投稿元:
レビューを見る
最近、北森鴻の本ばかり読んでいる‥。珍しく私がハマれる作家さんなのだ。
この本も、短編で構成される連作ミステリ作品。ビアバー「香菜里屋」ー読んだら誰もが思うことだけど‥ー、こんなお店帰り道に欲しいぞっw
こんなお店の有り難みが分かることもこの作品の魅力の1つならば、その意味が分かるという意味ではこの作品は大人向けということになるんじゃなかろーか?
とにかく、私にとっては洗練されたと感じられる1册だ。
投稿元:
レビューを見る
☆2007・12
北森鴻の短編です。「香菜里屋」シリーズ第一弾。三軒茶屋のビア・バーのマスター工藤の素性に興味出ていました。続編に進みます。
投稿元:
レビューを見る
「香菜里屋」シリーズ第一弾。(シリーズは全4巻)
三軒茶屋のビアバー「香菜里屋」を舞台に、
マスター・工藤哲也と常連客たちとの日々の会話のやりとりから、
様々な謎が展開され、その人生の悲哀を解き明かす。
マスター・工藤による、安楽椅子探偵もの。
全6編の連作短編集。
「花の下にて春死なむ」 常連客“飯島七緒”(フリーライター)が主人公。
戸籍を持たない一人の男性俳人・片岡魚草の死。
俳句仲間によってひっそりと葬儀が営まれる場面から始まった。
無縁仏となってしまった彼を、故郷へ帰してあげたい思いに駆られ、
七緒は、かつて彼が漏らした言葉とマスターの助言を手がかりに山口へと向かう・・・。
いきなりガツンと先制攻撃をくらいました。
物凄くスケールの大きな真実に、ただただびっくり。
「家族写真」 常連客“野田克弥”(離婚歴の有るサラリーマン)が主人公。
マスターから常連客に一枚の新聞記事を見せることから、始まる。
真実は一つではない・・・。 真意は裏の裏まで読み通して、見えるものだった。
とても奥の深い、マスターの人柄を表した作品になっていた。
「終の棲み家」 常連客“妻木信彦”(カメラマン)が主人公。
多摩川の河川敷を撮影中、とあるきっかけで知り合った老夫婦の謎。
個人的には、本書で一番好きな物語だ。
河川敷に小屋を建て、ひっそりと暮らす老夫婦、彼らは妻木と出会い、何を感じたのか…。
妻木の写真展のポスターは、何故みな剥がされたのか・・・。
答えがわかったとき、哀しい思いと裏腹に、爽やかな涙が流れました。
「殺人者の赤い手」 常連客“笹口ひずる”(派遣プログラマー)が主人公。
ひずるが店に入ると、「香菜里屋」の近隣で殺人事件が起こったと聞かされる。
この事件と、この地に伝わる都市伝説「赤い手の魔人」に関連した謎が広がる。
この物語では、渋谷で街頭占い師をしている北君彦(通称ペイさん)という常連客と、
新参者として警官・百瀬健次が登場します。
七緒の推理を真ん中に、探偵団思しく事件の究明談話が繰り広げられ楽しい。
ひずると百瀬の展開に、密かに期待しているのです(笑)。
「七皿は多すぎる」 常連客“東山朋生”(古参)が主人公。
東山が、「回転寿司で鮪ばかりを七皿食べる男の謎」をマスターに話しだした。
すると、他の常連客、夕刊紙の記者・高林と占い師のペイさんもノリノリで参加し、
皆で謎解きがはじる。
又聞きの又聞きで進んでいく話の展開と東山の語り部にお腹が一杯になった。
「魚の交わり」 一話目同様、“飯島七緒”が主人公。
「香菜里屋」に、七緒宛の手紙が届いた。佐伯克美という鎌倉に住む見知らぬ者から…。
七緒の知らない30年前の魚草のことが書かれていた。
最後にこんなにも素敵な涙を流すことになろうとは。 人生の深さをヒシヒシと感じました。
忘れていたが、「香菜里屋」はビアバーなのだ。
4種類の度数���違うビール(上は13度から下は3度まで)を、
マスターが作り出す絶品料理と共に楽しめるのだ。
思わず、謎解きを忘れ舌鼓を打ってしまったことも、多々あった(笑)。
サラリと流れるような文体に、魅力的な料理の数々。
読後は、お腹が一杯になりました。
13度のビール、一度呑んでみたいな。
※第52回日本推理作家協会賞「短編」および「連作短編集」部門ダブル受賞作。
投稿元:
レビューを見る
とにかく食べ物がおいしそう。いいなぁ、ホタテ…。香菜里屋行きたい。そして熱烈女性ファンのつくマスターを見てみたい(笑)
投稿元:
レビューを見る
香菜里屋シリーズ一作目。
常連客が持ち込む謎を、ビアバーのひかえめなマスターが解く
連作ミステリです。派手な仕掛けというよりは日常の謎。
そしてなにより料理の描写が。美味しそうすぎます。
香菜里屋があったら絶対通うのに。。。
投稿元:
レビューを見る
全部で6編の短編連作ミステリー。
かと言って、あっと言わせるような斬新なトリックがあったりはしない。人の心のすれ違い、思い違いなどが謎を謎たらしめているミステリーだと思った。
『終の棲み家』という話が心に残る。カメラマンが、多摩川河川敷で出会ったそこで生活する老夫婦を写真に収めるシリーズをとり始めた所から交流が始まり、彼らがカメラマンの前を去ってしまう、その理由、謎に、単純にジンと来た。
中心となるのは三軒茶屋のバー『香菜里屋』のマスター。気配り上手で、店には度数の違うビールが4種類。穏やかに客を迎え入れ、絶品の料理を振舞う。なおかつ、客たちが持ち寄る謎も解いてしまう、という。そんなバーがあったらぜひ行ってみたいものだ。
投稿元:
レビューを見る
短編集ですが、どことなく繋がっていて長編のような気もします。
どれもひっそりとした雰囲気のお話ですが、中でも三話目の「終の棲み家」が好きだなぁ。
“香菜里屋”の工藤さんと、「メイン・ディッシュ」に出てきたミケさんがかなり重なった。どちらも大好きですが。
投稿元:
レビューを見る
短編の連作、というかたちになっているので読みやすい。
このスタイルの、よく似た小説を最近読んで既視感を覚えたのだが、「とっても不幸な幸運」だった。
全能の探偵役は店の経営者、謎は客によって持ち込まれ、みんなでわいわいしながら謎ときをしていく、というスタイルがあまりに似通っていた。
この作品のほうが謎が謎として練りこまれていて、上質というか、読み応えがあったのだが。シリーズものならまた読みたい。
タイトルは西行の詩歌<願わくは 花の下にて春死なむ そのきさらぎの望月のころに>より。これ好きー。
投稿元:
レビューを見る
三軒茶屋にあるビアバー香菜里屋シリーズ一作目。4種類の度数の違うビールとどれも絶品な料理の数々・・・。そしてさらに素敵なマスター。行きたくなるに決まってます!また料理の描写がうまくてお腹がすいてきます。安楽椅子探偵としてもうまく、マスターは語るべきこととタイミングが抜群。人としても魅力的です。
投稿元:
レビューを見る
ビアバー「香菜里屋」。度数の違う四種のビールと美味しい手料理。そしてちょっとした謎が待っている。
こんなビアバーあったら、ビールは飲めないけど常連になりたいなぁと思う。
安楽椅子探偵、マスターの工藤がとてもいい味を出している。続編に期待。
投稿元:
レビューを見る
ビールバー「香菜里屋」を舞台にいろんな謎を解いていく。短編集
店主工藤は安楽椅子探偵のようなものかな?!
「香菜里屋」の料理。是非食べてみたいと思った。
表題の「花の下にて春死なむ」
片岡草魚の人生があまりに切なすぎて、涙が出てしまった・・・。
投稿元:
レビューを見る
k_35)最近お気に入りの北森さんの短編集。こんなビアバーがあったら、通っちゃうよー。(ビールは苦手なんだけどね、笑)
おまけ。今日は初めてBOOK-OFFを利用してみました。先日整理したマンガや小説。捨てるのもなんだか偲びなくてね。まずは第一弾。いろいろ雑多で77冊。2650円でした。誰かが楽しんでくれるといいな♪
投稿元:
レビューを見る
旨いビールと料理の店「香菜里屋」 物静かなマスター・工藤
客が持ち込む謎を聞きながら、静かに解決へと導く。
しかし本当の答えがそこにあるのかは描かれていない。
北森 鴻氏の作品はメビウス・レター以来。
あの作品で最後のどんでん返しというか、後出しじゃんけんみたいな卑怯さを感じたのが、この作品でもやっぱり感じてしまった。
なんというか、全部を提示せずに最後で「さぁどうだ」とひけらかす。
作品の雰囲気はとても好き。
小さな店に出入りする常連たちの謎解きの会話も軽妙。
ただ、謎が一つでないだけに、なんだか話が散漫な印象を受ける。
サラリとして読みやすく、その世界に入ればハマるかも。
投稿元:
レビューを見る
2008.10.5購入
私は基本的に食べ物が食べたくなる話が大好きである。
なのでこの作品も気に入っている。
ミミズクとオリーブもそうであったが
本作もいわゆる揺り椅子探偵ものである。
揺り椅子探偵ものは事件がそこに届くまでが命である。
事件も大事だが出てくるキャラが膨らんでいくのが面白い。
そんな訳でまあ続きが読みたくなるわけである。
ビールが飲みたくなった。
投稿元:
レビューを見る
ビアバー「香菜理屋」そこの常連さんが持ち込む謎を解き明かす六つの短編の話です。
「花の下にて春死なむ」
片岡草魚この世を去った。草魚は自宅でひっそりと亡くなった。その窓辺には、まだ咲くはずの無い桜が咲いていたという。彼は、戸籍が無かった。草魚の過去とは?桜の花は、違う事件を語っていた・・・。
「家族写真」
地下鉄赤坂見附駅にある無料の文庫のコーナーの本には、同じ写真がいくつかの本に挟まっていた。この家族写真には、どんなメッセージが込められてたのか?「香菜理屋」の客の推理が始まる・・。
「終の棲み家」
「香菜理屋」の中でカメラマンが語りだした。個展の宣伝用ポスターが、町からすべて盗まれたのだ。この事件の語るものとは?
「殺人者の赤い手」
「香菜理屋」の近くで殺人事件が起こった。小学生の目撃証言では、「赤い手魔人」が事件現場にいたと・・・。この地域だけの都市伝説「赤い手の魔人」が殺人事件と過去に起きた事件の真相に近づく・・。
「七皿は多すぎる」
「香菜理屋」の男性客が、グラスに向かい「回転寿司屋で鮪ばかり七皿も食べる男がいたとしたら、不思議じゃないかね」と、つぶやいた。客が少ない時間に訪れる男は、ほかの日でも、同じ時間に訪れて鮪ばかり食べた。この話の結末は?
「魚の交わり」
「香菜理屋」に届いた飯島七緒への手紙。そこには、昔亡くなった女性が書いたノートの中に片岡草魚の句では、無いだろうか?と、その句と一緒に書かれていた。片岡草魚の事を記事にした七緒は、その事について調べ始める・・・。
「香菜理屋シリーズ」の最初の作品です。この店のマスターは、話を聞くだけで、事件の真相に迫ってしまう凄い人です。安楽椅子探偵ものですね。人の心の悲哀さも語っている。そんなミステリーでした。これは、読んだ人多いかも?