投稿元:
レビューを見る
(2012.05.08読了)(2012.03.03購入)
著者が定年を目前にして、自分の定年後の生活をどうするかという準備を兼ねて書かれた本です。参考になる部分もあるし、そうでない部分もあるので、参考になる部分を生かして行ければと思いつつ読みました。
料理とかについては、常々かみさんからも言われているので、耳が痛い面もありますが、正論だとは思います。
【目次】
はじめに
第一章 〝生きがい〟を再発見する喜び
―心のハリを保つとっておきの秘訣とは
第二章 人づき合いで10倍幸せになる
―孤独な老人にならないために
第三章 上手に若々しく歳をとる人
―医者に頼らない身体と精神のバランス術
第四章 こころ愉しく定年を待つ
―仕事をまっとうして会社と別れる心構え
文庫のためのあとがき
●亭主は子供部屋へ(41頁)
定年を迎える頃になると、そろそろ子供たちが独立し始めます。子供部屋は、主のないままの状態になっていることが多いのではないでしょうか。その場所を居場所と決めます。
最も快適な空間である居間とその中心にある玉座を奪おうなどという野心は一切捨て去り、奥方がそれまで通り家長として振る舞うのを邪魔しない。
(この本を読む前に実践済みで、全くその通りで感心しました。確かに、居間にいるとテレビづけになり、かみさんにもあれこれ話しかけられるので、本を読んだり、パソコン操作をすることができません。そこで、空いている子供部屋に移ったら実に快適であることがわかりました。)
●免疫力(106頁)
失われた機能ばかり嘆いてばかりいるという、後ろ向きの姿勢は悪循環をもたらします。精神免疫学の分野では、前向きに生きている人のほうが免疫力は落ちないし、むしろ高めることができるとされています。ガンの発生も少ないし、感染症にもなりにくいのです。
●ボケ防止(118頁)
例えば、テレビを観ていたりして出演者の名前が思い出せないといった時、何とか思い出そうと努力する人、思い出すまで気になって仕方がないという人は、記憶力が急激に落ちることはありません。
●ブランド品(162頁)
本来、ブランド品は大人のためのものです。
ある程度、経済的な余裕もあっておしゃれにも贅沢ができるという年代になって初めて、ブランド品を付けても違和感がなくなるという気がするのです。実際、ヨーロッパなどでは20歳前後の女性がルイ・ヴィトンやエルメスのバッグを持っているのを目にすることはまずありません。
●自惚れ屋は伸びる(168頁)
伸びる人間は例外なく、自惚れ屋という面を持っています。時にそれは生意気とも、傲慢とも映ることがありますが、押えつけてしまうと伸びは止まってしまいます。
●インターネット(190頁)
私にとって一番役に立っているのはインターネットです。本を書くためにいろいろな情報を集める際など、インターネットは極めて有効です。検索機能が充実していますから、必要な情報が過不足なく収集できる。
(昔は、辞書やら、カタログやらを集めて、調べていましたが、今は大体のことはインターネットで間に合います。)
●��間体(210頁)
〝他人の目〟は思っているほど自分に向けられてはいないものです。
世間体など、過去の栄光やら業績やらにしがみついている人間が、自分を守る隠れ蓑として持ち出す言い訳でしかないという気がします。
☆関連図書(既読)
「定年漂流」西田小夜子著、小学館文庫、2005.10.01
「定年後」加藤仁著、岩波新書、2007.02.20
「おひとりさまの老後」上野千鶴子著、法研、2007.07.12
「老いの才覚」曽野綾子著、ベスト新書、2010.09.20
(2012年5月10日・記)