紙の本
コラム風。
2019/06/25 21:21
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投稿者:雨宮司 - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後感はまったく異なるのだが、読み始めた時には中村雄二郎『術語集』を思い出した。おそらくはキーワードに基づいて一定の文字数で香山氏自身の見解を説明しようとする姿勢が似ているのだろう。さすがに二十年近く昔の新書だから、記述や見解にも随分古びたところがある。詰めが甘い記述もある。それでもこの本を推すのは、何とかして若い世代を理解したいという思いと、あくまで香山氏自身の周囲の事象から話を説き起こしたいという基本スタンスがずれていないからだ。時代は移った。今、再びこの様な本を出してくださることを願う。
紙の本
「若者」を見つめる「オトナ」の法則
2002/05/09 10:09
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投稿者:ちひ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「元・若者」という自覚のある香山氏が「若者」じゃない側から「若者」を観察したときによく感じられる「よくわからない」という言葉の内容やその克服法の模索について、「若者」をさらによく観察・考察して書いてくれています。章立てが細かく、4頁未満の文章しかありません。「若者」に対する観察眼も考察も、そして「こちら側」にふんぞり返らないで反省する姿勢も、非常に真摯です。
「最近の若者はいかん!」という「根拠なき否定」のような見地からではなく、自分と「若者」との間に無視しがたく存在する様々な差異を積極的に認識し、たまに容認もし、というか「こちら側」から一方的に断罪せず(恐らくゼロから「若者」の側に立った自分を想像すれば積極的に容認せざるを得ないんだと思う)、香山氏が「どうしてだろう?」と思ったことや、「若者」を観察・考察して「あっ、こういうことかもしれない!」と気付いた事実を更に検証して、つまり自分の中だけじゃなく「若者」ともしっかり会話しながら、それに基づいて書くという緻密な作業をしてくれているので、とても興味深いです。‥‥何より、「若者」への愛?のようなものがいっぱいだったと思います。相手をわかろうとする時に必要なのって、たぶん「ありのままに見る」という、実は限りなく不可能に近い行為だと思う。そしてそれは愛?のようなものを前提にしていると思います。
ときどき文章表現や対象の生態として紹介される事例が古くさ〜く見える瞬間や、「コレなんか違わない? ってか俺の観察と少しズレてるな?」と思える瞬間もありましたけど、逆に言えば、中心課題になってる「若者」に対してはもちろん、作者である香山氏の視点に対しても素朴な違和感のような、ほどよい距離を保ちながら読める本でした。
ちょっとわかったけど、ちょっとわからなくなる。「答え」の可能性は書いてあるけれど、「答え」そのものは全然書かれていない。かつ、「若者」について考えていたはずなのに、それを問うている「自分」がどういうモノなのかをいつのまにか考えさせられてしまう。 ‥‥そういう本でもありました。
‥‥どちらかと言うと、この本で「若者」と言われてるような人が、この本で「若者」と言われていない人のことを思いながら読んだ方が面白いのかもしれません。
(かなり個人的な見解や誤解に基づいてますが、たぶん「こちらから積極的に会話したいとは思えない、でもこちらから何かを伝えたくてたまらない、こちらの思いを本当はわかってほしい相手」ってふうに言えるのかなあ、この本で便宜上「若者」と表現されている人間の群は。)
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大学入学時の長期休み課題本として紹介されていた本である。課題として読むべきであったのだが、楽しんで読んでしまったため課題にするのは嫌と感じてしまった思い出がある。
当時高校生であったが、なかなか楽しめる新書本であった。
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香山リカは当たり外れが激しい。
これは外れ。
「若者」の定義がよくわからない。著者の経験によるイメージがほとんどだろう。
共感できることも多いが、「法則」として一般化するのはどうかと。
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簡単に読み易い量にまとめられ納得できるものもあり、首を傾げるものもあり。ただ、こちらの有名書店さんがいくら新書とはいえ、この内容の本を出されたことに少し驚く。
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9日読了。
共感できるものと出来ない物がある。でも出来ない物の方が多いと言うことは、nodonはまた老け込んでるんだろうか。
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「若者」の心を、ここまで理解しようとしている、現に理解している大人がいるのかと感心した。
自分と異なる感覚を持った若い世代を理解するための気力と体力を惜しむあまり、若者を自らに馴染のあるやり方に無理やり押し込もうとする怠惰な大人のなんと多いことだろうか。
異質なものを受け入れ、理解し、さらに共生していくためには、非常な努力が必要なのだ。
職業柄、若者と密接に関わることが多いとはいえ、筆者にとっても現代の若者は「異質」な存在であろう。そういう異質なものを前にして、「これだからダメなんだよね〜」と責めるわけでも、はたまた「悪いのは若者じゃない、我々大人なんだ!」というような若者弁護に走るでもなく、静かで客観的なスタンスは保ちながら、しっかりと彼らの悩みや痛みに耳を傾ける、筆者の柔らかな精神性に共感を覚えた。
この本に問題があるとしたら、それは「ここで説明されている若者とは、香山リカ的な『若者』像に過ぎない」という点に尽きるのではないか。これを読めば若者の全てがわかる、と言ったら当の若者たちは(私自身も含めて)腹を立てるだろう。大切なのは完璧な説明が施されていることではなく、ここで指摘されている「法則」(「いつも誰かとつながっていたいの法則」「関係ないことにかまっちゃいられないの法則」「いつかはリスペクトしたい・されたいの法則」など)と、学校・笑顔・ジェンダーといったコラムの内容に、「たしかにそういう説明ができるかもしれない」、とハッと気付かされることだと思う。そういう意味で、この本にはなるほどなー、と思う所が多かった。
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ものすごくキャッチーな内容だけど、当の若者である僕からしたらかなり突っ込みどころ多い。
というか、著者の分析が結局は個人的な体験とか思い込みを拠り所にしているから、妙にいらいらする。
分析しようとしてるけど、結局理解する気なんてないでしょ!って言いたくなる。
でも、世の先輩方は我々若者が当たり前にとっている行動について、様々な仮説を立てて必死に納得しようとしてるのだなあということは伝わってきた。
たぶんいつの時代も若者は「新人類」なんでしょう。
さて、リカちゃんが若者について正しく分析・理解できていないとすれば、その原因は「サンプルの偏り」ということに尽きると思う。
例えば、「ねたむ」という項が象徴的。
この項でリカちゃんは、今の若者は自分の立場や状況をいつも肯定的に捉える傾向があるから、他人の成功に対してねたんだりすることはまずない、と言う。
そしてその前提のもとで、彼女はこう続ける。
「自分がいちばん」と思っている若者はいつも他人の成功に対して寛大なのか、というとそれも違うのだ。若者向けの雑誌を見ていると、ときどき「相手を不幸にするおまじない」や「呪い」の特集が載っていて、ぎょっと驚くことがある。怨霊や妖怪といったドロドロした存在への関心も、年々高まる一方だ。今の若者の寛大さは、自分の適性や個性をきちんと自覚できるようになり、社会的な評価に惑わされなくなったから生まれたものとは言い切れないのだ。「まあいいさ」「これでよかったんだよ」と自分に言い聞かせ続け、「あの人は一見、うまくいっているけれど、それはそれで大変なんだよ」と思い込もうとしているだけ、という人もいるのではないか。そういう若者が自分の仲に抑え込んでいるねたみや憎しみが、今の「おまじないブーム」や「怨霊ブーム」に姿を変えているのではないだろうか。
(※2002年刊)
ここの突っ込みどころは「若者」という層の捉え方がざっくりしすぎていること。
「他人の成功に対してねたんだりすることはまず無い」という若者と、「呪い」の特集の読者層は一致するとは限らないんじゃないかな。
今も確かに世の中的には占いだとかのスピリチュアルなものへの関心が集まっているんだろうけど、それって若者に限った現象ではない。
「呪い」の特集の読者層=若者の大多数 っていう訳分からん構図をサラッと使ってしまっているところにこの本の甘さがあると思う。
たぶんこの本を「精神科医による分析」っていう頭で読むと、「なんでぇい」って感じると思う。
エッセーとして読むのが正しいんだろうな。
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現代の若者として
自分でもよくわからないもやもやとした思いが
若者の法則としてカテゴリ化され
冷静に分析されていて驚いた
09/05/14
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若者が「若者の法則」を読んでみました(笑)
わたしは若者である。だが、本当に若者であるといえるだろうか?
そもそも、若者とは何だろう。高校生であるというだけで若者なのか?
そんな疑問を持つ高校生や、「最近の若者は・・・」といっている「オトナ」達にお薦めの本です。
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大学教員をしている著者が日々接している学生の行動を例に、
一見無秩序に見える若者の行動言動の根底には実は一定の理念や考え方が存在することを指摘している。
若者に対して好意的な見方をしていると思われる著者には若者である自分は好感を抱いたが、
現実にはこの「若者らしさ」を全て備えている若者は存在しないと思った。
もちろん著者もそんなことは主張していないが。
若者はこの若者らしさをいくつか備えながら存在しているのだろう。
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これもドミにあった本のうちの1冊です。
少し古い本なので、当時は面白かったかもしれませんが、
こんなもんかな?と言うのが今の正直な感想です。
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若者にはどのような法則があるのだろうか。若者はよくお金の話をしている。彼らは、お金は大切なもの、お金があることは良いことというシンプルなお金肯定主義がある。お金はほしいが、お金のためにやりたくもない仕事までやろうとはしない。彼えらを実際に動かすのは、実はお金ではなくこれは自分しかできないという意識なのである。何にでも金額や料金に換算して語る若者がそれだけお金に執着があるわけではない。他にも色々な法則が若者にはある。
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書かれている「若者像」と自分がほとんど重なる部分がなくて、これは自分と彼らのどちらが特殊なのだろう、と思った。僕もいちおう若者のはずなのだが。
分析の材料としているのが、若者の言動の一部だけを切り取られたものという印象が拭えず、もっと深い事例を欲しいと感じた。でもこれは本書の性質上難しいだろうから、「もっと知りたいという人は専門書に入ってみてくれ」ということと理解する。
各項目の最後で、「その若者をなんとかするために、まずは大人がこうならなくちゃね」という書き方をしているのだが、それがいちいち鼻につく。大人がいまの若者と付き合っていくための本だとするが、これを実際大人たちが読んでいくには、かなりの根気強さが必要なのではないか。
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(「BOOK」データベースより)
「何で電車の中でお化粧したり、ものを食べたりするんだ?」「あいさつは「どうも」しか知らないのか」「怖くて声がかけられない」…今どきの若者の、一見理解不能・非常識とも思える行動の奥には、彼らなりの論理にもとづく真剣な思いや悩みが隠されている。精神科医・香山リカがその「法則」を読みとき、つき合い方を指南する。