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1章 家族療法から短期療法、そして物語療法へ―家族療法の歴史と展開
2章 パニック障害
3章 抑うつ
4章 摂食障害
5章 複雑で難解な事例
6章 児童虐待
7章 不登校
8章 非行問題
9章 スクールカウンセリング
*事例を中止に家族療法、特にポストモダンの流派について述べている。技法の解説なども載っていたが、コンプリメントで具体的にどう言葉をかけたか等は載っていなった。
「オリエンテーション・クエスチョン」や「ユニーク・アカウント・クエスチョン」などはインタビューをする時のテクニックとして使えるだろう。またスクールカウンセリングなどにも家族療法は応用できるとのこと。
その意味でシステム論はコンサルテーションの一部と考えられるとのこと。
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図書館で見つけて。
「エレガントでブリーフな」セラピーである家族療法・短期療法・物語療法を事例をもとに概論的に紹介。
これら療法に特徴なのは、問題の原因を突き止め、それを根絶するのではなく、問題と症状の循環・相互作用を断ち切り、解決に焦点をあてる。そこには、コミュニケーション理論とシステム理論がその根底にある。
したがって、循環を断ち切るための「例外」さがしが鍵になる。セラピストの役目は治療というより、解決につながりそうな「可能性を広げる」ことのように感じる。それが本人の行動を変えることや、システムを構成する周囲の人間の行動を変えるという具体的な治療の形をとっている。
臨床心理とはひとの主観的世界を扱うということがとてもよくわかった。本人の見える世界が変わらなければ何も変わらない。ひとは見たいものしか見ない。池田さんは言っていた。そのために時にこれら療法では、嘘・演技が用いられる。ソクラテスの言っていた嘘の効用を改めて感じた。
対話を通じてこうしたことを瞬時に考え、クライアントや関係者とのラポールを壊さぬよう適切に伝え、なおかつ短期間でやってのけるセラピストのすごさを知った。
ただ、主観世界を扱う以上「例外」を「例外」と、「問題」を「問題」として認識していなければこの療法は成り立たない。シュランガーはダンスに誘うようにと言っているが、その辺のことがもっと知りたい。
また、掲載されている事例だが、紙面とプライベートの都合上、どうしても状況が掴みにくかった。
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ところどころ、日本語として分かりづらい記述はある(著者陣は小説家ではないので仕方ない)が、
書籍の大半は、実際の(細かいフィクションを含んでいるようだが)症例に対して、どういった方法を用いて、それがどのような反応となった
ということが記述されているので、私のような初学者にも、理論の運用やそのタイミングなどが理解し易い。
テクニックとしては、行動変容へのアプローチにも用いることが可能と思われるので、自身の今後の実践に是非役立てたい。