紙の本
物理学者の本懐
2003/08/06 07:46
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しょいかごねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
科学の解説書を、これほど熱中して読んだのは久しぶりだと思う。
そもそも理論物理学というと、相対性理論と量子力学程度なら解説書もたくさん出ていてまだしも親しみがあるのだが、そこからちょっと踏み出すと、クウォークだのゲージだの何とか宇宙論だの、もうなにやら訳のわからない領域に入ってしまう、そしてその急先鋒がひも理論、というのがこれまでの印象だった。
本書は、ひも理論を含めた現代理論物理学の様相を、順序だててわかりやすく解説してくれている。しかも数式を全く使わずに書いているところがすごい(これは大変な努力を要することだと思う)。「ひも理論の信者」になってしまう危険性はあるが、現在の理論物理学の容貌を知るのに好適な書であると思う。
全体を通じて強く主張されるのは、宇宙が「エレガント」であることへの作者の強いこだわり、ひも理論に対する作者の強い愛情である。著者の気持ちは最終章の次のような言葉に良く表れている。「私たちは、この世界を知っているつもりでいたが、実は、この世界がどれだけ壮麗であるか、まるでわかっていなかったのだ」。よくある解説書のように、タイムマシンだのワープ航法だのといった色っぽい話題にはそれほど立ち入らず、ただ物理学の面白さ、ひも理論の素晴らしさ、そして宇宙の美しさを強調する。
本書の内容もすばらしかったけれど、これだけ自分の携わっている学問に心底惚れている、著者の心意気にいたく感動した。こんなふうに学問に惚れこんで、それを人にわかりやすく語ることができるというのは、まさに物理学者の本懐だと思う。
しょいかごねこ&もぐらもちのおうち
紙の本
第2部に衝撃を受けました。
2002/08/09 23:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ここん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は超ひも理論について書かれてある本です。
第2部には相対性理論と量子力学についても興味深いことが書かれてあります。
超ひも理論もすごい内容なんですが、僕には第2部に書かれてあることのほうが衝撃的でした。
相対性理論によると何者も光速を超えることが出来ない、というのは知っていました。
けれど、まさかこんなとんでもない理屈の上に成り立っている結論だったとは…時空の融合って…ねえ。
しかもこの理論は今のところ現実をちゃんと説明出来ているんだからほんとにすごい。
で、これまたすごいのが、ファインマンの経路総和。
これについてはもう本当に、なんじゃこりゃーってな内容です。すごすぎるよ。ほんと。
ふう。ふ、ふ、ふ、ははははは。
なんかうれしくなってきます。
常識が覆されるっていうか。
良い経験させてもらいました。
これからもこのような本に出会いたいです。
紙の本
超ひも理論の全体像が巧みな表現で素人にもわかりやすく解説、全体的なイメージが掴める
2003/06/06 16:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
超ひも理論についてこれまでも何冊か読んでいるが、これほどの内容がある本はいままでになかった。「ホーキング未来を語る」よりも内容が充実している。始めに相対性理論と量子論と、この二つの理論が両立しないことを、簡単紹介している。つぎに、その矛盾点を示し、その解決策として超ひも理論がでてきた背景を述べる。そして、現に理論物理の研究の最先端にある超ひも理論の全体像が包括的に述べられている。また、超対称性、みえない次元、時空の幾何学、ブラックホール、宇宙論、などの個々の論点も、巧みな表現で素人にもわかりやすく解説されている。むろん、本当に 超ひも理論が理解できた訳ではないが、全体的なイメージが掴めたような気がする。5つの 超ひも理論があり、これらと11次元超重力理論が双対関係にあり、これらを統合する理論がM理論と呼ばれていることを、始めて知った。
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オトナの読書は、こういうロマン溢れる本を読書されるべきであるが、物理の授業でさえ、まともに受けたことのない私には、ハードルが高すぎました。 逆にいえば、こんな超初歩的なヒモ理論も習得できない私は、幼稚であり、NASAとか想像も出来ません。ごめんなさい。 こんな私みたいな人間が生きさせてもっらていて、すいませんといった感じになれる作品でした。けど、文系の究極って、結局、理系なのかなあーって、確信の力作です。
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量子力学、相対性理論、果ては世界を形作る超ひも理論まで、最先端の科学を噛み砕いて説明してくれる良書です。かなり分厚いので読み応えもばっちりですが、読めば読む程、世界いや宇宙について考えたくなる本です。
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「全米ベストセラー」ならば 一般人にも分かりやすく書いてあるだろうと期待して購入。 う〜ん。なんとな〜くわかったような、わからなかったような・・・。
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一般向けの本だが、物理をやる学部生は一読の価値あり。前半は量子論と相対論をさまざまな例を用いて説明しようとする努力が見られ、なかなか面白い。ただ、後半は徐々に難しくなっていき、一般教養という枠では消化できなくなっているような気も。
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相対性理論、量子力学の矛盾を克服する統一場理論(それ一つですべての現象を説明し得る理論)として期待されている超ひも理論。それを初心者にもわかりやすく(僕には十分難解だったが)説明している本。『宇宙はすべて11次元のひもでできている』そんなとてつもない理論だが、この宇宙の住民としては興味がそそられた。超ひも理論の手前の、相対性理論、量子力学の説明もわかりやすくてよかった。
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ずっと気になってた超ひも理論を勉強してみようと思って読み始めました。「お、おもしろいじゃないか」→「うむむ?」→「うーん…」
というわけで、途中で挫折したため、私の宇宙はまだすべて解明されていません。
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「ひも理論」って多次元のハナシなんですヨ
タジゲンですかっ?!
というコンサルくんたちとの会話から
興味をもったひも理論
タイトルがいちばんキレイな本をamazonでご指名。
頻発するアナロジーはキレイじゃないが
万有引力・相対性理論・量子力学のハザマの不一致を埋める
科学者たちの記述がオモシロい
本書の要諦は第1章に盛り込まれているが
物理学の素人なボクにとっては、各章の詳細なセツメイにイチイチ歓心
ひも理論から見るセカイは
ジカンも含めて10次元だそうで
このセカイが始まるとき
包まってた10個の次元のうち
3次元+ジカンがぺろりんとほどけた
そんな見立てが興味深い
考えてみれば
セカイを静止した瞬間で「点」に分解する
そんなアプローチが正解とは限らない
振動する「輪っか」
そんな「括った見方」の融通さが気に入った
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相対性理論と量子力学を統合する超ひも理論。
超ひも理論にも5つの形式があって、それを統合するM理論。
空間は11次元で出来ている。
目に見える3次元、目に見えない巻き上げられた7次元、時間次元。
全ては一つの理論で説明できる!
色んな概念を、身近な例を使って説明しておりとても分かりやすかった。
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前半は物語が多くて、一般相対性理論だから案外すんなりと入ることができました。が、後半にしたがって、難しくなっていきます。
紐の理論と言えば、相対性理論のE=MC^2という式で表現できるあの超有名な式(マクロ)と、量子力学の確率論からなる、曖昧な数式、ここを通るだろうという確立は~といった、カチッと嵌らない、『大体』な式(ミクロ)を、高い次元で融合させようとしたもの。
式で言うならば、鏡像の式を使えば∝=1/rと r/1=∝は同等という、極めてふざけた結果になるという、簡単に言ってしまえばそういうことらしいということを、500越えのページに渡って書いてあるというモノですね。
とは言え、鏡映対象性はとても面白い思考考察で、考えたら考えるだけ思考の灰色な世界に広がっていってしまって戻ってこれなくなるので、普段は止めているのですが、こういう本を読むと色々な思考が灰色の中から出てきて、あぁでもないこうでもないと考え出したりします。
少なくとも、そういう思考考察に耽りたい方にはお薦めです。
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この世は4次元(過去、現在、未来、時間軸)と捉えられてる昨今、
「宇宙は実は、11次元で成り立っている」
と初めて唱えた、各界に衝撃を与えた一冊。
本著によればビッグバンとは、実は単なる宇宙全体の一部でしかなく、実はそのビッグバンにより、11次元のうち4次元(時間軸も合わせて)しか散らばらなかったと。
残りの7次元は爆発の散らばりに失敗し散らばらず、
まだ中心で渦巻いてる。らしい。
現在我々が生きてる世界が3次元なのも、11のうち3次元のみが散らばったから。という感じ。か
読んでて素直に面白い。何より難しいが読み応え十分。
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ながらくながらくながらく積読…。
(新刊のときに買ったから9年?!)
いま読みたい気分。本棚さがそっ。
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この本は何度も読みました。
黒体放射の説明、量子の説明、一番感動したのは相対性理論の説明でした。僕にははっきりいって後ろのほうの肝心なひも理論、M理論についてはよく理解できなかったけど、相対性理論の説明はあまりにも分かりやすくて、自分が理解できたことに物凄い感動を覚えました。
ひも理論に関心のある方はもちろん、いまいち今まで相対論や量子というものが理解できなかった人にはとてもお勧めな本です。
もちろん翻訳もとてもよくて、読みやすいです。