を創業していくお話です。
まず、細かい数字が多く、独り言が連ねてある文章というのが
第一印象でした。正直なところ、読みにくかった。
(私の読解力の乏しさも一因かもしれませんが。。。)
「表やグラフがあると助かる」や、「文法とか修辞を使い丁寧に
文章を書くと、よりわかりやすくなる」、「文章の論理性は大切」と、
反面教師的に感じました。
その反面、文章から著者の性格が前面に出ていました。
”激烈”、”鬼”、”狂人”、”変人”、”根は優しい人”、"本に恋している人"など。
自分のやりたいことを、ひらめきと思いつきを行動に移して、
突き進んでいく人であり、相当気合の入ったおじちゃんという感じでした。
私には、とても真似できません。
(”自分のやりたいことに対する信念(心の強さ)”、
行動力と突進力は見習いたいところですが。)
最後まで、こういう人もいるのだな~と感心したり、やっぱり変わった人
だな~という思いを繰り返しながら読んでいました。
著者は、海外邦人の方が、文庫本を欲していることを知り、
その人たちに安価に提供していたそうです。
このような現状があったことを初めて知り、大変驚きました。
(本書によれば、海外(1995年当時)、日本の文庫本は、定価の倍以上で
売られていることが多かったそうです。)
また、本書の中で、「文庫本は文化的財産」と言っているのですが、
非常に共感できました。
事業展開する際に多くの人の手助けがあって、事業を大きくしていくの
ですが、その人たちとのやり取りの記載に物足りなさを感じました。
感謝の言葉は、かなりあるので、その辺りをもっと具体的に書けばよい
のにと突っ込まずにいれませんでした。