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『英国紅茶の館』で紹介。著者によると、「現在私達に与えられている英国紅茶の最も基本的な知識は出口保夫、春山行夫、荒木安正、各氏の御著書からうかがいますと、・・・」と書かれており、この3名の著作は是非とも押さえておくべきかと思った。
本当に素晴らしい本、というより題名通り、「バイブル」。紅茶について知りたければ、この1冊でほとんど足りると思う(個々の茶葉について詳しく知りたい場合、茶葉や水色の画像がないのでそういった点はある程度他の本で補わなければならないが)。一通り勉強した後、引き続き定期的に紅茶に触れる方はこれだけ一冊持っていれば必要な時に不明点は事足りる。
10年前の書籍ではあるが、古さは感じられず、現在でも充分通用する。
紅茶について、歴史はもちろん、協会、貿易、税金(関税)の仕組み、ビジネスの構造、果ては化学式まで網羅してある。インドのタタグループがテトレーを所有しているとこの本で知った時には驚いた。
マナーや歴史についても、一点のみ「これはこう」と断言しているのではなく、こういった背景からこういったエピソードがある、と様々な説が詳しく述べられてあり、紅茶について様々な(英語も日本語も)資料を参考に研究し尽くされたことがうかがえる。まさに紅茶の奥深さが実感できる。
オープニングに、英国で有名なジェーン・ペディグリー女史のやや昔のお写真が背景出来たのも嬉しかった。