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紙の本
金子達仁という料理人
2003/01/24 22:33
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投稿者:ヒヨちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
金子達仁というライターを御存知だろうか? 私は名前だけは記憶にあった。名前は聞いたことがあったのだが、手にとって本を開いてみるということをした事のない著者の一人だった。理由は簡単。私はサッカーにもスポーツ関係の対談にも評論にも興味がなかったからである。
この本は金子達仁というライターと、馳星周・野田秀樹・平尾誠二・三谷幸喜などの各界のそうそうたる面々との対談集である。とにかくこの本の目次を見て、彼がどのような人と話をしたのかをみてみて欲しい。それで興味がわかないのなら、敢えてこの本を勧めはしない。勧めはしないが、この面々の中の一人にでも興味の持てない人とはどんな人だろう、その人と会って話をしてみたい、と変な興味まで抱かせる。そんな面々である。書名にもなっている「ターニングポイント」とは【彼等が今の彼等になったのは、なるべくしてなったわけであり、その人生の中にはその分岐点があったはずである】という、著者の彼等に対する切り込み点であり、対峙する際の1つの視点でもある。
この本は読みやすい。読みやすく、世界に入りやすく、わかりやすい。文章というものは第三者に読まれることを想定して書かれるもの、という事を考えれば当たり前であるが、その当たり前の事を敢えて挙げたくなる本である。そしてライターが魅力的である。著者の対談相手が魅力的であるのは、その顔ぶれを見ればある意味当たり前であるが、その対談相手に対峙するライターの「羨望」「嫉妬」「驚き」「戸惑い」「後悔」これらの心の動きが魅力的であり、対談相手の魅力に負けていないのだ。彼等は材料として一流である。それだけでおいしい。だからこそ難しかったのではないだろうか。金子達仁という料理人は、これら一流の素材を、自らの視点や思考や思い、また変化してゆく自己をもをスパイスとして、読者の前に差し出してみせた。読者は彼らの話を読みながら「金子達仁」を読んでいるのだ。
<出会いという化学反応>こんな言葉が頭に浮かび上がった。
金子はこの人達に出会って、明らかに変化をしている。ならば、金子と出会った人々はどうであったのだろう。そんな、この本の外の世界にも思いを馳せてしまう一冊である。
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