紙の本
この物語が終わるまでは…
2003/01/09 02:38
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投稿者:まさこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『この物語が終わるまでは絶対に死ねない…』
久しぶりに魚住くんシリーズを読み返してたら雑誌掲載時にそう決意してたことを思い出した。
死ねないし、『全部リアルタイムで読むのだ!』とも決意してたっけ。
誌上掲載されるのをじりじりと待ちながら生活していたときは、スリリングでドキドキでさ〜、あ〜ホントに楽しかった!(いや、今だって生きてるのは楽しいけどさ 笑)
そう思って生きていたときの、この物語に出会えてうれしいぃぃっって思ってたときの「生の充実感」の記憶は熾火のように残っていて今も私の静かだけど、絶対に尽きないどこか深いところからやってくるエネルギーになってる。
そして、魚住たちの物語にエンドマークがついてしまった今でも、魚住たちは刻印のように私の中に住みついてしまって、私の日常のふとした時間に彼らが訪れてくれる。それがなんでだか知らないけど私を幸せにする。
なんで幸せにしてくれるんだろ? わかんないけど。でもわかんなくてもいいや。だって魚住たちが私を幸せにしてくれるのはホントのことだから。それでいいんだもん。
文庫でこのシリーズを読み始めた人はきっといっきにこの巻まで走ってくるんだろうな。でもって読んでるあいだじゅう「全巻読むまでは死ねない(眠れない!?)」って思うだろうなぁ。
紙の本
これからもどこかで
2004/02/13 20:39
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投稿者:ゆそか - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当によい話でした。
もう終わってしまうのかと思うと寂寥感が…。
恐怖から逃げない、傷ついても自分独りで恐怖と向き合うことを止めない。好きな人たちと離れることでその存在を失うかもしれない、それを怖れている自分に気づき、そんな弱いとすら思える自分を見つめることを止めない。それは彼の強さでした。
どんなに傷つくことがあっても折れることなく、むしろ強くしなやかに伸びていく彼から目を話すことができませんでした。
これからもどこかで、そうやって存在しているような気がします。
彼がそうやって生きていく限り、彼の友人は彼を愛しつづけるでしょう。
このシリーズから教えられたことがたくさんありました。このシリーズを通して、人間同士ほんとうに分かり合えることは少なくて、でもだからこそその繋がりを断つべきではないのだと感じました。
紙の本
ずっと続いていく物語
2002/05/21 02:46
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投稿者:えんじゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る
魚住くんシリーズ完結編。
ようやく久留米と恋人同士の関係になった魚住に、アメリカ留学の話が持ち上がる。いまだにさちのの死の影響からのPTSDが、彼を襲う。不安に苦しむ魚住と、なにも出来ない自分の存在に苦しむ久留米。
淡々と書かれているけど、心に深く残る文が、ちりばめられていて、涙が何度もあふれた。
避けられない「死」と、人が生きていくこと。生きることは辛いけど、一人で生きていく、でも決して孤独じゃない。歩いていくのは自分の足だけど、誰かにすがってひっぱってもらって歩くわけじゃない…。
「おまえがいなければ、この世界は存在しないのよ」という言葉を読んだとき、生きてていいんだって自分も救われる思いがした。
この物語は、魚住が人として自分自身を獲得して、生きていけるようになるまでの話だけど、同時に読み手の心も再生していくような物語だった。
魚住や、久留米、マリやサリーム、ほかの多くの登場人物たちが、どこかで今日も生きてるなんだなあって思うと嬉しくなる。
BL系のジャンルに入る小説だけど、ジャンルなんて関係なくおすすめしたい小説。
紙の本
とうとう最終回…名作でした
2002/04/18 19:24
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投稿者:smile - この投稿者のレビュー一覧を見る
ボーイズラブの名作、魚住くんシリーズも、とうとうこれで最終回。名残惜しいような、もういいよと言ってあげたいような… 色々な気持ちが複雑に入り交じっています。榎田さんの著作はどれもみんな「上手でハズレなし」というのが正直な感想なのですが、この魚住くんシリーズはなかでも別格。キャラクターが本当にどこかで息をしていそうなリアルさと、綺麗に作り上げられたファンタジーのような要素をあわせ持った、とても心地よい作品。主人公・魚住くんの持つ透明感と、久留米のガサツだがおおらかな存在感、マリやサリームら名傍役達の雑多でやさしいスパイス… 料理にたとえるならポトフのような、やさしくて逞しくて繊細な味のするシリーズでした。壮絶な過去やトラウマを背負う主人公なので、「そういう湿っぽいのはダメ」という方にはあまりお薦めできませんが、そうでない方にはぜひとも!ご一読いただきたいと思います。強力推薦のシリーズでした。
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魚住は、とてもきれい。この本が完結しても彼らの日々が続いていくことが、当たり前だけどすごくうれしい。何回でも読めるシリーズでした。
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1〜5巻イッキ読み。これでデビュー作なんだから、榎田尤利はスゴイなぁ・・・と。久留米ったらイイ男だし、マリちゃんは素敵だし、サリームのカレーが食べたいし。ラスト、魚住くんが幸せそうで嬉しかったよ。うー、読んでよかった!!
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雑誌掲載で読んで以来忘れられず、数年後文庫化してるの発見して大人買い。舌の上のクリームって単行本収録ないんでしょうか…………?
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一巻から読んできて、とても感慨深いです。なんだかキャラクターたちと長いお付き合いをしているようでした。
私もゆるゆると繋がっていたいなあ。人と。
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ジャンルとしてはBLですが、主人公の人間として成長していく様を描いています。読みやすくてとても面白いです。
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ようやく久留米と恋愛関係になった魚住にアメリカ留学の話が持ち上がる。いまださちの死の影響が大きくPTSDと闘う魚住は大きな不安を覚えるが、久留米との恋が彼の中の何かを確実に変えていた…。幸福も不幸も、出会いも喪失も、強さも痛みも…すべてを見つめる静謐な眼差しの物語、感動の完結。
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【あらすじ:ようやく久留米と恋愛関係になった魚住にアメリカ留学の話が持ち上がる。いまださちの死の影響が大きくPTSDと闘う魚住は大きな不安を覚えるが、久留米との恋が彼の中の何かを確実に変えていた…。幸福も不幸も、出会いも喪失も、強さも痛みも…すべてを見つめる静謐な眼差しの物語、感動の完結。】
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2010.02.20. 最終巻まで一気読みしてしまった。魚住くんシリーズの中で、1番好きなタイトル。開放感がある。幸せになるんだよ、なれるよと思いながら読む。
2005.10.09 最終回なんだけど、終わった気がしない。きっとどこかでみんな生きてる気がする。「夏の子供」は、違う視点からみんなが描かれてて、新鮮だったな。実際の施設って、今増えてるしどうなんだろう?なにより、幸せになってるふたりがよい◎
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中学時代、この作品が大好きだった。(掲載されていた雑誌は、今は中学生がひとりで買えない類のものらしい。私はいい時代に育ったなァ)
胸が痛くて、呼吸が苦しくて、涙で文字が読めなくなって、それでも先へ進んだ。
生きるということは、こういうこと。どういうこと?こういうこと。
何度も何度も、悩みながら読んだ。苦しみながら読んだ。
大好きだった。
それでも、忙しさや、何だか満ち足りてしまった気分のせいで、当時は3巻で読み止めていたのだ。(ふたりの関係が変わってしまうのを見るのが、怖かったのもある。)
最近になって1~3巻を改めて読んでみて、改めて「好きすぎる!」と気付いた私は、慌てて4・5巻も買い揃えた。(出版社がなくなったみたいでちょっと哀しくなってしまったが、少し余計にお金を出せば手に入るのだ、自分もそれができる歳になってしまった。)
私の中で、10年かけてやっと、この作品の終結を見つめることができた。
私はあの頃から、少しは成長できただろうか。まぁ、歳だけは平等に食ってきた訳だが。
久留米や魚住やマリやサリームのように、誰かに優しくできているだろうか。
るみ子や響子ちゃんのように、自分らしく生きようともがけているだろうか。
あの頃から10年経った私は、今でもまだ彼らの生き方に感動し、憧れ、羨ましく思う。愛おしく思う。
彼らが、本当に大好きだ。
彼らを生み出してくださった、聖母・榎田氏に心からの感謝を。
~そして今日もどこかで、物語は続いているのだ。~
今日は一日、この余韻にぼぅっとしている。
!あまりにあっさりすっきりした結末に、青空に放り出された気分になった私は、
結局、ハードカバー上下巻もI'm homeも注文してしまったのだった。
現在、発送待ちちゅう。!
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「すべてを見なさいと、彼の養母は言いました。辛い光景も、美しい光景も、それが自分の周りで起きたことならすべてを見て、泣いたり笑ったり憎んだり許したりしなさいと」
内容紹介です。
ようやく久留米と恋愛関係になった魚住にアメリカ留学の話が持ち上がる。いまださちのの死の影響が大きくPTSDと闘う魚住は大きな不安を覚えるが、久留米との恋が彼の中の何かを確実に変えていた…。幸福も不幸も、出会いも喪失も、強さも痛みも…すべてを見つめる静謐な眼差しの物語、感動の完結。
ついに終わった…か。
けれどなんというか、すごく綺麗な終わり方だな。
魚住がアメリカ留学を決めて、別れのシーンも、決心したことを伝えるシーンも、そして再会のシーンすらない。
なのに、心が繋がっていることがはっきりとわかる。
幸福に満ちていることがよくわかる。
ああ、よかったなぁと心から思える。
そんなラストです。
これまでは魚住の辛さに引きずられる形で、冷たい涙を流したりしたけれど、この巻はすっごく温かい涙が流れます。
ふ、と微笑みたくなる感じ。
魚住から人の話が聞きたい。なんて言葉が出るとは思わなかった。
魚住も成長したんだなぁ。ようやく幸せになれたんだなぁと嬉しくなります。
これから先もきっといろいろあるんでしょうけれど、それらのひとつひとつを見て、感じて、苦しんで、そして昇華していくんでしょう。
彼はとても強いから。
その傍にはたぶん、久留米がいて、同じように苦しみながら同じ方向を向いて、生きているんだと思います。
本当、幸せ。辛さや哀しさを乗り越えた後の幸福であるからこそ、ここまで幸せなんでしょう。
最近のBL作品は読んではいないけれど、「BL」という言葉が今ほど定着しておらず、市民権を得ていなかった時代を知っている私から云わせてもらえるのならば、たった一言。
これがJUNEです。
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魚住くんの周りには本当にすてきな人たちが集まってくる。
久留米しかり、マリちゃんしかり・・・
そんな人たちに見守られながら、魚住君はしっかり一人で立っている。
でも、そんな人たちを引き寄せてくるのは、他でもない魚住くんなんだろね。