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キャピタルダンス みんなのレビュー

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紙の本

分散コンピューティグシステムは面白いと思った。

2002/11/19 22:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:eisaku - この投稿者のレビュー一覧を見る

「キャピタルダンス」井上尚登 著を読んだ。1997年から2001年の近年のITバブル下の東京が舞台設定になった経済小説だ。米国で「ビル・ゲイツを振った女」という異名を持つ中国系女性ベンチャー社長のアオ、林青リンチンがこの物語りの主役であり、マイクロソフト社が提示した5000万ドルの買収に応じなかった気骨ある起業家でもある。世界で最も速くてクールな画期的検索エンジン「タコボール」を開発したものの運転資金が集まらずアオは苦闘する。それはアオの会社の乗っ取りを画策する者のワナであり、サーバー室の放火や悪質なうわさを業界に流し、序々に資金確保が苦しくなるようにし自身が出資者でありながら擬装企業から、迂回して資金援助するというようなワナが何重にも巧妙に仕掛けられていたのだ。

この乗っ取り劇の本来の目的とは、アオが次に計画し開発を進めている分散コンピューティグシステムであった。これが完成されれば誰もが自由に利用できるのである。アオは公開してインターネットの恩恵をすべての人に行き渡らせるつもりである。DNAの解読や貧しい国や研究機関でも大企業や国家プロジェクトなみに研究ができるようになるのだ。アオたちは開発の非営利団体NPOを組織して、システム開発のボランタリーセンターとしての機能を担うだけで会社がシステムを独占することはないのだ。しかしコンピュータ業界の囲い込みを画策する者にとっては大きな脅威となる。そのためにアオたちが概念を確立した時から何年も乗っ取りの機会をうかがっていたのだ。

この乗っ取りの攻防を軸に物語が展開する。最終的にはインターネット時代らしい結末となるのだが。面白かったのは当時の雰囲気をよく表していることだ。物語の主人公のアオは米国でコンピュータを学び会社を起こすが、いちど潰して日本に戻って再度チャレンジして「タコボール」で成功を収めるが、日本社会では女性ということで軋轢を感じている。この林青は本当にいそうな人物である。また検索エンジン「タコボール」の名はアオの父親がたこやきを売って生活を守ってきたことからついた。その生活の中から資金ぐりに苦しんでいる娘のために100万円を送ってくるあたりなど思わずほろっとさせる。

またギークたちのひとり、伝説と呼ばれるスキルの高い若者がチャット荒らしを繰返す中でアオたちと出会い「世界があなたたちを待っている」という言葉に、自分の考えるシステムを開発することで自分の居場所を見つける。またアオが中国の李財閥の跡取りであることがわかるが、自身の会社の未来と引換えに中国財閥の跡取りと巨額の全財産の権利を放棄し、逆に乗っ取りを画策する企業へ乗っ取りを仕掛けるなど、ちりばめられたエピソードも半分ぐらいはありそうだと思った。
著者はベンチャーキャピタリストらを丹念に取材し、現実との境界線を感じさせないような設定がされている。小説に登場するビル・ゲイツ、マイクロソフトなど実在する企業や人物がイメージされ、それらの会社がどのような動きをしていたかを知っていると一層楽しめる。分散型のコンピューティグシステムとNPOの取合せは夢見ていることなので一番こころに響いたことだった。特にインターネットのことに興味のある人には一気に読める本だと思う。

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紙の本

和製アーチャー?!

2002/08/15 02:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:菅野 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「T.R.Y.」の井上尚登の最新作。
 難を言えば、起承転結の転が慌ただしく、結が尻切れトンボになっているような感じではある。そして、経済小説と謳ってはいるが、コンゲームに重点が置かれているようだ。前作「T.R.Y.」もコンゲーム小説だったが、このジャンルにはジェフリー・アーチャーがいるので、それと比べてしまうと少し褪せて見える。しかし、ベンチャーを扱うこととネットで知り合って起業するというような部分で従来の経済小説の読者とは違った層を捉えられたのではないかと思う。
 ベンチャーを扱ったものといえば、1985年のテレビドラマで「華やかな誤算」というものがあったが、起業のダイナミックさでは「キャピタルダンス」のタコボールの方が規模も大きく派手なのだが、ドラマとしては「華やかな誤算」の方が見せてくれたと思える。ベンチャー企業内での仲間内でのドロドロした愛憎なども描けていればよかったのではないかと思うのだ。キャラクターの性格付けが単純で、まるでマンガの主人公のようにデフォルメされているのだ。
 本作「キャピタルダンス」は、起業や企業買収などについて取材の成果は大いに認められるのだが、ドラマ作りも骨組みはよくできているのだが、後半で息切れしたのか、種明かしの段階では、それまでの盛り上がりに水を注すような興醒めする終わり方だった。あらかじめ決められた結末に向かって一直線という無味乾燥した終わり方だったのが残念だ。
 しかし、現時点でエンタテイメントしているコンゲーム小説を書く若手がほとんどいない現状では、彼に次回作でも新しい取り組み方で和製アーチャーと呼べるような作品を仕上げて欲しいと思う。

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紙の本

ネットビジネスベンチャーを立ち上げる日中混血女性の闘い

2002/03/17 18:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:格   - この投稿者のレビュー一覧を見る

 シリコンバレーで2つのネットビジネスを立ち上げたものの結局は失敗.日本で3つめネットビジネスベンチャーを立ち上げようとする日本,中国の混血女性,林青(リンチン)が主人公.高騰した株を売って大金を得れば,あとは悠々自適というのではなく,あくまでビジネスの遂行を図る.

 一つ目の会社は無料メールサービス,2つめがPtoP,3つめが逆リンクの数で重要度を図る検索エンジン(Googleに謝意を表している).いずれもインターネット界での超重要技術である.これらをすべて,一人の女性が自身のアイデアで立ち上げるという設定は多少,無理がある.しかも,一つ目のビジネスはビル・ゲイツからの買収提案を蹴ってしまう,という.まあ,ありえないことではないが…。ホットワイヤード等実名がかなり使用されている.この類の本には珍しく,コンピュータ,インターネット技術に関しての記述がかなり正確なので許しておこう.

 ただし,ナビゲーションズはナビゲータの間違い(P.92),また,肝心の株,出資の説明にも誤りがある(P.180).おそらく4倍の20万円に設定しないと意味として通らない.

 この主人公の性格はハードボイルドの主人公並に,厳しいものがあるが,好感はもてる.『パイオニアは評価されなければいけない』と言って,家には野茂のポスターを貼る.『なにかネットの世界がひどくつまらなくなっていることもある.だから,嵐を起こしたい,ネットの中で商売をしているのに矛盾しているようだが,ビジネスではないムーブメントを青は起こしたかった.』ということで,ある目論見をもつ.これまた,今のインターネット界における注目の技術だ.そして,買収騒動に巻き込まれ,なかなか出資を得ることができない.急転直下の投資からビジネス立ち上げの成功のくだりは,実際にもそんなものなのかもしれないが,この点はちょっと安易.

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紙の本

2002/04/01

2002/04/18 22:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る

 1990年代、多くのネットビジネスが生まれ、行き場のないカネがブラックホールのように吸い込まれていった。いわゆるネットバブルである。2001年秋、ネットバブルは弾け飛び、市場は冷ややかな目で若きベンチャー起業家たちを見るようになった。
 本書は、乱れ飛ぶ資金と思惑の中で、情報技術(IT)の世界を一変させるアイデア起業に挑んだ女性を主人公とする経済小説だ。横溝正史賞の受賞歴を持つ井上尚登氏は、実際にネットバブルの時代を駆け抜けた起業家、ベンチャーキャピタリストらを丹念に取材。現実との境界線を感じさせない設定で一気に読ませる。
 米国で「ビル・ゲイツを振った女」という異名を持つ日本生まれの中国系女性・林青リンチン。マイクロソフト社が提示した5000万ドルの買収に応じなかった気骨ある起業家である。
 2度の失敗の後、林は日本で「世界で最も速くて世界で最もクールな検索エンジン(インターネットを検索するためのシステム)」を展開するベンチャー企業の立ち上げに挑む。日米から投資会社、ビジネス・パートナーを得て、林の会社は東証マザーズでの株式上場にまで上りつめるが…。
 成功か、無一文か。推理劇としてのどんでん返しも楽しめる1冊。
Copyright (c)1998-2001 Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

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2003/02/14 00:30

投稿元:ブクログ

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