サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

新しい戦争? 9.11テロ事件と思想 みんなのレビュー

  • 中山 元 (著)
  • 税込価格:1,10010pt
  • 出版社:冬弓舎
  • 発行年月:2002.1
  • 発送可能日:購入できません

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー2件

みんなの評価3.0

評価内訳

  • 星 5 (0件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (1件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
1 件中 1 件~ 1 件を表示

紙の本

思想の問題・政治の問題

2001/12/26 22:40

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オリオン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 哲学は単独者の不換言語で綴られ、思想は植民地の言語で紡がれ、文学は帝国の周縁で複数言語の間に育まれる。これは誰の言葉でもないし、本書とはなんの関係もない。

 「9.11」以後おびただしい量の論考がインターネット上に掲載された。「今回のテロほど、グローバルに情報を伝達するインターネットが、思考の道具としても貴重なものであることを、はっきりと示した事件はなかったといってもよいだろう」(124-125頁)と著者は書いている。そのほとんどがインターネットで集められた文章を手際よく整理して、著者は本書で「9.11テロ事件があらわにしたさまざまな問題を考えるために役立つ」五つの視座を取り上げた。
 すなわち、これはテロなのか新しい戦争なのか、文明の衝突か、宗教の衝突か、それは私たちに「現実の覚醒」をもたらしたのか、そして「9.11」以後反グローバリズムはいかにして可能か。私はとりわけ第四の視座が重要だと思う。

 メディアなしではテロは意味を失うのだが、それではメディアが流し続ける映像はリアリティを伝達しているのか、恐怖と憤慨と復讐の念をかきたてているだけなのか。グローバリゼーションが進み世界がアメリカ化している現状にあって、はたしてアメリカは「世界」の現実をきちんと認識できているのか(テロはアメリカ市民に「覚醒」をもたらしたのか)。ツインタワーの崩壊という「映画(ヴァーチャル・リアリティ)みたい」な出来事を目の当たりにして、いまや「現実のリアルの世界」の認識そのものが不可能になっているのではないか。
 《ぼくたちはいま、現実とフィクションが分かち難く、不分明なままになっている薄明の世界に生きているようだ。ツインタワーは、どこか『風の谷のナウシカ』の巨神兵を思わせる身ぶりでゆっくりと崩れていったのだが、現実もフィクションと映画の世界のうちに、ゆっくりと溶け込んでしまったかのようである。》(91頁)

 ここには「問われているのは、ぼくたちの思想そのものなのである」(109頁)と著者が書くときの「思想」の問題が、そしてもちろん「政治」の問題が集約されている。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

1 件中 1 件~ 1 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。