投稿元:
レビューを見る
バリを愛し、バリの芸術、芸能に多大な影響を与え、ケチャ・ダンスを創始して、今も世界中の人々を惹きつけるバリのイメージを創り上げたロシア生まれのドイツ人画家ヴァルター・シュピース。何の因果か同盟国日本軍の爆撃により47歳で閉じられた、彼の波乱に富んだ生涯が、多数の図版とともに描かれています。バリを訪れる旅行者みんなに読んで欲しい本です。
バリに多大な影響を与えたシュピースですが、彼がバリに遺した絵は「チャロナラン」という題名の初期作品一枚だけで、寂しい限りです。この小品を展示しているウブドのアグン・ライ美術館には、彼の絵を撮影した色褪せた白黒写真が、バリ絵画と同列に並べられており、画家に対するバリの人たちの特別な感情を感じました。バリの自然を描いた不思議に懐かしい絵の写真の中には、現存しない遺作の写真もあり、もし戦争がなく、画家が生きていたらどのような絵を描いたのだろうかと考えてしまいました。
投稿元:
レビューを見る
これは大学の授業の参考資料として購入。しかし、この本は私のこれまでの観念をすべて覆しましたね。文化文化と言うけれどそれは所詮人によって作られたものなんだということを知りました。バリ島芸術も、人々のステレオタイプなバリ島、観光客が望むバリ島像をもとに、その望みに沿うよう作られた物である。その事実に少なからず衝撃を受けました。私が今まで大事にしてきた文化って一体なんなのかともう一度考えさせられた。
投稿元:
レビューを見る
シュピースのビジョンには驚かされる。
バリのユートピア的で調和のとれた美と聖の要素、凄く魅力的に思えた。
選ばれた少女がトランスに入りこみ高度な踊りを何時間も集中して踊り続ける、という儀式に興味を持った。
バリブームをつくった一人である彼の功績は凄い!
投稿元:
レビューを見る
[ 内容 ]
バリを訪れた人々を惹きつけるバリ絵画、ケチャ・ダンス、バロンとランダの闘争を中心にした呪術劇チャロナラン…。
これらはロシア生まれのドイツ人がバリ人と共につくったものだった。
彼は自ら絵を描き、写真を撮り、チャーリー・チャップリン、コバルビアス、ミード、ベイトソンらの案内役をも務めている。
そして、日本軍の爆撃により四十七歳で不思議な生涯を閉じた。
最良のものをバリに捧げた男の人生をたどり、“美と祝祭の島”“陶酔の島”の秘密に迫る。
[ 目次 ]
第1章 世界を魅了する島
第2章 シュピースとバリ・ルネッサンス
第3章 バロンとランダの永遠の闘争
第4章 創造の新しい方法と練金術
第5章 シュピースの死と再生
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
投稿元:
レビューを見る
彼が作ったが、それはリスペクトして本質を抽出して編集した作り方だった。
バリに西洋的芸術思考と技を伝えた
バリ芸術の、日常の中の祈りと劇場国家、自然と生命と超越的な力を感じるトランスする祭
時術劇チャロナランとバロンダンスとケチャの関連
投稿元:
レビューを見る
2021/07/18読了
「芸術の島」「神々の島」と呼ばれてきたバリ島。その文化や芸術を愛してジャワに移り住み暮らしたドイツ人画家ヴァルター・シュピース。
シュピースの思想や表現、生涯を描きながら、バリの芸術を紐解いて解説している。