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古川日出男の知名度を一気にメジャーにした本。SFファンタジー、ゲームのノベライズとでも思えば分厚くてもいける!がんばって!アラビアンナイトシードなる本を翻訳した、とあるけど真偽は…ご想像にお任せします。
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物語の持つ、圧倒的な「面白さ」の力を、まざまざと見せつける本。
原液のようなそのパワーを、「本の中の本」として語る、その語り口に酔いしれる。
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評判いいということで手にとりましたが、正直合わなかったな。
物語はナポレオンがエジプト進行する18世紀終わりと、この時代に幻の奇書といわれる本に描かれるファンタジーの二重構成になっている。
で、この本自体が元本があって、古川日出男が翻訳したって設定だけど、読んでいる途中全くそうは思えなかった。
特にファンタジーの方は中盤あたりから「ドラクエ」的な物語がどんどん進行していって陳腐。
ラストに、この「ドラクエ」もどきの奇書を読んで、恍惚の表情して死んでいく老人という御目出度いのが出てくるんだけど、「そんな奴いねーよ」って感じでシラケた。
文体も翻訳っぽいのは最初だけで、後半ほとんど日本のRPGゲームに使われがちな単語の洪水。
ディティール自体が陳腐なので、元本があるという設定に全くリアルさを感じない。
どうせやるなら、もっとインドの「ラーマヤナ」あたりをしっかり読んでから挑めばいいのに。
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分厚い。読むのに気力がいります。
ファンタジーです。純粋にストーリーを楽しむためでなく、アラビアの空気を味わいたいな、勉強したいなっていう人のための本。
こういう話を手っ取り早く読みたいなら、アラブの童話でも読んでいたほうがいいです。
ただ、意訳はすげーなと思います。悪ふざけが過ぎる気もしないでもないですが、……私はいいと思いますよ。
それより厨二ホイホイが仕掛けられているほうが気になりました。
夜の種族って書いて「ブラッディオブナイト」って読ませる、みたいなね!!!
漢字にルビを振るのがね!!!!!
いや好きですけど!!!
ネタとしては面白い本。
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長かった。
面白いけど、読んでも読んでも終わらないので途中で絶望しそうになった(笑)
それにしても変にテンションの高い話でしたね。
戦争回避のために物語を献上するというのが面白い。
あと、作中作の主人公達が「それでいーの!?」というところも。特に三番目の主人公がおおらかすぎる……。
まあ、一番いいやつでしたけど。
読み終わったら妙な達成感があります(笑)
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新刊(2001年)の時に読んでたけど、本棚登録してなくて、ふと思い出した。
古川日出男の本は「ベルガ、吠えないのか」など衝撃的にやられたので珍しくこの本は出版されてすぐに読みました。
これは非常によかった! しばらくなかった わくわくどきどき読書体験でしたねぇ
ある意味僕の最も好みな種類の幻想小説。
アラビアンナイトという形式を借りたところも、ケレンみのある設定/形式もきめ細かい文章も生理的に好きなんですよねぇ
最近のトレンド?とはかなり違うかもだけど、逆にいうと彼にしかかけない小説ですね。もっと読まれてもいいんじゃないかな!
受け入れられる人とそうでない人にはっきり分かれるかもですが...
d^^)
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久しぶりにここまで長い小説を読んだ。
エジプトの語り継がれているファンタジーなので、怪しい雰囲気が立ち上ってくるような文章で楽しめた。
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舞台はナポレオン時代のエジプト。有力な武人のマムルークが主人公です。最後まで分からない衝撃の結末とシェエラザードの寝物語のごとき劇中劇のわくわく感をぜひ味わってみて下さい。
九州大学
ニックネーム:稲生平八郎
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災厄の書はwiz好きには面白い話だが、人一人破滅させるほどの話かというとそうでもない。
ざっとネットを見て指摘している人がいなかったが、イスマーイール・ベイが破滅に至ったのは、「順番の交錯する災厄の書を読んで頭の中でストーリーを再構築する」という読み方によって、頭の中でwizardryをプレイしている状態(ゲームでは物語は断片化し、時に不自然な前後関係の中で――既に倒した敵が再び登場したり、ストーリ-上先にこなすことを想定しているイベントを後回しにしてしまったり――物語が進行する)になった、ということだと思う。
19世紀人にwizardryなんかやらせたら、ナポレオンを廃人にすることだって夢じゃないだろう。
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物語を物語る物語。「物語とは?」を物語る物語。沢山の物語の形で物語る物語。
最終的に
アーダム=著者 ファラー=物語 サフィアーン=読者
となるのかな、と思った。読者は無垢の王であるって事なのかな。三者三様の役割を持ちながらそれぞれがそれぞれの物語に翻弄される。色んなモノが入れ子構造のようになっている。
そして物語となったファラーは語られる事によりその身を不死にする。
物語も純粋にファンタジーとして楽しめるけど色んなものがメタ的に内包されて、そこら辺の構成も考えるのが楽しい。
書かれる形態も歴史小説であり年代記であり一代記であり、貴種流離譚であり、ピカレスクであり幻想小説でありetcetc....
盛大な物語賛歌でもあり作中に出てくる災いの書のようでもある。ほんとうにごった煮みたいな話だった。
しかし惜しいのはなんにせよ長い。そして翻訳体みたいな文体もちょっと慣れなかった。
サフィアーンとファラーの関係性はちょっと萌えました。
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時代背景はナポレオンのエジプト遠征。ロゼッタ石発見の頃です。エジプトはトルコ・オスマン帝国支配下でマムルークが実権を掌握。
個人的には、この「マムルーク」の存在がキモで。自分の持っていた「奴隷」の概念が絶対的なものではなく、いかに民主主義に毒されているかを痛感。
アラビアン・ナイトの亜流と言っては身も蓋もないですが。最初は「おお!グインサーガじゃん」!!と(特にカイロの街区をアイユーブが歩く辺り)夢中でページを繰っていましたが、中盤から少しダレ。少年漫画的戦闘シーンが延々と続くのがウザいし。やたら「!」が乱舞するのも目障りだし。素っ頓狂な口調の何人かも興覚め。何を狙ったんだか~(ひょっとして人格の入替わりをこれで表現しようと?まさかねー)
最初の主人公アダームは良かったけど、すんごい美形で魔術だか腕力だかも最強、みたいなのが何人も出てきた日にゃあ・・・。しかも何気にこの作者、美人佳人麗人の描写が単調~メタなラストもなんとなく察せられてしまった。
文句言いつつ、3日を費やして読んだもんで、言いたい放題。
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ひたすら面白い物語を書こうとしたんだと思う。で、ジャンルとか売れ線とか度外視で、とにかくやたらと面白い物語が生まれた。そういう意味ではエンターテイメント小説の2大ジャンル、SFとミステリの賞を両方とったのも納得(2002年の日本SF大賞、日本推理作家協会賞を受賞)。
恥ずかしながらこの著者の作品はこの本が初体験だったわけですが、会話調の文章がとても生き生きしていて、とても「読ませる」。と思ったら、戯曲の流れの人なんですね。どうりで、流暢かつメリハリある語り、騙り。
これから読む人へのアドバイスとしては、日曜日に読み始めると月曜の朝方まで読んでしまう可能性が大なので、三連休の初日くらいをお勧めします(笑)。
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まぁーとにかく長かった。この長さが比例して「時」の重さを感じさせるのかもしれないが、作者が自分自身の文才に酔いしれているきらいもあり、うっかり読み飛ばしている箇所もありました。
しかし、3人の運命が収斂していくクライマックスは見事! まごうごとなき傑作です。
時折現れる猥雑な言葉も好き。
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圧倒的質量濃度温度。物語の奔流、なんて言葉がここまで似合う本はあまりない。もうすべてが濃厚で、もて余すけどやめられない。読むのが遅い人にはちょっと辛い長さだけど。小さい頃「はてしない物語」とか読んで魅了された人は絶対コレにも没頭できると思う。あー、物語の余韻が気持ち良い…。
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まぁぐいぐいと読ませてくる。
ページをめくる手が止まりませんでした。
文章も軽妙でありながら濃厚で、夢中になってくると酩酊感がありました。この感覚「大審問官」を読んだときにもあったな。
構成が変態的。良い意味で
緻密に計算されて書き上げているようにも思えるし、一種のトランスの中で書き上げているようにも思える、ある種の毒を持った本でした。
一年後かにもう一度読み返してみよう。
ファラー?