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カトリック系(だと思う)の女子高生たちの思い。学生生活や青春と呼ぶのは少し違う、萩尾望都さんの「トーマの心臓」が頭を過ぎった私なのですが……なので、私が感じたのは、普遍的な愛、かな。
可愛い容姿で愛想も良く、けれど、どこかつかみどころのない那由多、何事にも泰然として自分の世界の中にいるような翠、恋に盲目になっている良家のお嬢様、淑子。それぞれ3人の外界との関わり方と内面。
こういう、他者が受けるイメージと、当人が「これが私だ」と思っている自分との差異を書かれている話が好きです。
イメージとのギャップを埋められなくて息苦しかったり、心地よかったり、演じているうちにそれが本当の自分になってしまったり。
しっとりとした話でした。というか、三浦さんが学生を登場させると、情景描写がなんであれ、どこかしっとりとした、それこそ、図書準備室のような、ちょっと重たい空気と黴臭い匂いのようなイメージを受けます。懐かしいような、息が詰まるような。
このお話、私は好きです。
なので、さらに司書の方のお話も読みたかったなー。
三人のこの後に幸あれ。
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繊細と危うさ、聡明さと愚かさがふわふわと混在している。
大人でも子どもでもないこの頃のアンバランスさって、いつのまに修正されていくのだろう。
図書館の先生が気になる。
”大人”な彼女の話も読みたかった。
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お嬢様女子校に通う3人の話。
高校生の時感じた雰囲気、自分の感情がコントロールできない微妙な気持ち、一線を超えてしまうと闇に落ちてしまいそうな危うい感覚がうまく表されていると思った。
そして、読み進めるうちに何をしでかすか分からない登場人物に恐怖を抱いた。
つかず離れず、いい感じの距離感でお互いを思う翠と那由多の関係が羨ましい。
引用に入れた表現が、面白いなと思った。
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女子校特有の閉鎖的かつ、それぞれが親密な関係を築こうとしている必死さみたいなものがすごく上手く表現されている。
あとがきで作者自身も書いていたけど、やっぱり魚喃キリコの「blue」を連想せずにはいられなかった。
私自身も思春期を女子校で過ごしたけど、ここまでの実感はなかった。
ただ、社会に出てから振り返ってみると、やはり同性しかいないあの空間は、ある意味において異質で、なおかつ貴重な場所だったような気がする。
三浦しをんの作品にしては珍しく(?)低い温度のストーリーに感じた。
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女子高は、やはり秘密の花園なんでしょうか?ミステリアスな美少女と可愛い少女と普通の外見の少女、それぞれの思いや行動。呼び方、呼ばれ方で相手との距離間がわかるそういう時代・・・確かにあった。
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三人の女子高生のお話。
繊細でどこか危うささえを感じる多感な年頃の心の内がよく書かれている。
(といっても本当の女子高生の心の内を知るすべはないのだけど)
三人それぞれが違った個性を持っており、三人の視点で物語が進んでいく。
男から見ると人気順としてはおそらく、翠、那由多、薫、じゃなかった淑子かな。
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女子高が舞台の3人の少女のオムニバス。他人から見た目線と内面のズレがパズルを嵌めるようで面白かったです。1・2話のラストの、少女の吹っ切った行動にはらはらしながら、しがらみは断ち切れた?とすっとする部分も。3話目は、まさしく花園だ…。タイトルに一番適ってる気がしました。自分が高校生の時、こんな周囲を見てなかったなぁ、と今にして思えば軽く勿体無く感じてしまいました。
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少女たちの脆さと芯の強さと儚さと秘めているもの、
彼女たちが一人の個体となってここに存在していること。
カトリック系の学校に通う3人の女の子たち
幼い頃のつらい記憶と今も一人で葛藤している那由多
教師との恋に溺れ勝手な妄想と年頃ならではの自意識に空回りして姿をくらます淑子
人に関心がなく冷たい態度をとってしまう自分を恥じていながらも那由多に思いを寄せる翠
那由多のは切羽詰まっている感じで息がつまりそうになる!
それぞれ思っていることも感じていることも違って
おもしろ~い。
淑子は自殺しちゃったのかと思ったけどそうでもないみたい。
少女の危うさがひしひしと押し寄せてきて
当時はすごく重大なことだと思い込んで
そうやって悩んでいつの間にか成長していくんだなあと。
話の重さとあとがきのあっさりしているのが
なんだかギャップに安心したw
なかなかおもしろーい)^o^(
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三浦しをんさんの作品はこれが初めて。少女視点じゃ違和感があるかもしれないけれど、個人的には好きな文体。
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図書館にて。
繊細で危なっかしい女子高生3人の物語。
あとがきにあるとおり、3人はたくましく生きていくと思うけど、平岡先生は救いようがない。
淑子はこれに懲りて、ああいう男にひっかからないように生きていってほしい。
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横浜のミッション系女子高に通う3人の女の子が、それぞれの悩みやトラウマを抱えつつ生きていく話。
読後感がどうにもよくない。なんだか不安になって終わってしまった。筆者自らのあとがきを読んで少し救われたけれど…。
女子高ってあんなに窒息しそうじゃなかったけどなぁ。もっとサバサバしてた経験を持つ私にはちょっと共感できなかった。
吉田秋生の櫻の園っぽい作品ではありました。
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ナユタとスイ。
ここまで巧みに綺麗なことばで会話しあう少女たちがいるだろうか。
私は先生と恋に落ちたわけではありませんが、
淑子の気持はよく分かります。
なぜ女はある特定の男性1人のことで頭がいっぱいに満たされてしまうのでしょう。
相手は決してそうではないのに、第三者から見るととてもむないしいことなのに。
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三人の女子高生たちの日常。
若さ故の熱狂などそこには皆無だ。
彼女たちのうちに秘めた衝動が緊張感を生み出している。
音が聞こえない小説だ。
女子校といえば、女の子達の教室ではしゃぐ声で溢れているはずなのに。
それぞれの女の子たちの心の叫びが、ピーンと張り詰められて、そこには音の入る好きすらない。
彼女たちの心は時に冷ややかに、時に振れ幅も大きく。
静かな湖面に、一滴のしずくが落とされて、湖面全体に波紋が広がるように。
それぞれの女の子のうちに秘めた一見たわいもない事件が動いてしまう。
オイラは男だけど、高校時代といえば、学校内に気の置ける友人が一人もいなかったので、彼女たちの心情がとても理解できる気がする。
大人に至る過程の中のごく短い一時期を、抑えた筆致で描いていて、味わい深い。
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多感な年頃って自分の世界がとても狭くて、だからこそ抱える闇の深さにはまって底のない沼に落ちたかのような絶望感に陥ってしまう。世界はもっともっと広くて自分のそんな闇なんて本当にちっぽけなんだって気がつくのは一体いつだったろうか(ああでも那由多の場合はちっぽけでないけど)。那由多、翠、淑子、3人の心の奥に潜む秘密。那由多と翠の関係性が特に良くてかなり好き。男が決して入り込めない女子同士の、妙に確立した世界観がこの二人にあって読んでいてうっとりするくらい良かった。あとがき冒頭の小さなお話が可愛い。 (2011年9月読了)
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三篇の関連した短編?中編?からなる物語。キリスト教女子高でのちょっと輪から外れた少女三人の青春σ(^_^;)?ではないな。モヤモヤした悩み、イライラ、閉塞感、無力感、友達との距離感を描く。
・母の死、閉塞感、無気力と対処
・高校教師との恋、友人との距離
・産まれなかった兄への偏執、殻に閉じこもる性格への自己嫌悪
の三篇。
あまり爽やかさはない。一篇目は読んでて辛かったが、二篇目からはペースにはまり、すらすら入り込んだ。三篇目はどっちがどっちだか読んでて混乱。少々読みにくかった。
考え方、想い、悩む。モヤモヤした感じで答えを探している様は人間らしく美しいと思います。
聖書の逸話は勉強不足でいまいち理解できてない。