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バーのマスターが客の持ち込んだ謎を解き明かす短編集。
全体に哀しく儚い雰囲気。
話は面白いが謎はいまいち。
マスターは魅力的な人物。
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小説の中に出てくる料理がおいしそうなら、その小説は当たりだと思う。
鬼平犯科帳シリーズ、
ドクター・ケイの検死官シリーズ
そして名作、シャーロックホームズ。
この小説に出てくるバー「香菜里屋」の料理も決してはずれる事はない。
こんな雰囲気のバーで、おいしい料理に舌つづみを打ちながら、
極上のミステリに身を酔わせられたら…
ま、叶うことのない夢はこの本で疑似体験ということで。
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ビアバー香菜里屋(かなりや)では4種類の度の違うビールと
オーナーの工藤がさりげなく出す絶品料理の他に、
客が持ち込む身近な謎を鋭い洞察力で解明する様を楽しめる。
ちょっとした謎が別の事件を含んでいたり
意外なところから、昔の事件の犯人がわかったり
持ち込まれた謎から、別のものが炙り出されてくるのが
すごく楽しかったのよね。
それでいて、雰囲気は落ち着いたビアバーの状態で
静かに話しが進んでいく。
けれど、どういうわけかキャラ達の顔が見えてこない。
嫌いじゃないから続きは読むけど・・・
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ビアバーのマスターが客の話した謎のひとつの答えを静かに差し出すミステリ連作短編集。
度数の違う4種類のビールとおいしい料理を提供するお店で安楽椅子探偵。
おもしろいです。
全体的に落ち着いた雰囲気。料理がむちゃくちゃおいしそうです笑。
占い師の北さんが好き。
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・花の下にて春死なむ
孤独な俳人 片岡草魚とフリーライター飯島七緒
・家族写真
サラリーマン野田克弥と歴史小説中の写真 北、東山も
・終の棲み家
フリーカメラマン妻木信彦と多摩川と夫婦
・殺人者の赤い手
笹口ひずる、飯島七緒、北
・七皿は多すぎる
鮪七皿 東山朋生、高林、北
・魚の交わり
飯島七緒と草魚の過去
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私もこんな店の常連さんになってみたい!
読んだ感想はまずこれでした。
三軒茶屋のビアバーで語られる小さな事件の短編集。
各話で登場するとっても美味しそうな料理達。
読んでると、美味しいお酒と料理が欲しくなりますよ。
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事件はあるけど地の文章だけ追いかけても、文学としてきちんと読める良書だと思う。
個人的にはもう少しマスターの個性とか過去とかがあってもいいように思うけれど、
あくまで脇役としてのマスターは、さりげなく優しくしみいる。
所々に推理小説の名作のタイトルのもじりなどが入ったり、
オーソドックスな安楽椅子探偵らしいマスターの振る舞いなど、
本当に丁寧な作品だと思った。
読んでよかった、と、最後のページをめくってほっとするような逸品。
秋の夜長にぜひぜひ、どうぞ。
個人的には、花火のもとにて夏死なむ、って、ずっと思ってますけどねあたしは。
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殺伐としたものが一切なくて、実に良い。香菜里屋で出てくる料理を本の出来事なのに、「ああ、食べたい」と思ってしまうのは私だけではないと思う。
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「香菜里屋」というバーを舞台に、マスターが静かに謎を解くシリーズ。盛り上がり所はさほどないが、美味しい料理、美味しいお酒が沢山出て来て、写真や挿絵がある訳でもないのに頭に思い浮かべちゃいます。著者が昨年他界されたと聞いて残念に思いました。
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高円寺か吉祥寺あたりのビアバーカナリアの常連たちに起こった不思議な話をマスターがそれとなく解決していくような話。このようなハブ型の話はあんまり好きじゃないんだよね。
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大きな事件ではなく日常の謎を香菜里屋のマスター工藤に加え、香菜里屋に集う客たちが解いていく。すっきりとした謎解きではないので、むずがゆい部分はあるけど、読み終わった後にほっこり何かが残る感じ。マスター工藤がつくる料理もとってもおいしそう。
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香菜里屋(カナリヤ)というビアバーが舞台となっていて、店主の工藤とそこに集まる常連のちょっと不思議な話が6編。
それぞれの話がリンクしているので長編小説として読める。
私はビールは飲めないけれど毎回登場する工藤が作る料理の美味しそうなことといったらない。
「終の棲み家」の話が一番心に残った。
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北森鴻、死んでしまった。
この香菜里屋シリーズはとっても面白い。
好きな酒と料理を好きなときにたべにいける大人になりたい、その自由のためなら一生懸命働ける、と思わせてくれる。
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安楽椅子探偵工藤がいい。短編ながら最後の作品で話が完結するあたりは長編を読んでるような満足感。続編が楽しみデス。
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「香菜里屋」
路地裏にに白くぽってりとした提灯が浮かぶ。人々は行き場のない深い謎を抱えて焼き杉作りのドアを開ける。
ドアを開けると、精緻に描かれたヨークシャテリアの刺繍された深紅のエプロンを身につけた、ヨークシャテリアっぽい風貌のマスターがカウンターの中で待っています。
「いらっしゃいませ」
六話、収録された短編集です。
むっつの謎。謎は幾つもの謎をはらんで膨らでゆきます。読み手もいっしょに謎解きに参加している感じです。あたかもマスターのこしらえる品の良い料理を食しながら。
最初と最後の話はリンクしています。
どちらも片岡草魚という無名の俳人の人生に触れる話です。
最後の話は「魚の交わり」を読み終えたあとで、もういちど最初の話「花の下にて春死なむ」を読み返しました。
どちらも日記が鍵となり、そこから謎を読み解くのですが、…その日記をもっと読みたいのです。ほんの少し触れただけでは、たりない。そんな気持ちです。作中の人物がどのような気持ちで綴ったのかそこに心をそわせると、哀しくもありますが、やはり、読んでみたいと思います。
私は日記や手記、手紙が軸になっている話がとても好きなのです。
日記の中でよまれた句がとても余韻深く、味わい深いのも印象的です。
俳句いいなあ。