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歴史を変えた気候大変動 みんなのレビュー
- ブライアン・フェイガン (著), 東郷 えりか (訳), 桃井 緑美子 (訳)
- 税込価格:2,640円(24pt)
- 出版社:河出書房新社
- 発行年月:2001.12
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紙の本
やや単調だけど、面白い。
2017/06/09 16:31
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投稿者:たまがわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
原題は「The Little Ice Age」で、主に中世の小氷河期のヨーロッパの様子について書かれている。
例えば、
『一五六〇年代以降、魔女狩り騒動は周期的に勃発した。
一五八〇年から一六二〇年までのあいだに、ベルン一帯だけでも一〇〇〇人以上が魔術を使ったとして火あぶりになった。
イギリスとフランスで魔女狩りが頂点に達したのは、一五八七年と一五八八年の荒天つづきの年である。
魔女狩りの騒ぎが起こるのは、かならずと言っていいほど、小氷河時代の最も寒く、最も困難な時期と一致していた。』
『ドイツ南部では、一八一六年には作物がまったくとれず、その年の冬は、
「本格的な飢饉になった……われわれのいるこの文明国でこのようなことがいまだに起こるのだ」。
この言葉を書いたカール・フォン・クラウゼヴィッツは、貧しい村や遠くの町についてつぎのように描写している。
「とても人間には見えない、生ける屍のような人びとが畑のなかをうろつき、収穫されなかったものや、
半分腐りかけて完全に実っていないジャガイモのなかから、食べられるものを探している。」』
一九四八年のアイルランドのジャガイモ凶作では、
『貧しい子供たちの多くが「裸同然で、髪は逆立ち、目はくぼみ、唇には血の気がなく、
小さな関節から骨が突きだしていた」。ショーネシーはこう問いかけている。
「私は文明国にいるのだろうか? これが大英帝国の一部なのだろうか?」』
この「大飢饉」で、アイルランドの人口全八一七万人のうち、控えめに見ても二五〇万人がいなくなった。
そのうち一〇〇万人は移民として国を脱出し、残りのおもに西部の住人は、飢饉とそれに関連する病気で死亡した。
全体として、やや単調な似たような記述が続く部分もあるが、面白かった。
科学的な態度の記述で、最後の章で現代の温暖化についても書いている。
紙の本
夏のない年
2002/06/02 23:20
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投稿者:sfこと古谷俊一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
西ヨーロッパにおける、温暖で豊かな中世と、12世紀から19世紀末あたりまで続いた小氷期についての研究を、わかりやすくみっちりと解説する本です。
北大西洋震動、つまりアゾレス諸島の高気圧とアイスランドの低気圧の相対的な強さの変化が、偏西風の強さとヨーロッパの気温を大きく左右する恐ろしい影響力を、具体的な記録をもって示しています。
無敵艦隊はイギリスとの交戦よりも荒天で大きな損害を被った、わずかな平均気温の変化がもたらす大きな飢饉と村落の消滅、タラの回遊域の変化が大西洋横断を助けたこと、当時の人々にとって死がいかに近しいものであったのか、気候の悪化への対策としての技術の進歩、などなど、気象の変化が生活にいかに絶大な影響をもたらしているかがわかります。
我々は、わずか百年ばかりのちょっとした温暖で快適な時期に生まれたわけですが。今後の気象状況しだいでは壊滅的なことってのは、まだまだ起こりうるのでしょうね。
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