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一言で言って、壮大かつ娯楽性に富んだグレイト・クロニクル。
読み終えた後に、“一大スペクタクル映画を観た時のような”などといった修辞句で飾られる名作は多いと思うが、そんな表現すらも届かないと感じられた一冊。
公営放送の大河ドラマもその冠名の重みに耐え切れずに裸足で逃げ出すのではないかと思われる巨大な流れに乗ったストーリーはもちろん、何と言ってもその文体がとても流麗かつ詩的。
著者の常人離れした鋭敏な言語感覚をこれでもかと総身に感じることができる。
中世のイスラム世界という、我々21世紀に生きる日本人にとっては決して身近とは言えない時空を舞台としていながら、ズームルッド、アイユーブ、ファラー、サフィアーン、アーダム…といった、まさに血と肉を有し目の前で発声している姿がありありと脳裏に思い浮かぶかのごときリアルでヴィヴィッドな登場人物たちの息吹によって、それは十二分に鮮やかな色彩を持った仮想現実として我々のそばにある。
単行本の帯に記された「推薦はしません。感謝と、賛辞をこの本に-。」という京極夏彦氏の言葉が読後にはとてつもない実感を持つことに気が付く。
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数年前に爆笑問題太田がダ・ヴィンチでおすすめしてましたが、忘れていました。。
最近の週刊アスキーのブックレビューで徹夜本としてすすめられていたのでついに
読み始めることにしました。
タイトルからして、歴史小説なのかと思いましたが、実は、ファンタジー小説でした。
大長編でしたが、講談調の言い回しが心地よく、すらすら読めました。
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この本読むのに何日かかったか・・・でも時間を忘れさせるほど物語は壮大で壮絶だった。
物語が伝承され拡散し、誇張され、歪曲され、雑種になっていくというモデルがおそらく古川日出男の中にはあると思う。
それはベルカの雑種の力強さのモデルに酷似しているし、ロックンロール7部作のロックもまたそうである。
読書という行為を楽しみたい人には格好の本であると思う。
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古川 日出男のセンスは、もっと評価されるべき。
ナポレオンの襲撃にマムルークは、聞き手をひきつける昔語りで対抗しようとするが・・・ってな話。
お話の中身は、ウィザードリーみたいな内容、かなり良いですよ
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「爆笑問題のススメ」という番組で太田さんが絶賛していた作品。作中に、それを読んだらどんな人でも虜になってしまうという「災厄の書」というのが出てくるのですが、まさに虜になってしまいました。眠るのも忘れて読んでしまいます。完璧な物語。次々と起こるストーリーは想像力の爆発です。古川日出男も好きな作家ですが、「アラビアの夜の種族」はダントツでナンバー1です。
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徹夜覚悟で読むべし!
一番興奮した本かも。
ドキドキが止まらない。構造も面白けりゃ中身も面白い。
この人はいろんな概念とかこのくらいだろっていうスケール感とかを
端からぶち壊してくれます。なんかもう爽快。
ラストぶっちゃけスケール大きすぎてトンデモな感じになっちゃってますが。
まあそれはそれ。
「物語」の圧倒的な力を肌で感じた一冊。
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面白くて一日で読んじゃったけど、ちびちび読んでも良かったのかな。
なんか古川日出男はまだ行けるんだと思う。って言うか現在進行形なんだけどな。まだ先があると思わせるように書いてるのかしら。
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いやー、非常に非常に面白い作品であった。
アラビアンナイト形式で進行する物語に、
ナポレオンのエジプト東征が絡んだ壮大なファンタジー。
語彙豊富な文章と、やや芝居がかった台詞回しにも惹かれる。
途中、Dungeons & Dragons 、Wizardry、
DRAGON QUEST をどうしても想起してしまった。
戦士と魔法使いはどちらが強いのか?
やはり魔法戦士には敵わないのか?
僧侶、吟遊詩人、レンジャー、盗人、遊び人、踊り子入り乱れての大騒ぎ。
パフパフ有りr(^ω^*)
最初の「はじめに」と最後の「仕事場にて」もイイ味だ。
読まずに死ぬわけにはいかない傑作であると理会。
2002 年 日本推理作家協会賞受賞作品。(何故に?推理小説?)
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気になっていた本だったけども、買ったり借りたりせずにいたら、縁あって知人がくれた!ので、早速…!
と読んだらも~最高!笑えるし、映画を見るよりスペクタクルを感じた。エロスとファンタジーと、アラビアと…少しでも気になる人は読んで損は無いでしょう。
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長年、積読の極みに位置していたこの本。人からの勧めでついに手にとってみました。アラビアンナイトのファンタジーの不思議な話に胸躍らせた小学生の頃の自分に舞い戻り超空間への旅へ。古川先生、ありがとう。
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『凄まじい』の一言に尽きます。
正直、手に取ったときの分厚さに、まず読む気力が失せたのですが、読み始めたら止まらなくなります。
ジャンルはやはり冒険小説でしょうか。
長い時間をかけて味わいました。
今まで読んだ本の中でベスト3に入りますね。
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発売された当時、気になりつつも読まずじまいだったのですが、先日急に気になりだし、でも書名も著者名もきちんとは覚えておらず、「アラビア」「夜」「話」のキーワードと表紙の印象だけで。ネットの海からなんとか探し出しました。どうにかなるものです。舞台はナポレオン時代のカイロ。ノリはダークでファンタスティクティックなアラビア幻想冒険策略物語といった感じでしょうか。昼の話と夜の話が同時進行で進んでいく作りで、特に夜の話はすごく面白くて夢中になって読みました。ただ・・・持ち歩くにはかなり重い本でした・・・。(ハードカバー659P)が、中々読み終わらず、一週間近く鞄に入れて持ち運ぶはめに。しかも読み終わった頃を見計らったように文庫が発売。ちょっと遠い目になりました。
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読みにくい文体。しかし、それはそれ。物語ですね。ものがたり。強烈なインパクトがあります。冗長な表現が多いのも異国情緒を誘います。なが〜い物語を読み終えた満足感。読んだ後にいろいろな想像が頭の中を飛び交います。最近忙しかったので、もう少し暇なときに読めばよかった。
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おもしろかった!
分厚さに躊躇いがあったけど、読み進めていったら止まらない。
古川さんの著作は初めて読んだけれど、すごく読みやすかった。がっつり骨太なのに笑える語り口とか。
サフィアーンが出てくるたびににやっとしてしまう私。
あの子いいよホント。
ジンだの迷宮だのアラビアンナイトなファンタジーで、個人的には凄く雰囲気がツボだった。
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読み始めは何度同じページを読んでも頭に入ってこなくて、挫折。でも評価の高い作品なので気を取り直して再読。
覚悟を決めたせいか躓きながらも読み進めて行くうちにどっぷり。頭の中はターバン姿の男性、魅惑的でエキゾチックな女性でいっぱい、ドキドキしながら完読。かなりボリューム満点ではあったけどあそこまで引き込むのはさすが。評価の高さが頷けます。